男転生者「エロゲの親友ポジに転生したので主人公との恋愛エンドを目指す」
「前世の記憶が突然甦ったぜ」 「…………」 「いや無言で熱を測るなよ、琥珀」 「大丈夫か?悩みがあるならいつでも話せよ」 「やさしい~~俺の好感度が10あがりました~~」
2020-02-07 16:42:36「ははは、だからなんだよその好感度って。新学期はじまってから変だぜお前」 「そりゃイベントシーン以外は好感度確認用キャラだからな俺。主人公のお前とは違うんだよ」 「はいはい。で、前世って?」 「話広げてくれんの?そりゃモテるわ」 「今すぐ切り上げたっていいんだぞ」
2020-02-07 16:42:36「やだ~~話す~~。あのさ、俺、お前のこと前世から好きだったよ」 「前世からの友情に感謝」 「ははは。いやマジな話ね。恋してた。恋してる」 「……マジの告白?」
2020-02-07 16:42:37「…………。なんて、うっそー!お前そんなことで動揺してたら葵ちゃんに嫌われちゃうぜ!」 「お前なぁ」 「んじゃ、俺部活行ってくっから!ちなみに今日暇してんのは葵ちゃんと萌黄ちゃんと桜ちゃんだぜ!」 「毎日そういう情報どこから拾ってくるんだか。じゃあな、また明日」 「おう、じゃあな~」
2020-02-07 16:42:37「…………行ったか」 「あ~~……恋の自覚がトリガーになって前世を取り戻すパターン、なつかしのりぼん連載漫画感ある~~……」 「異世界転生ってやつじゃん、これ」
2020-02-07 16:43:32「友達のいない前世の俺が本気で好きになれたのはあいつだけだった。恋か友情か憧れか、わからないくらい一人だった俺」 「……思い出せる限りすげーかわいそうなやつだな」
2020-02-07 16:43:32「だけど今生の俺はチャラ男なので~~!!この恋、叶えてみようと思いま~~す!!見てろよ前世のオタクくん俺!!お前の夢はこの俺!!紅ミツルが継ぐ!!だって俺もあいつ好きだから!!!」
2020-02-07 16:43:32「状況を整理しようと思う」 「なに、兄貴」 「俺は紅ミツル。幼馴染で親友での宮代琥珀に恋をしている。前世は陰を拗らせた男のオタク。エロゲーの主人公にガチ恋した18歳だった」 「遅くに発症した厨二病は厄介だよ兄貴」
2020-02-13 16:08:39「潤(うるみ)、シロノワール食い終わるまで黙ってお兄ちゃんの話聞いてて」 「はいはい」 「俺の前世のオタクくんは暗くて俯いてて一人だった。いじめられていて卑屈で自己肯定感がなくて、人間に心を大きく動かされる時は暗い感情が大半だった。だから琥珀への明るいときめきは、間違いなく恋だった」
2020-02-13 16:08:40「00年代の腐がお題「間違いなく恋だった。」で書く文句じゃん……」 「衝動的に教室から飛び降りたとき、死ぬつもりはなかったはずだ。だって植え込みの上に落ちたら助かるはずだったから」
2020-02-13 16:08:40「当たりどころがよくなかった。後悔しながら死んだんだ。そして願った──生まれ変わりがあるならば、紅ミツルになりたいと」 「雲行きが怪しくなってきた」 「ホントに紅ミツルになるとは思わなかったけどね~!」
2020-02-13 16:08:40「ホントに紅ミツルになるとは思わなかったけどね~!」 「あのさ兄貴、転生ものは大抵思い出した時点で前世の人格がそれまでの人格を支配するけど、そこんとこどうなの」 「え、マ?いや、そんな感じは全然ない。スゲー昔のこといっぱい思い出した感じ」
2020-02-13 16:08:40「なるほどそういう設定ね」 「だから病気じゃないってば潤ちゃ~ん」 「仮に本当だとして、兄貴はどうしたいん?ここがエロゲーの世界だったとしてさ。ルートがなきゃトゥルーエンドの目指しようがないでしょ」
2020-02-13 16:11:19「ないなら作ればよくね?俺顔はいいし性格もまあいいじゃん」 「特性:自信過剰か?」 「ポケモンだな~オタクくんがやってたからわかるぞ」 「…………ガブリアスの種族値」 「108、130、95、80、85、102!……なの?知らんけど」 「……転生、本当かもしらん……」 「それで信じるのもどうなの潤~」
2020-02-13 16:11:19「これがほんとなら、うるみ、兄貴に協力してもいいよ」 「マ?!じゃあ言うけどさ!」 「なに?」 「このままの琥珀の進捗だと潤ルートが確定します」 「………………」
2020-02-13 16:11:19「潤、好きでしょ。琥珀のこと」 「…………まあ、順調に好感度上がってるよね」 「顔真っ赤でかわいいね~潤かわいい~」 「兄貴うるさい!う、うるみは、そんな……好きとかじゃ……」 「いいんよ、隠さなくて。だって俺見えてるし~お前の好感度」 「じゃ、じゃあなんで」
2020-02-13 16:11:19「協力するって言った口であいつとキスするのかなって思って」 「兄貴目付きがヤバイ」 「お前のこと好きだよ。大事な妹じゃ~ん?だからはっきりしときたくて。俺は本気で琥珀と両思いになるつもり」
2020-02-13 16:11:19「でもそれはお前に起きるはずだったドキドキなシナリオをぶち壊すことになる。お前は自分から行かないキャラだから。雰囲気に流されて行為に及ぶ子だから」 「…………」
2020-02-13 16:11:20「そういう雰囲気をぶち壊して俺と琥珀だけ幸せになる。そういうつもり。……っていう状況整理がしたくって~!」 「…………あのさ、兄貴。似合わない脅しをしなくても、うるみは応援するよ。だってうるみは兄貴のことも好きだもん」
2020-02-13 16:11:20「謝る気ないのに謝るなし。それに応援することと、うるみがコハを好きなのは両立できるでしょ。どうこうなりたいんじゃなくて、ただ好きなだけなんだから」
2020-02-13 16:12:07「…………そういえば潤は葵ちゃんのルートでも「琥珀が好きだけど葵ちゃんも先輩として好き、応援する」って言って送り出したあと号泣してたな~…………」 「えっ、なにそれ恥ずかしいんですけど」 「や~我が妹はかわいいな~とてもかわいい。ちゅーしていい?」 「うるみ、近親相姦地雷でーす!」
2020-02-13 16:12:08