シスプリという優しく残酷な夢物語 Repureキャラクターズ「咲耶」から
シスプリRePureキャラクターズ「咲耶」 全話が名作のシスプリRePureキャラクターズのシリーズ。大トリに相応しい、シスプリ映像化作品の中でも1,2を争う名作…「咲耶」回と相成りました。数え切れないほど見てきた今作ではありますが、やはり改めて心を据えて拝聴したい所存。
2019-10-16 18:57:39シスプリはメディアミックス作品。敷居こそ高いですが、間口は広い作品であります。誌上ゲーム連載からの古参お兄ちゃん、ムックやキャラブックから入った方もいるでしょう。明るくも優しいウニメからシスプリに入った兄。血縁非血縁システムというカオス満載のゲームから入った兄もいるでしょう。
2019-10-16 19:04:09シスプリは当初から「シスプリは狂気」と評されました。兄妹間の恋愛、インセスト・タブーに対峙させるような作品に誰しも思えたのでしょう。もちろんそういった側面を匂わせる時もあるでしょうが、実際シスプリを知れば知るほど、無闇にインモラルを助長する様な作風では無いと確認できます。
2019-10-16 19:14:28むしろ原作に至っては後期になればなるほど、より幻想的、抽象的な表現となり、まるで「御伽話」の様な、儚くも優しい世界として一旦幕を下ろします。ウニメは微笑ましい群像劇の中で兄、航くんの成長を描きました。ゲームを良い意味でフィクション性をフル活用し、ユニークな結末を描きました。
2019-10-16 19:18:27シスプリ誕生当時は、ギャルゲ&エロゲ花盛りの時期でもあり、兄妹間の禁忌を実際に描く作品もありました。故に、シスプリ自体も「エロゲか何か?」といった受け止め方をする方も少なくありませんでしたが、実際シスプリという作品は、その多彩で優しい作風により、多大なる支持を得ることになります。
2019-10-16 19:21:14何より、公野ゴッドによる文章は妹たちに、時には跳ねる様な存在感を与え、時には余りにも儚い美として私たちを魅了し続けてくれました。天広神の描く、あまりにも美麗な妹たちの姿には心を奪われ、兄と妹という独特な距離感に生じる、一瞬の輝きをポートレートとして留めてくれました。
2019-10-16 19:24:56時に優しく、時に楽しく面白く、私たちに「兄と妹との時間」を与え続けてくれた「シスタープリンセス」…それは作品自体が、どこか意図的に「禁忌」とされる部分を、やんわりとオブラートに包み込み、兄妹との温かな瞬間だけを、見る者に伝わるようにしていた故の、1つの成功例だったのでしょう。
2019-10-16 19:27:43でも、シスプリに元来含まれる「禁忌」、そこから生じる「悲劇性」「悲恋」に気づいている兄たちも当然多くいらっしゃいました。同人の世界では、そういった二次創作も多く存在され、そんなシスプリの一面も含めて、公式板やご自身のサイトなどでファン同士考察を重ねる楽しみ方も多く見られました。
2019-10-16 19:31:27多くの方が判っていました。判っていたはずでした。原作にあたるキャラコレ「ホーリーウェディング」を実際に読んで、心が苦しくなったお兄様も沢山いらっしゃる事でしょう。判っていたはずなんです。 しかし、実際に放送されたキャラクターズ「咲耶」の衝撃は、余りにも大きかったのです。
2019-10-16 19:34:29作品自体の、その素晴らしさを、あえて私が語る必要はないと思います。 多くの方が語っていらっしゃいますし、そもそも作品自体を見れば一目瞭然です。 頭では判っていた、認識していたはずだった、咲耶の苦悩。 作り手が、あえてオブラートを全て払い取り、観る者にぶつけてきたシスプリの根幹。
2019-10-16 19:39:47泣き叫ぶ咲耶の痛みは、観る者の心の痛み。シスプリ唯一の「咎(とが)」が、一気に私たちの感情に雪崩れ込みます。 これが、いつも凛と美しく、華やかで、でもどこか危なげな、兄として愛を注いできたつもりだった妹の、咲耶の、痛み、なのかと。 傷付き、力なく泣き崩れる、咲耶の痛みなのかと!
