茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2495回「チャイニーズウイルス」という表現を使ってしまうトランプさんの下品さに慣れて、支持さえしてしまう世界があるよね」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２４９５回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

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先日、アメリカのトランプ大統領が、コロナウイルスに関する重要な国民への訴えかけの冒頭に、いきなり「チャイニーズウイルス」と言っていたので、のけぞってしまった。確かに今回の新型コロナウイルスは（認識されている限り）最初に中国で人間に感染が拡大したわけであるが。。。

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新型コロナウイルスを定義づけるものはその遺伝子配列であり、その配列そのものに「中国」も何もないわけだから、それを「チャイニーズウイルス」と呼ぶことは不適当なわけだけれども、トランプさんのように（中国から来たんだから）「チャイニーズウイルス」と呼びたくなる人は一定数いるのだろう。

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「チャイニーズウイルス」という言葉を連呼するトランプさんは、控えめに言っても下品で、愚かである。しかし、そのような姿勢が一定の支持を得てしまうのは、人間のもっとも基本的な感情に訴えかけるからだろう。中国からわけのわからないウイルスが来て、それで大迷惑、という認識は米国の一部にある

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トランプさんが、今秋の大統領選を睨んで、「戦時大統領」（wartime president）というイメージ戦略を打ち出していることも関係する。「ウイルスとの戦い」の見えない敵よりも、「チャイニーズウイルス」と呼んで、外国から侵入した敵と闘っているというイメージの方が、一部の人たちにはわかりやすい

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ふりかえれば、オバマさんはほんとうに賢く、洗練されていて、また上品だった。トランプさんが登場した時に、みなその下品さ、愚かさ（に見えるふるまい）に驚いたが、そのうちに慣れてしまって、日常化したけれども、今回の「チャイニーズウイルス」で「そこまで言うか！？」と改めて驚いた気がする。

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問題なのは、トランプさんのやり方が、一部の米国人には訴求して、支持されてしまうということで、結局これはトランプさん個人の問題ではなく、人間というものの持っている属性の問題なのだろう。できるだけ知的で品格のある存在でいたいとは思うが、それでは通用しないこともあるのが人間の世界だ。

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以上、連続ツイート２４９５回「「チャイニーズウイルス」という表現を使ってしまうトランプさんの下品さに慣れて、支持さえしてしまう世界があるよね」をテーマに、６つのツイートをお届けしました。