観劇報告書Selection②【阿吽~ミソゲキ2019より、劇団かもしれない、fuzzy m.Arts、Micro To Macro】

2019年末12月29日〜31日公演。B組からは今回4団体中、気になった3団体を選びました。特にMicro To Macroは頭一つ抜けてましたねぇ。
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MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[B] ②劇団かもしれない…N井タロさんのキャラがわかりやすくて好み。演技力高いんですねぇ。素晴らしいです。ただ話の中味については、言わんとしてることがなかなか読めてこないという難点が少なからずあった気がします。#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/3C5B54Qiwn

2020-01-01 00:34:58
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小学生の低学年からずっと宇宙人に会いたいと願ってる女子天体観測が好きな男子のお話です。人間誰しも忘れたくない夢とか憧れってありますよね。

おばあちゃんが言っていた!(by気になるあいつは宇宙人より)

【②気になるあいつは宇宙人】(劇団かもしれない)
【N井タロ×廣田丈】(☆敬称、団体名は略してます)
UFOと星、それぞれに憧れる少年少女達の話って感じなんです。お互いがお互い人の趣味は「なぁんだ」とかなんとか言いながら、自分の趣味に関しては絶対に譲れねぇ!バカにするヤツなんか許さねぇ!アイツ文句ばっか言いやがって!みたいな感じで猪突猛進といいますかドタバタ劇を繰り広げつつ成長していくって内容なんです。中学、高校の時なんかは顧問から予算と分捕ったりしてね、いやいや、顔が二人ともニヤけてるよ笑。(←そういう場面があるんです)

…といっても途中からはちょっと相手のことが気になったりするんですよね、そうです、そうです…嫌いな相手ほど気になる…なんだかチラ見したくなると言いますかね、恋とかでもそうじゃないですか?。まぁそれをですね、お互いの趣味であるUFOと星にひっかけた様な印象なんです。要は似た者同士ってヤツで。劇中では背中合わせの着換えの場面でお互いが似たりよったりのことを愚痴る場面ってのがあるんですけど、まさにそれが象徴してますよね。まぁ、よく考えたらUFOも星も宇宙にあるんだから根本って一緒ですもんねぇ。

なのでこの話の面白いところは、先のいがみ合いからお互いに理解し合うというところに話が発展してるところだと思います。

N井タロさんについて少し触れてますね。実はこの方の演技ってしっかり観たことないのですが、なかなか地に足ついた演技で良いなぁと。酢こんぶが好きで、大雑把というかガサツで、博識で頭は良いのだけど賢いだけにやたら打たれ弱い…そんな宇宙人に憧れる女子役を今回熱演されてました。…本職が運営の人だと思ってた。

最も気になった場面としてはラストですね。たぶん宇宙人の定義とやらですね、考え方としてはアリだと思います。

最後、夜道で車に引かれそうになった女子を庇って代わりに男子の方が引かれちゃうって場面があるんです。その前には彼女の父親も同じ運命に…いやいやちゃんと歩こうよ、二人も死んでるやん。まぁいいや、で宇宙人の定義の話ですよ。どっちか言うと宇宙人に拉致られて行方不明になる人っていう話ですけどね。

結論から言うと宇宙人=死んでしまった人って感じなんです。なので夜道の車のライトは宇宙船のアノ上あたりから照射される光あたり、本人はもうこの世にいない人=星になった=どこかの彼方に去った=宇宙人って印象なんです。直接的には人の生死とか、暫しのお別れと取れるのですが、考えようによっては一期一会的なものを感じましたね。ご縁ってわかりませんからねぇ。

ただ惜しむらくは前半と後半がどうも上手く繋がっていない気はするんですよね、先の一期一会ってのはラストで思い浮かんだことなのですが、もしそうだとするならば前半にもその要素は何かしらの形で解るように散りばめて欲しかったなぁとは思います。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[B] ③fuzzy m.Arts…少しばかりファンタジーを感じさせる所が童心に返るかの様でなんだか親近感沸いた演目。と同時に個人的には少しばかり心が救われた気がした内容でもありました。ただオッサンいじめるのはヤメて欲しい笑。#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/QXaH86SQca

2020-01-01 00:35:03
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ごっこ遊びの話なんです。いややったでしょ?1回くらいは。電車ごっことかおままごととか。それをファンタジーっぽく描いた作品なんですよ。

【③じぶんごっこ】(fuzzy m.Arts)
【後藤かなえ×矢藤ちせ】(☆敬称、所属団体名は略してます)
幼少期〜就職して(親の過干渉を跳ね除け本当の意味で)自立するまでの一人の女性を(時おり現れる妖精みたいな友達を交えつつ)描いた話なんです。小さい頃はなぁーーーんにも考えず、ただ思い描いたまんま遊んだり好きなこと出来たのに小学生になる頃には塾やら習い事やらで遊べなくなり、更に中学や高校になった頃には親の干渉やら受験やらで現実が追い打ちばかりかけてくる、そして進学、彼氏との同棲、破局、安定企業とは言うもののやりたいこととは程遠い就職…ほんとの私ってどこに行っちゃったんだろう?ほんとにやりたいことやなりたいものってこんなんだったんだろうか…?とふと立ち止まった時にもう一人の自分に問いかけてみたら…って感じの話です。

冒頭の幼少期ではこの女性…女の子の傍らに遊んでくれる友達がいました。なんだか白い服に首傾げてるとこからして、妖精っぽい…。快活で明るくて何事もポジティブで純粋な感じでした。なので主人公の女性…この場合は女の子か、主人公の女の子が終始何事にも自信が持てなかったネガティブなキャラだったのでちょうど女の子の鏡写しの存在とも取れました。いやもしくはなりたかった憧れの自分なのかも?とも。

