子犬とアイスと英雄と

街(うら) @pafekoh

ザ「あっつーあっつーーーなんで部屋の中なのにこんな暑いんだー」セ「…冷房が壊れたのだから仕方がないだろう。嫌なら帰れ。お前の声は暑苦しい」ザ「なんであんたそんなカッコでだいじょぶなんだよ…」セ「鍛え方が違う」ザ「むー…あ！そーだ、冷蔵庫になんか冷たいもの…」

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ザ「栄養ゼリー、神羅携帯食料缶…期待した俺がバカだった…あーーあっづーーーー」セ「…お前がオレの部屋に居座ることは確かに許した、が、よもや忘れていないだろうな？オレの仕事を邪魔するならば…（チャキ）」ザ「ハッ！（敬礼）ちょ、ちょっとお疲れの隊長の為に冷たいもの買ってまいります！」

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（脱兎のザックス君）セ「…確かに、暑いな……さて、この隙に仕事を…」＊＊ザ「ただいま戻りました！」セ「…」ザ「あ、今戻ってくるのはえーうぜーとか思ったっしょ」セ「…大枠では否定はしない」ザ「ヒドッ！…ま、邪魔しちったのは事実だし。なー、３時だし休憩しない？ホラ、アイス買ってきた」

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（色とりどりのアイスたち。これ全部二人で食べるのか？な量）セ「お前は何もしていないだろう、……アイス？」ザ「お育ちのいい英雄様にゃ馴染みないか？ハーゲンダッツしか食べませんとか言うなよ～。そこのコンビニだからふつーに棒アイスだぜ」セ「ハーゲン…？棒…？」ザ「…あ、あんたまさか…」

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ザ「（…ハコイリってコワイ…）」セ「……嗜好品の、類は、食べる機会が少ないんだ」ザ「（言い訳しちゃってｗ）うん、そーだよなー。これ一本100円とかのだし、お口に合うかわかんないけど、冷たくてウマイし、挑戦してみない？」セ「……お前の軽い懐を痛ませたんだ、食べるさ」

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ザ「かーわいくないなー。俺セカンドだよ？あんたに比べりゃそりゃアれレだけど、結構稼ぎは…」セ「アンジールが先月建て替えた金を返さないと嘆いていたが」ザ「うっ」セ「寄って潰れて賭けに負けて、アンジールに回収させた揚句金まで借りたと。立派なセカンドだ」ザ「うううっ…反省してマス」

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セ「大体お前の腕でファーストに上がらない理由を考えたことはないのか？節度のある行動を心がけソルジャーの自覚を持てば…」ザ「（アンジーの説教癖移ってない…？）あー、あ、あの、セフィロス。その反省はアンジールに散々説教されてもー十分だからさ？とりあえずアイス、溶けちゃうからホラ」

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セ「（溶ける？何だ？溶解…ゲル…？）仕方がない。この話はアンジールを交えてまた後ほどだ」ザ「ハイ！で、どれ食う？いろいろ味あるんだぜ、ストロベリー、チョコ、グリーンティ…」セ「（パッケージ見て）…このストロベリー、恐ろしく赤くないか…」ザ「そりゃこの値段だもん、着色料バリバリ～」

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セ「（パッケージ裏見て）赤色210号…これはモルボルの体液から精製される色素成分…」ザ「ええっ！！？そうなの！？そーなの？！」セ「人体に害はないから安心していい、が、…オレは遠慮したい」ザ「う、俺もちっと…今度カンセルにあげよ」セ「（友人ではなかったのか…）」

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セ「それでなければどれでもいい」ザ「ふーむ。そーだなー、どれもウマイけど、こん中だったらやっぱこれかな！濃厚ミルクのプレミアム・ミッドガルバー！高いんだこれ！」セ「（ミッドガルでミルクが取れるとは思えんが…そしてプレミアム？130ギルで？）…わかった、それでいい」

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ザ「俺はクランチチョコ～。いっただきまーす！（ふつーに棒アイスなのにガリガリかじってく。野生児ですもの）」セ「（袋から出す。まじまじ。若干溶けてる。ザックスの食べ方を横目でちらり、お上品にお口を開けて、齧ろうと）……っ！！」ザ「（もうあらかた食べ終わってる）んー？どーひた？」

