観劇報告書2019（10月ｰⅣ）

【作品紹介】
【キズグチ】
どこにでもいる女子大生が左手をリストカットしたならば、その左手の傷口が喋りだして…っていう内容。（キズグチ）

【キズグチ】
大学へ行くのは元より生活を営むことも努力をするのも食事をするのも、下手すりゃ生きることも
『めんどくさい』
という（端からは見てもわからんのだが）漠然とした無気力みたいのを抱えた女子大生のお話でした。
そーなるとまぁ大半の方がたぶん思われることって「じゃ、死ねよ」って話になると思うんですよ。
いやでもね、死ぬのすら たぶん『めんどくさい』んですよ、この人（苦笑）
救いようねーじゃんwwww（キズグチ）

【これわかるなぁ…】
この作品書いたとこは廃墟文藝部っていう名古屋の劇団になります。

実はこの劇団が発表した短編の中では
「その気持ちわかるぅー」
という意味で最も共感した内容だと個人的には思ってるんですね。

なーに大したことじゃないんですよ。先に述べた通り『めんどくさい、めんどくさい』って出てくるじゃないですか。そこにちなんだことなんですけどね。

いや、だって考えてもみれば、まず世の中って人生の通過儀礼みたいな、めんどくさいこと多いじゃないですか。正直やってもやらんでもどっちゃでも良いのに。

でも、やらんとなんだか周りに後ろめたいというか、なんか自分は人より劣ってんじゃねーか？なんて思っちゃう時ありません…？

まぁ例えばですね…そうですね…身近なとこで言うと、彼氏、彼女がいるとかですね、あとは一定の学歴を身に付けるとか、就職して社会人として働くとか結婚して子供が出来て所帯を持つとかなんかがたぶんそーですよね。

ちなみに劇中でこれに近いなぁと思ったのは、この女子大生のバイト先である漫画喫茶での件なんですけどね。（←同僚の従業員♀が趣味で描いてる漫画の絵が上手いのが羨ましく感じたりとか、そこの店長♂が結婚して子供がいるとかでスゴい人だと感じる件があるんです。とりま妬ましく感じて発奮したのか、漫画の絵だけでも真似て描こうとするのですが、全く描けずに凹むんですね。）

だからまぁ、そことワタクシを重ねるとなんかわからんでもないなぁ…と。全く上手くまとまってないですけどそんな感じですね。（←どんな感じだよ）（キズグチ）

【ちなみに】
劇中では、この漫画喫茶の店長♂と女子大生の同僚♀は共に既婚者にも関わらず不倫していることをこの女子大生は偶然「家政婦は見た！」じゃないですが、バイト中に見てしまうんです。そして嫌悪感からの吐き気でバイト先を思わず飛び出しちゃうんです。

いや、ここの件もわからんでもなくて、『大人の汚ない一面を見てしまった子供』って感じなんですよね、信じてた者に裏切られたみたいな。免疫ないみたいな。

個人的には学校の先生なんかがそーかなぁ？と思ったもんで。あっこのあとの演目で先生出るわwwww（←こっちの話です）（キズグチ）

【トッキントキンに尖ったアナザーワールド】
今回、演出を手掛けたのが「なんだかんだクレイジー」という名古屋の劇団なんですが、予想の斜め上行ってましたね。パンクともロックともとれました。（←違いがよくわかんねーw）

