観劇報告書Selection① 【阿吽~ミソゲキ2019より、在り処、岩塩ソルベ、くじら座なごや、劇団@nDANTE】

2019年12月29日〜31日公演。新年度からSelection方式になってます。載せたのはA組から4団体。この組全般に気に入った作品多かったですからね。
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MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【これからこれ観ます!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 ★阿吽(ミソゲキ2019) ☆30日→A組。 ☆31日→B組、C組。 全てはここから始まった…!。 #非常勤劇廃としての原点 #言うまでもなく大トリです #今年も開催してくれてありがとうございます pic.twitter.com/r6JIWZS2DY

2019-12-30 18:42:08
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阿吽~ミソゲキ2019のルールは二人芝居です。演目によっては登場人物が二人以上出てくる場合ありますが、それはどちらか一方が二役やってるってことです、ご承知おきを。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[A] ①在り処…人間そのものを極限あたりまで深くエグッたなぁって印象でした。そのキズ口の深さ、きっと死んじゃうよ。もはや血の味しか感じない。ただ話としては嫌悪という点で生々しくそこがむしろ好みではありました。#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/sSgbFc66RU

2019-12-30 23:56:51
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①【もゆるかがやく】(在り処)
【蒲実里×坪尾光起】(☆敬称、団体名は略してます)
本編ではそこまで触れられてないと思うのですがたぶんシェアハウスかなんかの話なんです。そこにはどうやら数人の男女が住んでいる様なんですが、そのシェアハウスに散らかったゴミを片づける若い女とそれを眺めるだけの若い男って形で話が始まるんですね。

でまぁ若い男は若い女にゴミを片づけるだけ片づけさせて手伝うこともなく(人に手伝わせる為に呼ぼうとはしたものの)ポケットに手を突っ込んだままなんですよね。しかも彼女が汚れていくのは辛いとか、人がゴミに見えるとか病んでるか狂ってるとしかとしか思えないことを言いつつ。どうみても他人事の様な上からの冷めた面しかしてない。あーでもゴミは持たなくともゴミ袋は持つのか。ゴミ自体は目に触れないからね。黒いゴミ袋ってとこがこれまたなんとも…。

なんだか男系社会に対する皮肉って感じしますけどね。ま、いいや、とりまここで出てくるのはゴミですよね。このゴミそもそも人間が出したものなんですよね。考えてもみれば綺麗なものなんかありゃしないんですよ。それこそ劇中のコンドームの様にね。でもそれは生きてく上では当然必要なことな訳で。なので人間ってのは汚いものを吐き出すことで、(それを見ない様にして)生きてるのかもなぁって感じはしましたね。そうゴミ袋は持つけど、ゴミは持たない、あの若い男の様に。

ちなみにこの若い男が人がゴミに見えるってのは劇中で別の男のルームメイトの名前をゴミに向かって呼びかける件から来てます。そこまでいくと精神病棟あたり直行なんですが、まぁバルスだったか有名なあのアニメ映画だって人がゴミの様な訳だから、日頃道行く米粒みたいな人もそうだろうし、人間的にゴミみたいに軽蔑したくなる人(←ここにも1人いるけど)だってそうなんだろうし、さっきと被るかもですけどね、個人だってジャンクフードみたいなゴミみたいなもんばっか食って喜んで排泄物としてゴミ吐き出してる訳なんだから…考えたら確かにこの世はゴミで出来るのかもしれませんな、ゴミだらけ笑。

んでそのゴミの片づけの最中に捨てられた手紙が出てくるんですよ。この若い男にあてて書いた手紙が。それはどうやらラブレターの様で。同居してる別の若い女が書いたのでしょう。でも出す勇気がなく心の奥底にそっとしまったんでしょうねぇ、きっと。

で当事者たる若い男はそれを読むこともなく捨てようとするのですが、ゴミを片づけてた女が読むよう勧めて読ませるのです。個人的にはちょっと意地悪な女だなぁと思いますけどね。だって人の心を覗き見させる様なものだもの。今で言うなら人のスマホを覗き見してるみたいな感じですもんね。

と思ってたら実はこの若い女なんとそれ読んじゃったという…。それをしれっと言っちゃうとこが罪の意識が無いというか何というか…。いやぁそれって全く面識すらないアカの他人にネットやら何やらですぐバラされてしまう今の世の中の縮図そのものじゃないかぁ…。

ここからその手紙を燃やす訳です。ついでにゴミも燃やしちゃうんですね。そこから確か場面変わってご飯の話になるのですが、若い男が時間だと何回言っても若い女は部屋から何故か出てこないのです。で仕方ないってんで男がその部屋に行ってみると女が何やらむさぼり食ってる訳です。もう雰囲気が妖怪の餓鬼みたいな感じで不吉なものしか感じない。正直、ここまではキャラが特に怪しくなかっただけにひっくり返りそうに。あー、んでですねぇ、これ見た目はゴミなのですが、台詞を聞く限りではどう考えてもさっきゴミに向かって呼びかけた件のルームメイトの肉片にしか見えないんですよねぇ…どうも殺しちゃったみたいで…下手すりゃルームメイト全員。じゃ今までのゴミ拾いの流れって…おーなんだか背筋が凍ってきたぞ…。

その後、二人は少しばかり晴れやかな表情でシェアハウスの建物ごと燃やしてそこをあとにしちゃうんですよ。ええ、もうこうなると猟奇的殺人と放火で破滅まっしぐらですよね。でもまぁこれは現実にはそうそうあり得ないにしても、こんなこと考えたことって1回くらいはありません?いやあのぅ、なんかの出来事で絶望しすぎて明日いっそこの世が終わったら良いのに…なんて…。 

