デス・フロム・アバブ・UCA #6
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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【デス・フロム・アバブ・UCA】#6 pic.twitter.com/q8qJZZQBFJ
2019-09-01 14:10:22
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ワァンワァンワァン！ワァンワァンワァン！黄色く燃える空にサイレン音が満ち、隊列を為す影がバクチクを撒き散らしながら空を駆ける！高層建築は爆炎を噴き上げて沈んでゆく！幅を広くとった道路上にパニック状態の市民が溢れる！風光明媚であったバンクーバーに今、ニンジャの恐怖が降って湧いた！ 1
2019-09-01 14:14:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「アイエエエエ！」「ニンジャ！ニンジャナンデ！」逃走市民の一定数は失禁しながら頭をかかえてのたうち回った。ニンジャリアリティショック症状！月破砕後の世界ではニンジャはそれなりに認知されている。だが、平安・江戸時代のニンジャの暴威の片鱗を間近に浴びせられれば、やはり人の心は……！ 2
2019-09-01 14:16:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」「イヤーッ！」カイトをひるがえし、迎撃戦闘機に向かってゆくカイト小隊！たちまち音速の翼はスリケンやクナイを受けて火を噴き、キリモミ回転しながらビルを貫いて爆発した。ナムアミダブツ！BRATATATATA！BRATATATA！道路を走り来た自走式高射砲の火線がカイトニンジャを追う！ 3
2019-09-01 14:20:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「市民の皆さんは我々の誘導に従い避難してください！」「UCAのサブスクリプション契約を受けている皆さんは地下シェルターの利用が可能です。IDを準備してください！」街頭スピーカー音声、UCA兵による必死の誘導だ。人々は各自の判断のもとで死の運命を逃れるべく行動しなければならない！ 4
2019-09-01 14:22:14
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「ニンジャ！ニンジャナンデ！」「入れてくれェ！」「IDを……グワーッ！」「入れろッ！俺ら地球市民なんだよ！」「排除！」BLAMBLAM！「グワーッ！」「アバーッ！」ナムサン……！シェルターの入り口では凄まじい混乱だ！「あっちはダメだ」「だな！」そして別方向への逃走経路を探る市民！ 5
2019-09-01 14:24:04
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「空爆だ。い、いくらニンジャが空でイキろうが、まだ地上を制圧されちゃいない。この数十分を耐えればいいんだ。UCAだって、ほっときやしないさ……」「みろ、ゼン・ミライの最新主力戦車、アミダダビデ050だぜ！」詳しい市民が興奮してゴーグルを幹線道路に向けた。走りくる鉄塊！ 6
2019-09-01 14:29:14
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バララララララ……バララララララ！アミダダビデのミサイルランチャーから白い尾を引いて放たれる無数の対空微細ミサイル！「イヤーッ！」「イヤーッ！」カイトニンジャは散開するが、追尾ミサイルは彼らに食らいつき、何人かを爆発四散せしめる！「ヤッター！スゴイヤッター！」詳しい市民は興奮！ 7
2019-09-01 14:31:13
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しかしその時！新たなカイト編隊がビル陰から飛び来たり、先頭の者が容赦なく竹槍を投擲！「イヤーッ！」KRAAASH！過たず砲座を貫通、アミダダビデ050を爆発させる！KA-BOOOOM！「アイエエエエ！」詳しい市民は吹き飛ばされる！「ハイヤーッ！」咄嗟に受け止めたのはコトブキ！「ここは危険です！」 8
2019-09-01 14:34:02
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「アイエエエ！」泣きながら逃げ去る詳しい市民の背中をコトブキは目で追ったが、それどころではない。「大変な事になっちまってるよ！」ザックは必死でコトブキに追いすがった。コトブキは再びザックの手を取った。「被害が拡大しています。とにかく……」『オイ、生きてるか！』タキの通信だ。 9
2019-09-01 14:36:19
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ワァンワァンワァンワァン！鳴り響くカイトニンジャのサイレンの中、コトブキはタキの通信を聞く。『だいぶんスゲェ事になってるようだな。さすがにUCAもナメられたままじゃいねえ。周辺の都市からツェッペリンやら何やら向かわせてる。バンクーバーがこのまま占領される事はねェ。だが面倒だぞ』 10
2019-09-01 14:39:16
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「シンカンセンは……」『そう、それだ。駅の状況をさらってるがよォ、まだ死んでねえな。そういうインフォメーションは出てねえぞ。まあ、急げ！後な、オレは閃いた。サイオー・ホースってやつだ……』「何でしょう？」『いいか。こんな状況だ。予定通り乗れねえ奴らは絶対出てくる。相当数出る』 11