個人的にオリジナル版？（You tubeに動画があるはずです）と違うとこ幾つか上げてみましょう。その方が早い←

ちなみに今回の登場人物は（※なお、敬称は省略してます）

・女子大生役（演:森夏音）〔なんだかんだクレイジー〕

・右手→左手♀（演:まとい）〔蒼天の猫標識〕［漫画喫茶の従業員役と客役も兼任 ］

・左手→右手♂（演:TERU）〔なんだかんだクレイジー〕［店長役も兼任 ］

こんな感じですね。さてと、本題に行きましょうか。

⏩面談形式になっている（←1対1で会話しているって感じ。ただ会話というよりもはや尋問w）

⏩メンチ切られるので視線反らしたい。ちなみに「右手♀」が一番怖いw

⏩格好が全員迷彩服。テロリストかよw

⏩「左手♂」がグラサン。もはやチンピラw

⏩女子大生のくぐもった不満を吐き出すという意味なのか心の声が📢で行われる。ただどーみても『犯行声明』にしかw

⏩リストカットが過激すぎ。辻斬り状態でバッサリと。しかも時おり殴られてる…それ死ぬやんw

⏩リストカットの道具がサバイバルナイフ🔪…だから死ぬってw

⏩漫画喫茶に来た客のアタマがおかしい。もはや通報レベルw

⏩女子大生のキャラが不満の塊とも言うべき『激情家』。なので頭の中が騒がしいというよりむしろこの女子大生自体『騒がしい』wwww 元の設定ってたぶん「無気力」だと思うんだけど…w

⏩しかも左右の手を仕切り出すw（ワタワタしだす右手♂と八つ当たり状態の左手♀wwww）

⏩更に鬱憤が溜まるとすぐお隣の公園まで爆走かます。しかも遊具で遊び出すw 鉄砲玉なのでなかなか帰って来ない…w

⏩それを慌てて追っかける右手♂、壊れる📢（←ほんとに壊れたw）、そして「遠い目」で見つめ 何事かを呟く左手♀wwww この展開は他の劇場ではまずあり得ないw

⏩なので左右の手の役割がなだめすかす、やっぱ『舎弟』あたりになっている。ワガママな頭あたりに振り回される哀れな役w

⏩自宅にいる時の女子大生は左右の手に上着を着せてもらってる。（←自分の両手で着てるという意味なのですが、なおバイトの時は脱いでる）やってることがヤクザっぽいw

⏩鉛筆を使った描写が多い。漫画描く以外だと料理とエロの場面でしたっけ？

⏩嫌悪感からの嘔吐で口に左手を突っ込む場面があるが あれじゃ死ぬと思う。徒手空拳？はダメでしょうにw

⏩左手♀のリストカット後に倒れた左手に覆い被さるかの様に女子大生が抱きつく場面がある。以前はあったかなぁ？

⏩最後、女子大生が死ぬつもりでリストカットしてるのだが左手♀メッタざしw なかなかにショッキングw

⏩気を失ったそのあと「生きてる！」っていうリアクションがなんとも。それでも死なないことへの『驚き』だったなのか？それとも、死ななかったことへの「安堵」なのか？という点で疑問が残った。（キズグチ）

【どうせなにもみえない】
【作品紹介】
大人になった（いや、なる寸前なのかも）の二人の女子が小学校時分あたりを回想する話。（だと思います）（どうせなにもみえない）

【AかBか】

これね、難しいんです。解釈が冒頭～終盤でかなり別れるという点で悩んだんですよね。

で出した答えがこちらですね。

「子供から大人になることへの漠然とした見えない不安」

「子供の時はうっすらとしか見えなかったことが大人になるに連れてはっきりと見えてきたものがある」

A:「それは、どーもこれ大人の言ってたことと明らかに違うぞ、言ってたその通りにならんぞ、ということである。」（前半の解釈）

or

B:「それは次第に大きくなる見えないところに潜んでいる『格差』という壁である」（後半の解釈）

そして

「先行き不透明なこの見えない時代にそれが起きている」

というのが前提にあって

その上で
『いや、だったらむしろ、その大人達に教えられて来たその道ばっかじゃなくても良くなくね？』

だから

『だったらそこの一線をがんばって越えて新しいことに挑戦してみよう』

ということではないのかと。

…＃§＠≠＜★◎♂∞（←頭がヒートエンドw）

それにしても文章って難しいですね。（←ここまで読んだ方は何言ってるかよーわからんでしょう？まぁ聞き流して下さいw）

まぁまぁ、とりまいくつか劇中の言葉から連想したものも一斉に羅列してみましょうか。（←この際なんで）

（どうせなにもみえない）

【とりま並べてみよう】

⏩窓に格子→学校。大人に護られたとも縛られているともとれる子供時代。

⏩壁の塗り重ねとクラスメートが読んでた分厚い？本→人生の積み重ね、（消したい過去含め）過去そのもの。（周りの大人含め）知り得た知識。

⏩瞳の奥…本人の過去の記憶。

⏩白い肌、白い壁、白い本の紙…まだまっさらな、なんも書かかれてない子供時分。当然カバーなんかも破れてもいない。

⏩将来の夢の件（※注1）、イタズラの件（※注2）と募金活動と高架下のホームレス（※注3）…大人社会における隠された綺麗事の一端。社会が目を逸らしているものごと。場合によっては社会が抹殺したもの。

