観劇報告書2019(12月-Ⅱ)

収録団体は宇宙玩具です。
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【アウトオブコントロール】
【作品紹介】
日本に本部を置く地球防衛軍に、ミラクル機動隊と呼ばれる精鋭部隊があった。北畠隊長以下六名からなるその部隊は、宇宙からの侵略に常に最前線で立ち向かい、これを撃破することを任務としていた。ミラクル機動隊が窮地に陥った時、どこからか必ず現れて彼らを救う、謎の巨人がいた。彼らはこの巨人を自分たちの特別な仲間と認め、親愛と畏敬の念をこめてミラクルエックスと呼んだ。(♧公演パンフより引用)

早い話が東日本大震災の時の福島第一原発事故の事故発生〜その後までの一連の流れ特撮という構図でもって書くとこーなる的なお話なんです。もう少し正確に言うと取りようによってはチェルノブイリ原発の話っぽいのも入って来てるので原子力発電全般の話とも取れなくもないですのですがね。

要はですね、毎週の様に現れる怪獣を倒してくれるミラクルエックス(簡単に言うとウルトラマンみたいなもんです)に変わる希望の兵器としてタリラリランというエネルギーが開発されたのですが、それは1つ間違うとトンデモない方向へ行くというリスクがあると言われていまして。当然ながら基地内でもこの兵器の使用を少数(ほぼ一人だけど)とはいえ反対されていました。がしかし、その意見は無視され機動隊は照射作戦を強行に推し進め続けてしまうのです。その結果、怪獣の変貌という予想外の事態が発生してしまったのですが、肝心の機動隊は余り危機感を抱かないというか頭の中もろお花畑状態で…。なんせ変貌以外は特に何も被害は出ていないのですから、楽観視してたんですね。ところがその後状況は一変し、その変貌体が有害なエネルギーを撒き散らすという事を知ることになります。当然、泡食った彼らは慌てて事態の収拾を図るのですが、やることなすこと全て後手後手に…(←と言ってもこれといって大したことしてない気もしますが)そうこうしてるうちに、ガチで詰みの状態になります。そこで最後の手段としてミニゴジラもどきに怪獣変貌体を倒させる作戦に打って出るのですが、結局これも失敗し、ミニゴジラもどきはメルトダウンを引き起こした挙げ句、怪獣変貌体と融合してしまうのです。その結果、人類はそのエネルギーの脅威に一気にしかも常に晒されることとなったのです。そして…。

ちょっと話がとっ散らかった所もあるので上手くまとまってませんが、おおよそこんな感じです。
特撮の構図ってのは、絶対的な正義のヒーローがいて、謎の悪の組織があって、世間では秘密裏に動いてる特別チームがあって、何も出来ない非力な民間人がいるっていうほぼお決まりのアノ構図ですね。
つまり、原発の話にそれを当てはめると、推進した時は、夢とか希望とかの未来を担うエネルギーくらいの勢いで(かつ事故など起きるはずがない)水戸の印籠みたく席巻しまくり、それに反対する人がと見なされた訳ですよ。やがて、原発事故が東日本大震災で実際起きる訳ですが、我々の知らない所で何やら処理が為されて…無かったことに…あれ?。まぁ、そこら辺に特撮を引っ掛けている訳ですね。
ちなみに他を説明しますと、某アニメのパクリの様なふざけた名前ですけど、このタリラリランエネルギーが原子力エネルギー、怪獣の変貌体が原子力発電所、ミラクル機動隊が風当たりが強い自衛隊あたりであると同時に、議論が迷走しまくるその時分の政権やら、関係者ってとこでしょうか。中でも結構エゲツないなぁと思ったのが将来へのツケってのがミニゴジラもどき(つまり子供)に戦わせて(大人の)機動隊は上空から見守るだけという風刺画みたいな件と最後は男も女も全員体操服とブルマという、まるで防護服が日常という怖〜い未来を暗示した所でしょうか。(まっ、もっともこの場面もろプリキュアオールスターズ状態って感じな所なのも怖いですけどね笑)