それにしたって、この友達…妖精さん。お母さんごっこでお母さんいらないとか言ってとっとと抹殺かましちゃうわ、お茶会ごっこでケーキはカロリーの化け物とかぬかす割には、7段のウェディングケーキに憧れてるわ、それには結婚する相手が必要とか言った割には男は腐るほど世の中にいるけど、腐ってるだの加齢臭だのとまぁ客席指差してはディスるディスるwww果ては夫となる人とは最初だけ仲良く…ってやかましいわ笑

ちなみにこの友達…妖精さん、途中この女の子が小学生になり習いごとで忙しくなって遊べなくなった為に姿を消しちゃうんですよね。そして、この女の子も女性に成人するに連れてそのことすら忘れちゃうんですよね。この辺って当然、小さい頃の夢からどんどん離れてっちゃうって感じなんだけど、一方では、ほんとにあんなにいつも一緒にいたのに進路が別れた途端に疎遠になるそれこそ友人あたりに似てる様な気がしなくもないですね。下手すると名前すら思い出せない。

そういやこの友達…妖精の役の人。この主人公の女性の母親役彼氏役もやってましたね。特に母親役はヒステリックな上、押さえつける様な存在だったので褒め言葉としてウザかったですね。なんでもかんでも言いなりにならざるを得ない主人公がオドオドしてうつむいているの見てるとなんだか気の毒だなぁ〜って気持ちになりました。妖精との落差が激しすぎる笑。

なお、主人公の女性については絵本作家が夢だったんですよね。途中で半ば諦めかけるも最後はなんとか繋ぎ止めて、母親の言いなりから脱却して一歩を踏み出せたってとこが良かったなぁと思いますね。

最後はtwitterで書いた救われたって話しますね。実はこの主人公の女性の立ち位置ってワタクシに結構似てまして。うん、何をやっても中途半端ってとこが。でも最後復活した友達…妖精さんとこの女性の会話の中で昔よりはずっと良くなってる的な会話があったと思うのです。それ聞いて、いや、まぁそうだなと。確かにワタクシ自身、半生を振り返ればとてもマトモとは言い難いんだけど、昔よりはなんとかやれてるじゃあないか!と、そんなエールみたいなのを受けてる様に思えた訳ですね。決して望み通りに全てがいった訳じゃないんですけど、ハッキリ言って何も出来てないんですけど、今がそれなりならって感じがなんだか救われた気がした訳です。身勝手な解釈かもですがそういうことでした。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[B] ④Micro To Macro…「うわっ、なんかケッタイなのが出てきたぞ」とか思ってたらいつの間にか感動してしまったこの回イチオシ作品。お互いに口は悪くともその行動は思いやりに満ちていた…その親子愛がなんとも温かかった。#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/aySmc9sCIY

2020-01-01 00:35:08
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【④そうそう】(Micro To Macro)
【石井テル子×いぬい】(☆敬称、所属団体名は略してます)
とある産婦人科に(不倫かなんかでたぶん男に捨てられた為に)中絶手術に来たのだが、お腹にいる我が子の育児をアレコレ想像していたらやっぱり産むことに決めたそこそこの年齢の女性の話。本編は女性の妄想というか願望を元に小学生〜壮年期あたりの息子と母の変わらぬ温もりみたいのが取り合った手と手の温度その感触という形で(※注1)また、出会いの可能性みたいのを何分の1(※注2)という確率論的な感じで表現されていた様に思います。

※注1…劇中では手を母に取ってもらった息子の描写が多数出てきます。「大きかった」「力強かった」「プルプル震えていた」「カサカサしていた」…etc。なお、最も人間っぽいなぁと思ったのは『熱かった』『心臓がトクトクしてた』ですかね、生きてる者同士って感じしたので。
※注2…徒競走6人で走ったら勝つ確率は1/6とかいう表現が出てくることからですね。その他にもあったと思ったのですが流石に忘れました。ちなみに印象的なのは死んだ猫を机に入れられるイジメを受けた息子と一緒に埋めた場面。『死んでから机に入れたか』『入れたから死んだのか』…確率は1/2でした。なお今なら確実に教育委員会沙汰になる問題だと思います。

まぁエライのが出てきたなぁって感じで。なんせ冒頭から大音量のショパン!!なんですから。いやここ産婦人科なんです。そこで今、この母は我が子に向けて手紙をしたためようとしてる訳です。静かな場面なはずなのに…何?ショパンはBGM?、心穏やかにしたためて頂きたく?…なるか!そんなもん!笑

なお「そうそう」ってのはこの時の手紙の末尾に「草々」って母が書いたことからですね。敬具としなかったところはこれから産まれてくる我が子だからね、きっと「ようこそ」くらいの感じで親しみ込めたんだろうなぁ。

最も笑えたのは場面変わっての息子の運動会の場面でした。ここたぶん一番笑えるとこなんですけどね。早速、世話焼きな母が張り切って、でしゃばる訳です、なんせ毎年毎年、息子は脚が遅くビリで完走出来ずにコースアウトしちゃうもんだからいろいろ教えて走らせようとするんだけど、やっぱり失敗しちゃうのよね。(←果ては母がおぶって完走するも失格)なお、「最後までがんばりましょう」的なあの運動会特有の気だるい棒読みのアナウンスが何気にウザいのだが、負けず劣らずそれに噛み付く母もこれまた大人げないです笑。