⏩チロルチョコとホームレス、30円引きのジュースと募金箱（※注4）…大きなことは出来なくても小さな幸せなら実は自分にも作れたりする。

⏩白線の上と底無し沼の件…社会から一回脱落するとと復帰の難しい今の日本そのもの。

⏩距離と数式の件…いつの間にか気づいたら大人になってオッサンになってハゲちゃったw。（←やかましいw）

⏩友との別れ…次なる出会い。

⏩「どうせなにもみえない」という題名…先の見えないこの時代そのもの。（←もしくはこの文章書いてるワタクシ自身w いやむしろそっちかwwww）

（どうせなにもみえない）

※注1…小学校の課題の件。課題で「将来の夢」を書く出されたのだが 教師はあくまで『職業』を書くことを求めたのに対して、「明確には職業ではないものを出した」者がいたという件。ちなみに出した職業の内1つは『ホームレス』。

※注2…イタズラの件はクラスメートの本に落書きをしたため そのクラスメートが家出して失踪状態になったという件。いじめとイタズラの区分けが難しいなとは思う。

※注3…募金活動と高架下のホームレスは救うべき高架下のホームレスを放置して、海外の恵まれない子供達への支援はどーなのか？という件。目の前にいる忘れられた存在の上で募金活動という善意がまかり通る状態を、歪んだ区分けとして皮肉ったものと推察される。

※注4…チロルチョコをホームレスに上げる件と、30円引きの飲み物を買って満足する件。共に些細なことだが「小さな幸せ」みたいのを想わせた一幕。（どうせなにもみえない）

【後半の解釈に至った理由（わけ）】
上でなんだかんだ言ってるじゃないですか。（orのとこですね）これってあくまで「前半」は『これから社会に出る人の話』だと思うのですよ。

言うてワタクシはその社会に出て久しいのでね、もう、汚れきってますからね、ええ。

なのでこの年代が観ると少し見方が違うよーでして。終盤には少し解釈が変わってたんです。

よってorの「後半」の解釈が産まれたんです。

その大元となった事柄がですね、twitterで言ってる（←👆参照）ところの『就職氷河期』なんですけどね。それこそ劇中のどこぞじゃないけど「今までの白線の先が途切れてる！」というか「一切道がない！」みたいな？

いやね実際、就活の時にいきなり不景気になっちゃってそれまでの白線の道が無くなっちゃったんですよ。

その時、これまで敷かれて来て未来永劫続くと思ってた 年金やら年功序列やら、学歴社会なんてのも一気に吹っ飛んでしまったんです。

要するに、昨日まであった道が、今日には無いんですよね、ものの見事に。それで就職先もこの先すらも散々、苦労することになった挙げ句、時代にまで存在すら忘れられちゃったんですよね。

なんだか全体的に似てませんかね？この演目の流れに。

なんてふと思ったんですよ。
（どうせなにもみえない）

【そーいやなんも言ってねーわ】
役者さんについて。今回は、な花さんて方と、山崎双葉さん（名古屋大学劇団新生）ですね…（あー、たばたばさんかぁ…直接ご挨拶したことって、たぶんないよなぁ…）

ま、こーゆー演目なんでなかなか役の個性うんぬん語るのは難しいんですけど（←逆に変に主張されても困るけど）作品には上手く溶け込んでいた感じではありました。内容が内容だけに表現するのも難しかっただろうなぁ…とは。

ただ、ここまで整理してきて1つ感じたことを言わせて頂きますと、『どこからが子供の時代でどこからが大人の時代なのか？』ってのが少し解りにくかったんですよね。（←流石に先生の件は大人だと解りましたけど）

もう少しその辺何かしらの解りやすい変化付けてくれたらなぁ…とは思わなくもないんですけどね。

ただそもそもこちらの解釈が間違ってる可能性も大なんでそこはなんとも言えないんですけどね。
（どうせなにもみえない）