観劇報告書2019(9月ーⅡ)

収録団体…名古屋学生演劇祭より(名古屋芸術大学劇団超熟アトミックス、ポスト人類、劇団モーメント、愛知県立大学演劇部:劇団ムヂンエキ、劇団モルモット、南山大学演劇部「HIーSECO」企画、劇団ひとみしり、Iならアイせ、グリーきんかん、極怒哀落、1秒/sに気まぐれ、在り処)
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MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!🙋】 【①雲の上はいつも晴れ】 浴びせられる言葉の雨により言葉を失った、それを護る意味での常時 傘に佇む人という描写が良い。まるで今の世の中を現しているかの様。難点はこの傘を差すきっかけが少し現実とかけ離れてること、演技が少しきごちなかったことですかね。#NSAF2019 pic.twitter.com/65fls2y13T

2019-09-09 20:19:51
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【雲の上はいつも晴れ】(名古屋芸術大学 超熟アトミックス)
【作品紹介】
商店街に越してきたばっかの若い男が(気っ風の良さげな女がお店を切り盛りする)雑貨屋なんぞに立ち寄ったら、雨も降ってないのに傘差してる変な若い女に出会ったんだけど…という話です。(雲の上はいつも晴れ)

雨も降ってないのに年中傘を差してる若い女と引っ越して来たばかりの青年の交流を描いた話でした。人の出会いってのはほんと「ふとした瞬間だなぁ」ってのを想わせる作品でした。ただ、誰かれ構わず毎朝明るく挨拶したら不審者がられてしまい、結果 鬱状態になり傘を差すことになってしまった女性のキャラクター設定についてはどうにも納得出来ませんでした。それじゃ誰でも避けるってw(雲の上はいつも晴れ)

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!🙋】 【②冬の空】 知らない作品だと思ったら実は知ってた内容だった笑。思わず聞き耳立てたくなるこの空気感というか女子トークみたいのがこれはこれでなかなか良いなと思いつつ観てました。ただやっぱ舞台が広すぎる様な気がしなくもなくて…こじんまりの方が好きです。#NSAF2019 pic.twitter.com/TFuOJtp1Ea

2019-09-09 20:19:55
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【冬の空】(ポスト人類)
【作品紹介】
ある冬の寒空の屋上、一人の(真冬だと言うのに半袖!)女子が望遠鏡を覗きこんでいる。そしてもう一人の女子は寒さに時おり震えながらその様子を見守っている。その後もう一人の女子が慌ててやって来て…どーやら遅刻してきた様だ。(冬の空)

果てしない宇宙、漆黒の闇、その中に散らばるたくさんの星たち、未だどこに到着するともなく進み続けるボイジャー号、故郷の星が荒廃した為に地球に来るもいずれは帰るつもりの宇宙人(3人のうちの一人が宇宙人という設定でした)そして一方ではいずれやって来る受験、別れ…という様にですね…その先は見えないのだけど無限の可能性も同時に秘めた「宇宙」というものと「未来」というものを掛け合わせた感じの演目です。

まぁこれがなかなか夜空をバックにすると雰囲気良いのですな。静寂の空の下って感じでね。ただやっぱ舞台の空間がだだっ広すぎるなぁ…とは。(冬の空)

これ元が「望遠鏡とミルクティー」という作品なんです。内容はそんなに大きく変わってないと思うのですが演者が元の作品の方が確か男二人に女一人なのに対し、こちらは女3人になってます。また元作品ではミルクティーを飲む場面があったと思うのですがこちらは缶コーヒーになってたと思います。(冬の空)

そういや半袖の役の人、もろ大股開きだったけど、一応女子ってことで良いんだよな?笑。ところで差し出したアノ「青い飲み物」…これ人によって辛くも甘くも感じるらしいのですがね、結局なに味だったんだろか?ブルーハワイ?ブルーハワイってよくわかんない味だからさぁ…(←物事を基本深く考えられない人)(冬の空)

