欲しがりたいの恋

よつげ @Eight_os

好きになったらあかんの恋番外編(？) 欲しがりたいの恋 #エイトで妄想 pic.twitter.com/03zoTrJsKN

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１ 昔昔あるところに、一人の可愛くて元気でアホな女の子と 適当でしょーもないろくでもないイケメンがおりました。← その二人はある日偶然出会い、女の子はイケメンに助けられ 何年も経った後運命の再会を果たし 幾多の試練を乗り越え想いが通じ幸せに暮らしました。 #エイトで妄想

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２ めでたしめでたし。 …………では、ない。 そう、これは幸せではあるけどめでたいか言うたら全くめでたくない。 や、これは俺らが望んだことやし。 それは分かってんねんけど。 大きな問題が一つ。 たとえ幸せになったとしても 我慢の日々は続くということ。← #エイトで妄想

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３ それは、実を言うと二人の人物に再三言い聞かせられてきたこと。 「さぁちゃんをよろしくお願いね あぁでも…高校卒業までは、無事に何とかしてやってくださいな」 一人は、あいつのばあちゃん。 「大倉先生！あいつには時期が来るまで…くれぐれも！手出ししないように！」 #エイトで妄想

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４ もう一人は、保証人村上先生。 つまり？二人の話を総合すると？ 彼女が高校を卒業するまで手出しが出来ないということで。 …いやまあ、つい先日キス出来たばっかなのにその先を望むとかそんな余裕ないことはしてませんけども？(大嘘) 彼女はこれから高二。 どんだけ待つねん！ #エイトで妄想 pic.twitter.com/5Wr8L6KFkY

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５ そら、彼女のことは大事にしたいものの。 不可抗力というのがある。 「…は？誰それ」 「だから！佐野くん！ 今度のクラスで一緒に学級委員やる子ですよ！」 一年の頃の男子の学級委員は部活が忙しいやつでほぼほぼこいつに任せっきり。 しかし今年のは真面目な奴らしい。 #エイトで妄想

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６ でも、でもな？ 「…何か言いたげな顔してますね」 「してへん」 「してます、ほら」 彼女が俺の両頬に手を当てる。 「…だいぶお肉が付いてきましたね」 「お前のせいやアホ」 こういう時に限って、ソファでまったりする時間ってタイミングやったりするから厄介。 #エイトで妄想

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７ 「ふおっ！？」 彼女を膝の上に座らせてぎゅっと抱きつく。 「たっ、たたたた…」 お前ほんま相変わらずやな、と若干微笑ましくなってちょっとだけ溜飲が下がる。 けど、ここから先は好きな子を虐めたくなる男心。 「…俺以外の男話に出すん…ムカつくなぁ」 「……嫉妬？」 #エイトで妄想

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８ こっちを振り返ろうとする頬に手を当て無理やり顔の向きを戻させながら答える。 「嫉妬ですよ？」 「ひぇ…」 「しかも褒め言葉て…何？俺よりその子の方がええんや？」 「そんなこと！私は！忠義さんのことが好」 大声で言ってしまいそうになってふと我に返ってしまった彼女。 #エイトで妄想

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９ 顔を覆って上体が崩れる。 照れてしまったみたいやな、残念。 「…かわえ」 そう思わず笑みが零れる。 …ふと見ると、眼前には白くて綺麗で美味そ、じゃない、綺麗な首筋。 風呂上がりの部屋着なもんで肩に顎を載っけてふと下を見れば 上半身を頼りなく隠す緩い襟元。 #エイトで妄想

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１０ …ムラムラ。忠義ムラムラ。 ってあかん！ こんなことで欲求不満になるな俺！！ 道は長いんだから！ …長いんだから… …うーむ、代替処置希望。 「さぁ？」 「ん？」 くるっと彼女をこちらに向かせると 「じゃあさ、忠義さんご機嫌斜めやから…キスしてくれへん？」 #エイトで妄想

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１１ 「んぇ！？」 驚いた彼女の顔。 うんうん、その色気のない顔が見たかった。 はなからほんまにしてくれるなんて期待はしてへん。← 「…ほーらw」 ニヤリと笑って腰を引き寄せる。 ってあかん、自爆行為やん。当たってへんかなこれ。 「うう…」 #エイトで妄想

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１２ 困りと照れで泣きそうな彼女の顔。 …残念やけどそろそろ解放してやるか。 「…なんて、冗だ」 そう言いかけたその時。 …彼女の手が頬に触れた。 「…え」 少し伏し目になった逆光の彼女の顔は驚く程綺麗で そっと目を閉じれば柔らかい感触が唇に下りた。 #エイトで妄想

