コウシがポケモントレーナーになるまで

ニム@コミケ99木曜日西 え 23a @fimless

@PCS_TL PCでポケモン、どうやら主人公は中学生くらいの年齢というのが定説らしく、となるとコウシ（ポケモン世界だとこうなるだろう名前）はまだ不良の道に入ってはいないが父親からの期待に応え続けるのに辛くなってきた頃合い。己のアイデンティティへの悩みの時期

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@PCS_TL ポケモンバトルに乗り気になれないコウシ、木の実を集めながらメッソンと旅をする。ホップの付き添いの気分でいたけど、これだけならちょっと楽しいかも。

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メッソンを選んだ理由は、「ホップやダンデさんには任せておけない気がした」らしい。たぶんガツガツ戦闘するタイプに見えなかったらしい。一緒にのんびりしような。

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@PCS_TL そんなコウシも、ジムチャレンジの開会式は感動したしちょっとテンションが上がった。ジムリーダーもチャンピオンも、やっぱり皆の憧れ。コウシも例外ではなく、同じ舞台に立っていて、観客の歓声を受けるだけでなんだか夢を見てしまいそう。

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顔を見たらとにかく勝負を挑んでくるトレーナーに恐怖を抱えつつ、コウシは正当防衛で迎え撃つ。タイプ相性というのが曖昧で、ポケモンが倒された時にはとても肝が冷えた。自分の采配ひとつで彼らが傷つき倒れるのだと実感して、ますます申し訳無くなった。自由に戦った方がつよいんじゃないか彼ら？

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そんなひけた気持ちのまま最初のジムリーダーの町までたどり着いてしまったコウシ。ジムチャレンジなんて、挑まなければそれでもよいもの。リタイアだって出来る。でも目標に向かって一心に進むソニアやホップが眩しく見えて、なんだかやめたいとも思えない。何かを成し遂げられたらなぁなんて思う。

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でもそんな自分の都合にポケモンを巻き込むのもおかしなはなしだ。悩んだ末に直接話をすることにした。 タイヤキ、一緒にジムチャレンジに挑戦してくれるか？とりあえず一回。最初のジムリーダーだけ。 なおタイヤキはメッソンの名前である。

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たくさんのひとの前に出ること。強いポケモンと戦うこと。命まではとられないけど怪我をすること。 全部ちゃんと説明したつもりだが、タイヤキはOKしてくれた。 同じ質問を他の仲間達にもして、皆同じ答えだった。少し面食らいながらも、結局ジムチャレンジに挑むことになった。

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ジムリーダー戦のことはあまり覚えていない。とにかくはいる前から歓声が聞こえてきて、頭が真っ白になった。スタジアムで数え切れない人たちの前で、必死に戦った。ポケモン達も必死だった。負けない、ではなく、勝つ、というのを意識したのは初めてだったと思う。

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そして勝負に勝ったとき、思わずガッツポーズをしていた。タイヤキともなかも跳び跳ねて喜んでいた。なおもなかはロコンの名前である。 歓声が自分達を称えているのがようやくわかって、コウシは達成感と誇らしさに包まれた。自分達はこの広い世界で今認められた。存在が許されたような気持ちだった。

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そして、ポケモン達のことを称えられているのが嬉しく誇らしかった。彼らの素晴らしさを認めてもらえたのだ。 スタジアムをでて、タイヤキ達にもう一度尋ねた。 もう少し続けないか？ 彼らはOKしてくれた。

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@PCS_TL その後順調に三番目のジムまで攻略したコウシ。大きな被害を出すこともなくするすると通り抜け、もしかして自分達は良いチームなのでは？と思った矢先、四番目のジムにて洗礼を受ける。大量のひんし者を出した戦いであった。

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@PCS_TL 辛勝したものの、明らかなレベルの差を見せつけられた。町の周囲のトレーナーとポケモンもこれまでと実力が違う。ここまでだろうか、とぼんやり思った。コウシはホップやビートのように、チャンピオンになりたい理由がない。それが実力の差に繋がるのだと言われれば、もうどうしようもない。

ニム@コミケ99木曜日西 え 23a @fimless

@PCS_TL 無為に彼らを付き合わせるのも嫌だ。そう思って話をしようとしたその日、予想外のことが起きた。タイヤキがインテレオンに進化したのだ。大きくなったタイヤキは実力あるトレーナーのポケモンに難なく打ち勝って見せ、どうだと言わんばかりにコウシに笑みを浮かべて見せたのだった。