【登場人物】
★星合ジン…林優
★浪丘アカリ…久木満里加
★北畠…石川明弘
★笠木…大上羽純
★溝城…大脇ぱんだ
★藤方…山内綾鷹
★ウクレレを弾く女…藤由依雛

【声の出演】
★小池アキオ…N井
★猫的な何者か…佐藤テルミ
★ミナモト長官…角田達朗
★記者1…ひのしたいさな
★記者2…平岩美里
★記者3…柴田晃希
★記者4…おこさまぽてと

(☆敬称と所属団体名は略してあります)

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!⊂(◉‿◉)つ】 【アウトオブコントロール】 初っぱなから「結構でっかくぶちゃまけたなぁ」って感じで。いやぁ役者が真剣にバカやってくれるってのはいつ見てもほんとに面白いなぁ〜と思いながら観てました。とにかく暴走というか脱線が多いので、この100分でどれだけ→#宇宙玩具 pic.twitter.com/dSLlkDI7i8

2019-12-14 22:50:31
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これはアカリと隊長である北畠あたりからほぼ来てますね。PICO2の企画公演みたいなノリなんです。そんなことやらんだろうみたいな人がハチャメチャやらかすと観客はどうしてもそのギャップに喜んでしまうという笑。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!⊂(◉‿◉)つ】 【アウトオブコントロール】 →笑ったことか…いやこの場合はむしろ赤面した方が多いのか笑。あとは話の中味ですね。これもまた捉えどころ多くて「ほほぅそうきたか」って感じでしたね。描き方が面白い。ただ惜しむらくは→#宇宙玩具 pic.twitter.com/uht6nMJo6e

2019-12-14 22:50:33
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アカリは全編ほぼ猫耳に体操服にブルマに太ももという当時ではなんとも思わなかったのに今改めて見るとエロしか感じない出で立ちだったのですが、その上若くて美人さんなのでもうそりゃああーた…100分間、目の保養が…ちなみに、か弱そうなヒロインかと思いきや案外精神的には男に負けず劣らずたくましかったりするのでそのギャップに萌えました笑。なお、彼女の体操服とブルマから本編について真面目に連想したことは除染作業時の防護服。着ていても放射能はおろか寒暖すら不安定要素が多く無防備に近いという意味で。

そういやそもそもこのブルマの方、設定ではヤギと融合してましたが、なんで相手がヤギだったのかは謎でした。作者がジンギスカンでも食いたい気分だったのでしょうか?(←それは羊だ)それともチェルノブイリ原発事故の時の奇形児あたりとか…?どうなんでしょうね。

ジンは結果的にミラクルエックスそのものだった訳ですが、彼を見てると全く報われない損な役回りの人だなぁと少しばかり気の毒に感じるキャラではありました。なんせクールな性格に加えて歯に衣着せぬ物言いするものだからまとまりかけた議論に水を差すというか、心地好い言葉しか求めてない他の隊員達からすれば重箱の隅をつつかれる感じで、時おりウザいというか。たぶん世渡り下手なんでしょうね。でも彼の言ってることはあの散々たる結果を見ても分かる様に合ってるんですけどね。なお、最後は自分でその散々たる結果の後始末として全てを背負うことになるのですが、それって正直者がバカを見るって事なんじゃ…?とは内心思いましたね。

ジンを演じたのは劇団わに社社長の林優さんなんですが、劇中ではなかなか災難が多いようで…デッカイ蟻に襲われたりしてサイボーグになってやっつけてましたなぁ笑。いや、そんなに手首やら腕やらお手軽にチョン切って良いのかよ?…などと思ってたら、ついでにご挨拶代わりにと客席のワタクシが何故か盛大にぶった切られていましたwいやあれ何回切れば気が済むのかと笑。ワシャ怪獣か笑。あ…確かに劇場に巣食う魔物ではあるか…?笑。(ただし非常勤)