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１３ 少しの間触れただけで唇は離れていく。 彼女の顔を吸い込まれるように見つめていたら 彼女はさらに真っ赤になって 「…もっ、もう寝ます！おやすみ！ばか！！」 そう言って寝室に引っ込んだ。 残された俺は、遅れて状況を理解する。 …うわ。 うわうわうわ。 #エイトで妄想

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１４ あーかーんーてー！！！ えっ、何期待した俺。 あの時目閉じたあの瞬間俺何期待した？ でも… あの綺麗な顔を思い出す。 ついでにあの綺麗な首筋も スウェット越しの感触も さっき男の名前を出した顔も… (あーーーーーー) はよ俺だけのものにしたい。 #エイトで妄想

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１５ その日が来たら焦らされた分グッチャグチャのドロドロに… え、あいつを………？ 思わず想像(妄想？)してしまってソファの上に寝転がって悶絶した。 ふと見ればそのせいか下半身はちょっとアレなことになってて 今日は何回抜けるだろうかと滅入った頭で考えた。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/1lQEZ2R3rE

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１６ ある日の昼休み。 最近ご機嫌な章ちゃんに相談を持ちかける。 「…章ちゃん」 「何ー？忠義さんを誘惑する方法でも知りたいん？」 「エスパーじゃん！」 「ほんまにかいw」 章ちゃんは楽しそうに笑う。 「そんなん言うてもなあ〜 あの堅物は卒業まで絶対手ぇ出さへんやろ」 #エイトで妄想

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１７ 「…デスヨネ」 そんな気はしていた。 忠義さんは私の事、ちゃんと大事にしてくれている。それは分かる。 でも、でもさ。 「私そんな清純純情派じゃないし…」 「あはは、それはおーくらも分かってると思うでw」 「おい」 でもさ、と章ちゃんは続ける。 #エイトで妄想

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１８ 「自分、気づいてるかも知らんけど それめっっっちゃ幸せ者やで？これ以上ないくらいに」 「そんな？」 ひとつ頷くと、「さくちゃんは知らんやろけど」と少し上を向く。 「男はもう、好きな子目の前におったら無条件でムラムラすることあるし」 「ふぇ！？」 #エイトで妄想

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１９ 「大倉そこそこ手早いっぽいし それが今日この日まで無事言うんはけっこうな奇跡やと俺は思う」 う、うむ……… 章ちゃんの意見にも一理、ある。 だが。 「あの………」 「はいはい？」 「…私に、た、大倉先生をムラっとさせるほどの魅力がないという可能性は」 #エイトで妄想

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２０ 「あーー……」 「いや納得しないで傷つく」 「まあ大丈夫大丈夫」 「ええーやだ怖いーーー」 章ちゃんは笑ってるけど、いや本当に怖いんだってば。 私、ちゃんと忠義さんに女として見られてるんだろうか。 年下だからこそそれが不安になることがある。 #エイトで妄想

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２１ そんな不安な気持ちを抱えたまま何ヶ月か過ぎ、気がつけば六月。 「ただいまー」 「あらさぁちゃん、お帰りなさい」 想いが通じあった後も、実家に週一から週二ペースで顔を出す習慣は続いていた。 「旦那さんは元気？」 「うん！おばあちゃんによろしくって」 #エイトで妄想

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２２ 「あらそう〜 よかったわぁ、さぁちゃんが幸せそうな顔見せてくれて」 「えへへ〜まあね〜」 最近は実家に帰ってくるともっぱら 一緒に早めの夕飯を作って食べる。 「さぁちゃん味見して？ このくらいでいいかしらねぇ」 「…んー、ちょっと薄いんじゃない？」 #エイトで妄想

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２３ 「あらそーお？でもねぇ…ほら、私も歳だから。気をつけないとねぇ」 おばあちゃんが歳の話を持ち出すと、こんな時間がいつまで続くんだろうかなんて考えてしまう。 「おばあちゃん飲み物お茶でいい？」 そういう時は怖くていつも話を逸らしてしまう。 #エイトで妄想

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２４ おばあちゃんはそんな私の不安を知ってか知らずかニコニコしている。 「「いただきます」」 二人で食卓を挟んで食べる。 忠義さんという人がいたとて、おばあちゃんはやっぱり大事な家族だもん。 いつまでも元気でいて欲しいし、ずっとこうして一緒に笑ってたい。 #エイトで妄想