2019-09-01 14:41:37
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「つまり……！」『シンカンセンの客室は絶対空く。乗れ。乗ってから、辻褄を合わせらァ。ハッキングか何かでよ』「さすがです。合理的です！具体的な手段がありますか？」『そりゃ……ケースバイケースだ。いいか、ヨロシサンのセキュリティが邪魔なら、ニンジャスレイヤー＝サンにやっつけさせろ』12
2019-09-01 14:44:55
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「わかりました。ニンジャスレイヤー＝サンと合流……」コトブキは目を伏せる。「ニ……ニンジャスレイヤー＝サンはしかし、今は……」高速思考！「コトブキ姉ちゃん！」ザックに引っ張られ、コトブキは倒れ込んだ。KABOOOM！彼女の頭上を、吹き飛ばされた車両が通過し、道路に衝突した。アブナイ！ 13
2019-09-01 14:51:17
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「す……スミマセン」「シンカンセンなんだろ、とにかく駅に向かおう」ザックが手を引いた。「路地裏……わかんねえけど、広いとこはダメだ。あっちに……」「イヤーッ！」「イヤーッ！」ナムサン！低空飛行カイトニンジャ部隊が地上戦力を殺しながら滑空、コトブキ達の眼前にあっという間に！ 14
2019-09-01 14:53:06
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コトブキはザックを庇おうとする！「イヤーッ！」カイトニンジャは逆さ刃のダガーで襲う！「イヤーッ！」「グワーッ！？」コトブキを跳躍で飛び越えた影がカイトニンジャの顔面にケリを食らわせた！「アバーッ！」自身の速度でカイトニンジャは即死爆発四散！コトブキを助けたサラリマンは回転着地！15
2019-09-01 14:57:09
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「よ……よかった」サラリマンはズレた眼鏡を指で直し、コトブキ達を振り返った。片手で重いアタッシェケースを担いでいる。「どなたか存じませんが、このエリアはかなり危険です。移動すべきだ」「あ、ありがとうございます！」「オッサンつええな！？」ザックは驚いて指摘した。 16
2019-09-01 14:59:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「その……ハハ……」サラリマンは埃を払い、愛想笑いをした。彼らは路地に入り込み、一息ついた。「ひ、非常時の咄嗟の事でしたから。カジバチカラといいますか」「とにかく、助かりました」コトブキは頭を下げた。彼女は素早く彼の社会的地位を洞察した。「貴方は……出張サラリマンですか？」 17
2019-09-01 15:03:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ああハイ、その通りです」「ドーゾ」コトブキは状況判断し、懐から２頭身カートゥーンをプリントした名刺を差し出した。「コトブキです」サラリマンは反射的に名刺交換を行った。「これはご丁寧に。チカハ社のサガサマ・ミネです」礼儀作法の帰結である。 18
2019-09-01 15:05:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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彼らは轟音の中、エリア移動を開始する。「この、ピザタキとは？ピザチェーンですか？」「ネオサイタマのピザ屋なんです」「そうですか。新規出店のリサーチですとか……いえ、詮索はシツレイですね。とにかく今回は大変でしたね。ウキハシも封鎖されてしまいましたし、帰るにも一苦労でしょう」 19
2019-09-01 15:09:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「そこなのです」「オッサン、どうすンの？」「ええ、シアトルからこのバンクーバーに来ていたのですが、とにかくこの都市から避難しなければならない事態でして……」「それなら決まりだ。オッサン、シンカンセン行こうぜ」ザックが不意に言った。「エッ？」「シンカンセンに乗りたいんだ、俺達」 20
2019-09-01 15:14:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ヨロシサンですか」サガサマは少し考えた。「私の移動手段に関しては、社に問い合わせてはおりますが……」「俺ら、シンカンセンに辿り着かないといけないんだけど、こんな状況でさ。危ないんだ」DOOOOM！付近のビルの崩壊音が届く。「アンタすっごい強いじゃんか、駅まで送ってくれよ」 21
2019-09-01 15:16:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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サガサマは手帳を取り出し、ざっと確認した。「再度の南下は問題外……港湾の復旧可能性……UCAの増援は数時間以内に到着するが……」数秒後、彼は頷いた。「そうですね、その方向で前向きに進めましょう」「ヤッタ！それがいいぜ」「ザック＝サン、腹が据わっていますね」コトブキは感心した。22
2019-09-01 15:21:32