それにしたって、手紙を燃やす→ゴミを燃やす→ハウスごと燃やす流れってスゴいですよね。憎しみ増しすぎ。それだけ人間ってのは歳を重ねれば重ねるほど、知らなかった失望やら絶望にブチ当たって嫌悪するものが増えるってことなのかもしれませんね。しかし、ここまで見るといくら年末だからって大掃除の季節だからってさぁ、やることがブッ飛んでるなぁ、もう魔のクリアランスセールですな。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[A] ②岩塩ソルベ…終始、二人の役者が良い表情してるなぁ…って思える演目でしたが内容は飛躍感が半端なかったのか迷いました。「お客様ここです!」とはならなかった演目でも。ただ考えどころも多いのでそこは面白いなとは。#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/V1EPqGHQse

2019-12-30 23:56:53
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大掃除といえばこちらも大掃除のお話です。年末だと言うのに全く片づけられないので親に叱られてゴチャゴチャ言ってる人の話です。

「お客様ここです!」(by試験管ベビー)

②【un】(岩塩ソルベ)
【七星束子(松浦汐音)×吉田裕紀】(☆敬称、団体名は略してます)
上ではあー言ってますけど、こちらは割と話簡単なんです。劇中に出てくる物理学と人物設定を除けば。
要するに、年末だと言うのに全く大掃除どころか片づけすらままならないひと昔前の言い方するならば腐女子の年頃の娘と叱りつけるも暖簾に腕押し状態で悪戦苦闘する父親の話です。この話、母親がなんでか知らんけど北極だったかそこらにいるんですよね。島流しの刑かよ笑。ところでこの主人公…ほぼすっぴんだと思うんだけど…若いって良いな。

この二人とにかく面白いなぁと思ってたんです。娘は見た目以上にやることなすことがオッサンなんですよね。初っぱなからそぅかぁー?って他人事というか投げやりな感じだし、ウルトラマンから始まってナメック星人→ピッコロってよーわからん屁理屈でのらりくらりとコタツの中でぬくぬくしつつ追求かわすわで…挙げ句の果てには呑気にゲームやりだしちゃうし…人ナメとるな笑笑。ちなみにガチの試験管ベビー(劇団じゃない方)の件はこの娘がこの方法から産まれたってことからなんですけどね。

父親はですね、実は設定がワケわからんのです。登場人物2人しかいないのにね笑。そもそも父親なのか母親なのかホログラフィなのか…ハッキリせんかい…え?宇宙人なの?何?30分しか地球にいられない?ウルトラマン…?いやウルトラマンは3分でしょうが笑。なので1回ずつ「えっ!?」って感じで笑。

まぁ…でも、この父親のキャラってなんかアメリカの通販ショップで商品でも紹介してるあのハイテンションな人って感じで良かったですねぇ。なんかいそうじゃないですか、あんな人懐っこそうな感じの人。そういや話飛んじゃいますけど、この父親の役者さん劇中の北極の件でのアザラシの仕草が余りにもリアルすぎて笑えましたわ、よく観察したなぁ、言われなくてもすぐわかる。

ちなみに、この劇中では携帯の充電がスクリーンに表示されるのですが、これ50%→40%→30%に下がったと思ったら、なんかビミョーに上がってたりなんか…?これ、ネタバレ言うとどうやら娘の部屋の散らかり具合を言ってるらしかったのですが、個人的にはどっちか言うと娘本人のあきらめ度数と取れました。がどうも違った様ですね笑。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[A] ③くじら座なごや…姉と妹の対称的とも言える性格が印象的だった演目。ただ結末は予想をかなり覆すものだったのがそこが悲しくも儚いなぁーなんて。オリジナル?もこうなると観てみたいものだが…と思ってしまった作品。#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/0dxb8kWgrf

2019-12-30 23:56:58
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さて今度は大掃除からは少しばかり離れて年末の休業中のホテルに忍び込んだある姉妹のお話です。

③【本日休業〜くじらホテルはほぼ満室 番外編〜】(くじら座なごや)
【利藤早紀×のだまりな】(☆敬称、団体名は略してます)
とあるホテルのフロントにてフロント係と1人の女性客のやり取りから
「一泊二日朝食付きでご予約を…」
(しばらく沈黙の後休業中の留守電が鳴り気まずい雰囲気になる)
「…は、はい」
こんな感じで始まるお話です。

まっ全部書くと長くなるので簡単に説明しましょうか。年末休業中で誰もいないホテルにある姉妹が忍び込むんです。クジラが見えるくじらホテルという名前の。しかし、彼女達は金品を狙った泥棒と呼ぶにはあまりにも不自然なんですね。なんせ金目のものを狙った割にはフロントごっこして遊んではしゃいでるし(←姉だけがね、妹は明らかに白けてたのね)下はジャージ上はジャケットという出で立ちなんですから。果たして年末で無人のホテルに忍び込んだ目的とは…?

その目的とは病気を苦にして日記を遺し姉妹達の前から姿を忽然と消した母のことを知ること…母は最後このホテルに(確か無断で忍び込んで)一泊したのち、近くの海へ身を投げたのです。

さぁそんな感じの話でした。twitterでも書きましたが余りにも残酷すぎる結末なんですね。問題はこの日記帳なんですけど、実は母の日記帳には妹のことしか書いてないんです。