2019-10-16 19:46:31ただ、このキャラクターズ「咲耶」で、私たちが心を痛めた妹の姿は…決して咲耶だけのお話だとは限らないのです。シスプリは「悲恋」の物語。咲耶の来た道は、いずれ他の妹も来る道なのかもしれない。他の妹も、咲耶の様に痛みを感じ、涙を流す時が来るのかもしれない。
2019-10-16 19:55:31シスプリの根幹は、どこまでも残酷です。兄と添い遂げられない事実を受け止めた時、シスプリという「夢物語」は、そこで解けてしまうのかもしれない。禁忌を犯しても、別れを選んでも、そこには「悲恋」という事実しか残らない。シスプリにハッピーエンドなど存在するのか?…そこに救いはあるのか?
2019-10-16 20:01:06その答えは、シスプリを愛する人それぞれに委ねられています。無理に答えを出す必要はありません。輝ける兄妹愛の瞬間を捉えた作品でもありますから、そこに留まり永遠に愛でていくことも、またシスプリを愛す術でもあるのです。元々オブラートに包まれたシスプリの根幹。無視したって良いのです。
2019-10-16 20:05:29ゲーム版の様な血縁・非血縁システムを用いて、シスプリを愛でたって良いのです(あのシステム作った人は天才かおバカ野郎ですねw)妹を弟に変換して楽しんでも良い。妹全員大人にしたっていいじゃない!逆に幼くしたっていいじゃない!(笑)シスプリの魅力は、その間口の広さと奥行きの深さ故に!
2019-10-16 20:09:22シスプリに、無理に答えを求める必要はありません。シスプリの楽しみ方は人とれぞれ…(非人道的でなければ)きっと自由です(シスプリの敷居の高さはここから生じてますが) ただ、私個人として、キャラクターズ「咲耶」を通して、あえて「シスプリの1つの着地点」も考えてみたい、と思いました。
2019-10-16 20:12:55「シスタープリンセス」といえば…真っ先に思い出される台詞は、きっと「お兄ちゃん、大好き」ですよね。 この「お兄ちゃん、大好き」の意味って、何だろうと。 大好き… 兄として好き。男性として好きだという妹もいるでしょう…。自分の大好きなモノの1つとしてあげる子もいましたね。
2019-10-16 20:16:01妹たちが、それぞれの思いで兄に伝える「お兄ちゃん、大好き」の一言。 自身の放った言葉で、自身が抱えた感情で、いつか大きく傷つくかもしれない一言。決して、軽くは無い一言。咲耶は、幾重にも傷つきました。身を焦がすほどの想いであっても、決して許されない一言なのです。
2019-10-16 20:19:43もし、そこに救いがあるとするならば… キャラクターズ「咲耶」の原作となる咲耶のキャラコレ。最後の話「消えない絆」に、それは存在しているのかもしれません。兄と結ばれることは無い事実に、傷付き苦悩する咲耶。しかし、それでも尚「お兄様、アナタの妹に生まれてよかった」と呟くのです。
2019-10-16 20:23:54悲恋という根幹を包み込むように存在するシスタープリンセスの世界。12人の妹たち。その誰もが「お兄ちゃん、大好き」と笑顔を咲かせます。 咲耶が呟いた「アナタの妹に生まれてよかった」の言葉は、他の11人の妹たちの感情にも、存在してくれているだと思いたい。
2019-10-16 20:28:04シスプリとは、モラルやタブーといった世の束縛をも凌駕する、妹から贈られる無限の愛情そのものである。それが「シスプリの1つの着地点」じゃないかと感じております。咲耶が痛みを負ってまで教えてくれた、この強き愛情。これこそシスプリのスタートラインに他ならないのではないでしょうか。
2019-10-16 20:33:57キャラクターズ「咲耶」回、シスプリの終焉、ラストと捉える方も多いでしょう。しかしあえてここを起点とし、是非、改めてシスプリを楽しんで頂ければ幸い。 可憐、花穂、衛、咲耶、雛子、鞠絵、白雪、鈴凛、千影、春歌、四葉、亞里亞が、「アナタの妹で良かった」と微笑む世界を、どうか永遠に!!!
2019-10-16 20:39:01