その他の隊員達(北畠、笠木、溝城など)はですね、アカリも含めてジンとの考え方の違い、溝を感じた人たちでした。要はジンが現実主義者とするならば、彼らは理想主義者って感じなんですね。また、ジンを少数派とするならば彼らは多数派って印象でもありました。
ま、もっとも彼らが言ってたこと自体はほとんど忘れてしまったのですがね、なんとなく自分たちの理屈に反論を許さない空気が蔓延していた気がしたのですね。隊長の北畠なんかは特に顕著で相手が反論した瞬間、精神論で応戦したりって感じでしたしねぇ。他の隊員達も良い部分だけを強調したりなんかで論点を曖昧にしたり、「代案を出せっ」とか盲点だけを突いてそこだけを集中攻撃しまくって潰して正当化してしまうって印象でしたからねぇ。果ては「そもそも最初って何の議論してたっけ?」みたいな感じで…おいおいw。観ていてチョイと怖いものがありました。まぁ決して根性ババ色という人たちではないのでしょうが、なんか視野の狭いキャラたちだなぁ〜ってのは結構感じましたね。

笠木を演じたのは大上さん溝城を演じたのは大脇さんでした。舞台上では隊員としてオペレーター的な役割を果たしていたのですが、やっぱりスクリーン拡げる場面とか光線放つ場面なんかは好きでしたね、真面目な顔してしれっとやってしまう所が観ていて面白いんです。それにしても、少しばかりは演劇観てる身としてはえらいクセの強い役者2人並び立たせたなぁ〜って感じで、そこはなんだかむしろ嬉しかったですね、もうなんかあるよな?って予感しかしないので笑。

ちなみに隊長の北畠はレディー!!ゴォー!!っていう戦闘機発進の時の掛け声が好きでした。そうそう、昔の司令官ってあんな感じなんです、基本、熱血漢なんですよ笑。考えるより動くというか、考えることが苦手かどうかはさておき笑。ただ流石に終盤の体操服とブルマ姿はキモかったけど笑。でもまぁ前述の通りこれらを「防護服」と考えるとアカリの時もそうですが、それを身に着けないと外に出られない、脱げない的な怖さはありますよね。

問題はこの人ですね。それこそ正体不明なウクレレの女、終盤で正体は(確か)もう一人のアカリと判明するのですが、冒頭からほとんど言葉を発しないにも関わらず(←それを良いことに林優さんにイジられてましたけど笑)場のわちゃわちゃした空気にポツンと取り残されている陰気な感じで何故か気になる存在ではありました。

さてさて、彼女は果たして一体何だったんでしょう?わかる訳もないのですが。ただ二次元の彼女がアカリであり、三次元に存在するのが彼女だったとしたら…なんてことをこれまた直感ですが思いましたね。それにしても「金返せ〜金返せ〜」っていうアノ台詞。お菊の皿の怪談話でもあるまいに笑。いや、まぁ意味は税金ドロボーと揶揄される防衛軍のことってわかるんですけどね、流石に劇場でその台詞って…しかも観客の前でwww

その他としてはあんまり登場多くないけど、小池アキオの声が年頃の子供っぽかったのと、長官の声がいかにも政治家っぽいダルい喋りで良かったなぁ。あれ?アキオの声ってN井さんなのか…でもお会いしたことってあったかなぁ…?。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!⊂(◉‿◉)つ】 【アウトオブコントロール】 →少しばかりキャラで混乱したことと劇中で使ったネタが年代から少しばかり外れていたのかわかんなかった部分があったこと。流石にそこまでは遡らないんだよなぁ〜笑。 #宇宙玩具 #名古屋観劇廃からの刺客 pic.twitter.com/beEF0DLgq2

2019-12-14 22:50:35
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混乱した主な理由としては、誰が今は何のヒーローに変身したのか?今戦ってる敵は一体誰なのか?がわかりにくかった点ですね。特にカタカナ、漢字含めて名前が変更だらけな上にやたら難しいのでそれが物質の名前なのか?怪獣の名前なのか?って点では結構迷いました…でもこれってそれが最初から作者の狙いなのかな?と思わなくもないのですね。もっとも世の中って政党名の看板コロコロ変わってますしねぇ(旧民主党など)、ハッキリと意味まではわからないカタカナ語(例えばシュールとかニッチなど)とかなんかだと今や漢字とごちゃまぜで溢れ返ってますしねぇ。(例えばリア充など)そうやって考えると、今って確かにある意味ナンデモアリのスゴい世の中ではあるかもしれないですね。