フランシスコ教皇ミサ説教、東京ドームにて。

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

以下、YouTubeのPOPE IN JAPAN2019公式動画より抜粋 「今聞いた福音は、イエスの最初の長い説教の一節です。『山上の説教』と呼ばれているもので、わたしたちが歩むよう招かれている道の美しさを説いています。聖書によれば、山は、神がご自身を明かされ、ご自身を知らしめる場所です。（続）

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神はモーセに、「わたしのもとに登りなさい」と仰せになりました。その山頂には、主意主義によっても、「出世主義」によっても到達できません。分かれ道において師なるかたに、注意深く、忍耐をもって丁寧に聞くことによってのみ到達できるのです。（続）

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

山頂は平原となり、わたしたちを囲むすべてのものへのつねに新しい眺望、御父のいつくしみを中心とした眺望を与えてくれます。イエスにおいて、人間とは何かを明らかにする山頂と、どんな人間的な計算をも凌駕する完成に至る道を見いだします。

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

しかし、わたしたちはこの道において、子としての自由が窒息し弱まるときがあることを知っています。それは、不安と競争心という悪循環に陥るとき、あるいは、わたしたちの選択を量り認めるため、また自分は何者か、どんな価値があるかを決めるための唯一の基準として、‥（続）

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自分の関心や最大限の力を生産性と消費への息詰まる熱狂的な追求にそそぐときです。そのような判断基準は大切なことに対して叙々にわたしたちを無関心、無感覚にし、心を表面的ではかないことがらへと向かうよう押しやるのです。（続）

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

すべてを作り出し、征服し、コントロールできると信じる熱望が、心をどれほど抑圧し、縛りつけることでしょう。日本は、経済的には高度に発展した社会ですが、今朝の若者たちとの集いの中で気づかされたことがあります。（続）

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それは、社会的に孤立している人が決して少なくなく、いのちの意味が分からず、自分の存在の意味を見出せず、社会からはみ出していると感じていることです。家庭、学校、共同体は、一人ひとりが支えを見いだし、また、他者を支える糧であるべきなのに、（続）

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

誤字すみません、糧→場

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利益とか、効率を追求する過剰な競争意識によって、ますます傷ついています。多くの人が、当惑し不安を感じています。過剰な要求や平和と安定を奪う数々の不安によって打ちのめされているのです。（続）

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

力づける香油のごとく、主のことばが鳴り響きます。くよくよせず、信頼しなさい、と。主は三度にわたって力強く仰せになります。自分のいのちのことで思い悩むな、明日のことまで思い悩むな。これは周りで起きていることに無関心であれといっているのでも、（続）

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

自分の務めや日々の責任に対して無責任であれといっているのでもありません。逆に、より広い意味のある展望に心を開き、そこに自分にとってもっとも大切なことを見つけ、主と同じ方向に目を向けるための余地を作るようにという励ましなのです。（続）

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる」主は、食料や衣服といったひつじゅひんが重要ではないとおっしゃっているのではありません。むしろ、わたしたちの日々の選択について振り返るよう招いておられるのです。‥

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

何としても、しかもいのちをかけてまで成功を追求したいという思いに心がとらわれ、孤立することがないようにです。世俗の姿勢はこの世での己の利益や利潤のみを追い求め、利己主義は個人の幸せを熱望しますが、実際は、巧妙にわたしたちを不幸な奴隷にしてしまいます。‥

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

そのうえ、真に調和のある人間的な社会の発展をはばむのです。孤立し、閉ざされ、息ができずにいるわたしたちに抗しうるものは、分かち合い、祝い合い、交わるわたしたち、これしかありません。‥

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

主のこの招きはわたしたちに次のことを思い出させます。「必要なのは、わたしたちの現実に与えられたものであり、この自由でさえも恵みとして受け取ったものだということを、歓喜のうちに認めることです。...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

それは今日の、自分のものは自力で獲得するとか、自らの発意と自由意志の結果だと思い込む世界では難しいことです。」それゆえ、第一朗読において、聖書はわたしたちに思い起こさせます。...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

この世界はいのちと美に満ちており、なによりも、わたしたちに先立って存在される創造主からのすばらしい贈り物であることを。「神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ、それはきわめてよかった。」...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

美と善は分かち合うため、また、他者に与えるために与えられました。わたしたちは主人でも所有者でもなく、創造的な夢にあずかる者なのです。...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

「わたしたちが、自分たち自身のいのちを真に気遣い、自然とのかかわりをも真に気遣うことは、友愛、正義、他者への誠実と不可分の関係にある」のです。この現実を前に、キリスト者の共同体であるわたしたちは、...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

すべてのいのちを守り、智恵と勇気をもって、無償、思いやり、寛大さ、すなおな傾聴、それらに特徴づけられた態度をあかしするよう招かれています。...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

それは、実際に目前にあるいのちを、抱擁し、受け入れる態度です。「そこにあるもろさ、さもしさをそっくりそのまま、そして少なからず見られる、矛盾やくだらなさをもすべてそのまま引き受けるのです。...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

わたしたちは、この教えを推し進める共同体となるよう招かれています。つまり、「完全でもなく、純粋でも洗練されてもいなくても、愛をかけるに値しないと思ったとしても、まるごとすべてを受け入れるのです。障がいをもつ人や、弱い人は愛するに値しないのですか？...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

よそから来た人、間違いを犯した人、病気の人、牢にいる人は、愛するに値しないのですか？イエスは、重い皮膚病の人、目の見えない人、からだの不自由な人を抱きしめましたファリサイ派の人や罪人をその腕で包んでくださいました。...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

十字架にかけられた盗人すらも腕に抱き、ご自分を十字架に処した人々さえもゆるされたのです。」（同）いのちの福音をつげるようにと、わたしたちは求められ、駆り立てられています。それは、共同体として、傷ついた人をいやし、和解とゆるしの道をつねに示す、野戦病院となることです。...

Hiroyuki Miyake @kt_hy_HMiyake

キリスト者にとって、人や状況について判断する際に用いうる唯一の基準は、神がご自分のすべての子どもたちに示しておられる、いつくしみという基準です。...