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セ「…冷たいぞ」ザ「え、そりゃ、アイスだから…それを愉しむもんだし…？」セ「……そうなのか」ザ「染みた？ま、こんなもん齧る経験ないわな…こー奥歯の方でがじっといくんだよ」セ「…（セフィさん、神妙な顔でまた控えめに口を開ける。前歯に当たらないように注意しつつ、アイスを口の中に…）」

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セ「ん…（しかし流石はプレミアム・ミッドガルバー130ギル、プレミアムなアイスの大きさ太さであります。アイスキャンディー的な円柱型なので口に入らないということはないですが、入れるだけで精一杯、噛むのは難しそうです。苦しそうなセフィさん）」ザ「！！！！！！（あれ、エロイ！？！）」

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セ（しかもさっきのお説教タイムのせいでアイスは溶け気味。意地になって齧ろうとするセフィさんの唇の端を溶けたミルクアイスが一筋流れる。えー、それは、まるで…）ザ「セフィロ――――ス！！！！待って！ストップ！嘘です嘘つきました！その食べ方はいけません！！！嘘です！俺嘘つきました！！」

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セ「…ふそ？」ザ「ああああああ咥えたまま喋んないで！じゃなくて溶けちゃうから！あのソレその形っていうかそのデカさのアイスには適さない食い方だったわ！俺としたことがウッカリしてたわゴメンゴメン！はい出して！」セ「（…口に入れた物を出すのはどうかと思うが…流儀には従うべきか…）」

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セ「……苦しかったぞ」ザ「（ああ出す姿もエロイ…口の周りベタベタだし…）あーそーだよねごめん…なんていうかゴメン…」セ「（やっと口周りのアイスに気付いて舐めとりながら。舌が赤いぞセフィロスさん。指がベタベタしてるぞセフィロスさん）だが、まずくはなかった」ザ「飲んじゃったの！？」

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セ「は…？食べ物ではないのか？」ザ「いやそんなの飲まないで出して！……じゃないです嘘です。それはそういったものではなく美味しいミルクアイスです（自分に言い聞かせ）」セ「…それで。どんどん溶けているんだが…（棒から溶けゆくアイス。落ちそうな雫見つけてべろりん）」ザ「～！！（悶絶）」

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セ「…こうやって舐めとるしかないのか。面倒な…それに、行儀がわるい…」（とはいいつつ垂れてくるのでぺろぺろ。プレミアムな大きさの円柱の形のミルクアイス。それを下から上に丹念に、お育ちのいいセフィさんはこんなときでも律儀に丁寧に舐めていくわけです。ザックスは　めが　はなせない　！）

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セ「…大きすぎる、だろう…もう舌が疲れてきた…」ザ「（ごろごろ）」セ「…口はべたつくし、プレミアムだか知らないが濃い…」ザ「（ごんごん）」セ「（ザックス、さっきからやけに静かではないか？はっ、オレが不平ばかり言うから落ち込んでいるのか？そうだ、あいつにとって130ギルでも大金）」

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セ「（善意で買ってくれたものだ、それを文句ばかり言って…大人げなかったか…）ザックス…（図らずも上目遣い、さっき頭がキーンとしたからか若干涙目、長いまつ毛が震える）勘違いするな、俺は、これ、……嫌いではないぞ…？」ザ「　　　」（昇天）

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ザ「…せふぃろす」セ「なんだ…？（ぺろぺろ）」ザ「もう、アイス食べるの禁止ね…？（へろへろ）」セ「？！何故だ？オレは別に、無理をしてなど…（上目遣い）」ザ「ううっ！！ああだめ…オレもうだめー！！」（リミットブレイク！）（ガバーっ！）セ「！！？何だ、暑苦しいぞ！アイスが溶け…」

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ザ「そーだね、溶けちゃうね、あー服汚れちゃった…だから、………脱ごっか！！」セ「は？何言って、まだ仕事が山ほど、」ザ「俺だって我慢するつもりだった！！だけどあんたが…あんな、誘うから…あーもームリ！今回ばかりはあんたが悪い！」セ「意味がわから、な、ッ…ザックス～～～！！」（暗転）

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というわけで久々にぷっつんしちゃった若ーいザックスくんに散々アイスべたべたプレイされてアイス食べながらやってた事をご丁寧に再現させられたりして、セフィロスさんはそれからザックス君がどう拝み倒そうと二度と棒アイスを食べることはなくなってしまったのでした。ちゃんちゃんっ★