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!🙋】 【③せいふくたのしく】 こういうデフォルメのキャラっぽいの好きです。題名通り見るからに楽しそうなので観ている側も楽しくなるというもので。ただ最終的に目的が「楽しく」より単なる彼女の「意地」になってた感があったのでそこは少しぶれてるかなとは感じました。#NSAF2019 pic.twitter.com/tjt0baRDQn

2019-09-09 20:19:58
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【せいふくたのしく】(劇団モーメント)
【作品紹介】
とある学校の女子生徒会長が学校生活を楽しく過ごしてもらおうと制服の廃止を提案するんです。ところがそこに風紀委員が立ちはだかり、更には周りも無関心という事態に陥るのです「私は一体何のためにこれやっているんだろ?」と自問しつつ、今日も制服のデザインに勤しむって話ですな。(せいふくたのしく)

この手の話は結構好きです。ただ制服を使って学校を楽しくしたいという趣旨のはずが終盤には単に一人の風紀委員を打ち負かすだけの話になった上、学校うんぬんより単に制服デザインの話になってしまった所が少し残念でした。つまりトーンダウンした感あるのがなんともねぇ…革命か下克上みたいな展開期待してたのに。(←無茶)(せいふくたのしく)

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!🙋】 【④I wanna】 直訳すると「私は~になりたい」この意味を『何かを追う』『何かに追われる』結果全員が「何かしらに追い詰められる」という形でグルグルグルグルなんだか互いの尻尾でも目掛けて追いかけっこでもしているかの様な面白さがありました。わかるなぁ。#NSAF2019 pic.twitter.com/bFH6RZhgop

2019-09-09 20:20:01
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【I wanna】(愛知県立大学演劇部:劇団ムヂンエキ)
【作品紹介】
要するにバイオリンで将来を嘱望された姉がいたんです。でもその姉は母親の過度の期待に応えることに疲れはてたのか死んでしまうんです。(一応本編では事故死となってますが終盤姉が「母はうまく妹に言ったなぁ」的なことを言ってるので恐らく自殺でしょう)そこで母はその姉の代わりに妹を育て上げようと姉と同じくか下手するとそれ以上の過酷なレッスンを課すのです。結果 愛らしかった妹も心身が疲れはてたのか何時しか姉と同じことに…

んでまぁただいま現在『三途の川』にて「番人」なる人物とお話していると…そんな感じですね、要は姉と同じく死にかけてるんです。(I wanna)

これ正直言って絶妙なキャスティングだと思うのですよ。
母はもう理想に取りつかれたかの様に娘二人をまるで「道具」の様に扱っちゃう所がもろ『鬼』としか思えないし、姉は姉で番人の時は子供というか道化師みたいな愛嬌振り撒くんだけど最後は姉らしく教え諭す所が姉っぽいし、妹は少し甘えた感じがやっぱ妹って感じな訳でしたからね。それだけ妹は三途の川の時との落差が衝撃ではあるんだけど。まさにキャストの勝利。(I wanna)

あ、ちなみに早世した姉の正体は三途の川の渡しの「番人」でした。実際には明かされてはいないと思いますが そう観客に思わせてくれる口ぶりと雰囲気が素晴らしかったと思います。(I wanna)

実は「番人」となった姉が妹を諭して現世に還すのは少しばかり疑問が残りました。いやなに、自分はさっさと死んで、今同じ渦中にある妹には『生きろ』ってのはちょっといかがなものか?と思いまして。それって理想を押しつける母親と同じではないのか?と。…あーだから姉は行き先が「地獄」なのかな…?と思わなくも。(←と本編では言ってたと思います)(I wanna)

