- Uroak_Miku
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ずいぶん前のことですが『カリ城』のイマジナリー・ラインの混乱について、作画監督を務めた大塚康生氏と電子掲示板でちょっと議論になったことがあります。
2020-01-19 19:36:052)彼の品性についてはここでは触れません。気になったのは作監だった彼でさえ、城のオリエンテーションをどうやら把握しきれていなかった様子だったことでした。
2020-01-19 19:37:143)お城がありますね。まわりを内海(湖ではなく海だと推理。飲み水に使っていない=塩水)で囲まれ、時計塔とは隔てられていて、ローマ水道で連結しています。 pic.twitter.com/RqWL9vfKqL
2020-01-19 19:40:084)ルパンがクラリスの手を引いてローマ水道を駆けていく→時計塔に達する このシーケンスより二人の移動方向が左向きになる。 城 ローマ水道 塔 こう描かれていたのが、逃走シーケンスより 塔 ローマ水道 城 に裏返るため、観客には位置関係がわかりにくくなる。
2020-01-19 19:43:225)念のため絵コンテにも目を通したのですが…想像するにこのシーケンスよりハヤオさんは画面設計を左右ではなく上下に軸足を移したのではないかな。
2020-01-19 19:46:386)ルパン&姫様はとにかく上へ上へ移動する。伯爵も。 左右より上下のほうが位置関係が観客にはわかりやすいから。 pic.twitter.com/2CKMvmbNvB
2020-01-19 19:48:168)「横への広がりはわかりにくい」「私達の感覚はたての運動につよく反応する」 pic.twitter.com/3aRhZWBREg
2020-01-19 20:09:0110)今手元にカリ城のDVDがないので絵コンテより転載。潜水服で潜入するとき、こんなシーンがあるのですが―― pic.twitter.com/ziaqnAEiLK
2020-01-19 20:18:5011)姫様の手を引いて時計塔内部を逃走するくだり。 ト書きにもあるのですが、先に登場した滝です、ここ。 しかし滝が右向きに落下する&ルパンと姫様が左向きに走るせいで、観客には同じ滝だとは理解されない。 pic.twitter.com/V5o9GRkHcE
2020-01-19 20:21:2613)しかしここでは右に落下。 映画の用語でいう「イマジナリーラインを越えてしまう」ですね。左右が入れ替わってしまったせいで、観客が置いてきぼりになる現象。 pic.twitter.com/x3xGyym80v
2020-01-19 20:24:2814)ハヤオ氏はここに来て上下を軸に画面を設計していたのだと思います。時計塔の上へ上へ逃れるお話だから。 pic.twitter.com/aD9nfkNhJX
2020-01-19 20:27:2715)しかし左右から上下に軸を切り替えるのがちょっとばかり早すぎた。 たとえばここ。 pic.twitter.com/9SyKsbSZce
2020-01-19 20:29:4616)ルパンがガチャガチャ開けようとしている扉、想像ですがここを抜けると時計塔の向こう側に抜けられるのですよ。 pic.twitter.com/ra69yLrAlv
2020-01-19 20:34:2517)しかし、この滝のシーンでイマジナリーラインを越えてしまったせいで、この後ルパンがガチャガチャ扉をいじっているカットを挿んでも、彼が時計塔から「右」へ脱出しようとしていることが伝わらなくなってしまった。 pic.twitter.com/M8LbFQ6OfH
2020-01-19 20:37:28