茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2414回「初めて見る歌手が初めて聴く歌をうたう紅白歌合戦」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2414回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2019-12-28 07:48:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

今年の紅白歌合戦を見る人もいるし、見ない人もいるだろう(当たり前だが)。いずれにせよ、紅白歌合戦の意味が変わってきていると思うのは、社会がクラスターに分断化してしまっていて、みんなが知っているようなヒット曲が本当になくなってしまったことに起因する。

2019-12-28 07:49:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

最近たまたま目にしたネットニュースで、今年ブレイクした歌手、そして今年ヒットした曲、というのを見たので、それ以来、年末の数日に取材や仕事で会う方に、実験としてその歌手の方のことや、ヒット曲のことを聞いてみた。そしたら、みなさん、全く知らなかった(N=12くらい)。

2019-12-28 07:50:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

つまりは、あるクラスター(年齢やジェンダーや生活スタイルや接しているメディア)の中では「ヒット」したり「ブレイク」したりしているけれども、その横には届いていないというのが令和元年の「ヒット曲」の実態なのだろう。その結果、紅白歌合戦の意味も変わってきてしまっている。

2019-12-28 07:51:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

かつて、紅白歌合戦の黄金時代(というか日本の地上波テレビの黄金時代)には、TBSのレコード大賞があって、その後紅白が始まる。TBSからNHKへの移動ははらはらドキドキだった。レコード大賞をとる曲は当然みんな知っていて、紅白の司会者も、「今年のレコード大賞をとった方です」と誇らしげに言った

2019-12-28 07:53:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

今は時代が変わって、「ヒット曲」でも知る人は一部。だから、紅白を見て、初めて、「へえ、こんな曲があったんだ」「こんな歌手がいたんだ」と知るケースが増えた。つまり、紅白歌合戦が、なじみの曲で一年を振り返る機会ではなく、「初見」「初聴」のオンパレードになってしまったのである。

2019-12-28 07:55:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

このような時代の変質は紅白の担当者の責任でも何でもなく、社会のダイナミクスの必然なのだろう。いずれにせよ、初めて見る歌手が初めて聴く歌をうたう紅白歌合戦が、今年も放送される。見ても見なくてもいいけれども、見る人はばらばらになった日本社会のことを少ししみじみ考えてみたらどうだろう。

2019-12-28 07:56:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2414回、「初めて見る歌手が初めて聴く歌をうたう紅白歌合戦」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。

2019-12-28 07:58:37