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!🙋】 【①友常】 なんでこの漢字をあえて使ったのか、観たあと分かる演目でした。と同時に世の中ってのはどんだけ理不尽がまかり通るのだろうと思わずには。演技力が少しばかり人により差があった気はしますがホラー的要素の威力は十分だった気がします。#NSAF2019 pic.twitter.com/9toS7mQWwg

2019-09-09 20:22:50
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【友常】
【作品紹介】(劇団モルモット)
ある女子生徒が自殺してしまうんです。それを巡って例によって例のの如くというかマスコミ始め各所によるいろいろ憶測やらなんやら飛び交う訳なんですが、その最中である男子生徒が「脅したのではないか?」と疑われる訳ですよ。でかつて親友だった別の女子生徒がこれによがしに追求を始めるんですね。もう決めてかかったかの様に。そこに自殺した彼女の兄が真相を確かめようと現れる訳です。(友常)

上でホラーって書いてるじゃないですか。ま、これ少し説明しましょう。この後どーなるかと言うと追求されるだけ追求された男子生徒は自殺した彼女に花を手向け続け、あれほど執拗に追求した女子生徒は自殺した彼女の事などスッカリ忘れ、何事も無かったかの様に別の女子生徒と携帯でお喋りするんですね。なんでかと言うと彼女の死因が失恋だということが判明したからなんですね。(友常)

まぁこうやって見ると今の報道やらSNSなんかにみられる人の反応そのものって感じですよね。無責任に言いたいだけ言って、面白くないから、興味が薄れて飽きたからまるでいらなくなった玩具みたいにポイ捨てしちゃうみたいな。

人間不信にでも陥りそうなとこが怖いなぁ…世の中って残酷だなぁ…誰にでも起こりうるとこがホラーだなぁ…なんて思ったんですね。(友常)

あ、ちなみにですね、自殺した彼女の兄も自殺しちゃうんです。真相がわかるまでは何とか気力を保っていたんでしょうけどねぇ…(友常)

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!🙋】 【②蝉時雨、ある少女の夏】 登場人物を通じて題名の通り蝉の寿命、その脱け殻の意味を考えさせられた演目でした。とにかく演技が抜群に良いのですね、それこそもろ感情移入してしまうくらいに。それだけに結末に救いは無かったのかと自問自答してしまいましたけどね。#NSAF2019 pic.twitter.com/55JUNdUweP

2019-09-09 20:22:53
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【蝉時雨、ある少女の夏】(南山大学演劇部「HIーSECO」企画)
【作品紹介】
文化祭の準備が進む、とある教室にて。ある女子生徒と男子生徒のひと夏の話なんです。その女子生徒ってのはその男子生徒にほのかな恋心みたいなのを抱いてました。ただ結果的にはその恋を伝えることなく彼は自殺してしまうという結末で終わってます。(蝉時雨、ある少女の夏)

7日間くらいしか生きられないけどその間「自分はここにいるよぉ!」って感じでやかましく泣く蝉と「あっ蝉だ」と思ったら実はもうそこにはいなくて脱け殻だったってのと、短いけど命そのものを精一杯燃やし尽くした人間で表した様な『その人に自分を見て欲しかった』という意味で詩的な美しさがあった演目だったと思います。(蝉時雨、ある少女の夏)

上手くまとまらないのですが結構蝉を連想させるもの多かったのですよ。

〔蝉〕…恋心を伝えられなかった女子生徒。精神を病んだ母親に振り向いてもらえない男子生徒。男子生徒に母親の事を諦める様告げた父親。精神を病んで息子を求めては泣き叫ぶ母親。

〔脱け殻〕…女子生徒の気持ちに振り向けなかった男子生徒、精神を病んだ母親そのもの。

〔7日の命〕…男子生徒が母親と過ごしたアパートでの日々。

〔蝉時雨〕…みんながみんな「誰かに振り向いて欲しい」と心で叫んでいるその状態。

…にしても今年はあんま蝉の泣き声を聞いとらんな…(←なんの話だ)
(蝉時雨、ある少女の夏)