初代ウルトラマンの中に嫌々入っていたスーツアクターで動作から必殺技までその場のアドリブで作り出した人 #激レアさん

幼いころから映画が大好きだったフルヤさんは17歳のときに東宝ニューフェイスとして役者デビュー。身長185センチのモデル体型のフルヤさんの夢は恋愛映画に主演することで、アメリカの伝説的な俳優ジェームズ・ディーンに憧れていた。しかし身長高すぎ＆手足長すぎのフルヤさんは主役より目立ってしまうため全く出演オファーがこなかった。
そんなある日、俳優からプロデューサーに転向した同期のニイノPから仕事が舞い込む「敏ちゃん（フルヤさん）にピッタリの役だ！」と言われフルヤさんは「え？ 俺にピッタリの恋愛映画!?」と浮足立った。そして衣装合わせに向かったところ待っていたのはウルトラQのケムール人の衣装。フルヤさんはびっくりして逃げ帰ろうと思ったが、ケムール人の衣装が寸分違わずピッタリのシンデレラとガラスの靴状態。断れない性格のフルヤさんはイヤイヤ引き受けることとなった。

ケムール人の撮影はスーツがゴムのためとにかく暑い灼熱地獄、頭部だけで8キロという頭重すぎ地獄、休憩のイスも用意されていない空気イス地獄という過酷な現場だった。ケムール人の走り方がわからず探り探り演じたが不気味様がいいと大絶賛。人生初の巨大化演技を戸惑いながらやってみると薄気味悪さがたまらないとまたもや大絶賛。しかしフルヤさんは撮影があまりに辛かったため「二度と着ぐるみなんて着るものか!!」と心に誓っていた。ところが数日後、再びニイノPがやってきて断り切れず今度は怪獣ラゴン役に。