ナラク・ウィズイン#6
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
黒炎はケイトーにのしかかろうと伸びるが、ケイトーはボー捌きでその火をいなし、絡め取り、不穏な己の目的を果たそうとするのだった。彼の目はギラギラと輝いていた。そして……「「イヤーッ！」」ボーが弾かれ、彼の手を離れて宙を跳んだ。ケイトーは訝しみ、空を振り返って、ボーを引き寄せた。 20
2020-04-21 22:03:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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再びボーを手にした彼は、黒炎のわだかまりの前でアグラする朧な銀の姿を前に、顔をしかめた。突如あらわれたその者が、ケイトーのボーを弾いたのだ。ケイトーは顎をさする。「ンンー……なにか気に入らないアトモスフィアがあるな。ナラクではないな？貴公」「無論だ」アグラする男は答えた。 21
2020-04-21 22:05:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「俺は……」銀の姿はゆっくりと立ち上がり、ケイトー・ニンジャを怖じず見据えた。そしてアイサツした。「……シルバーキーだ」「シルバーキー？ンンー……」ケイトーは表情を曇らせた。「私はクローザー……ケイトー・ニンジャと呼んでもよいがね」「あンた、最近妙に俺のアンテナにかかるぜ」 22
2020-04-21 22:10:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「忙しく働いておるからだ。フゥーム貴公……見たところ観測者気取りの類いだな」寝返らせたニンジャ達が親王部下と激しく争うさまを尻目に、ケイトーは長いボーを片手でクルクルと回転させ、シルバーキーを睨む。「そのてん私はジャーナリスト。足で稼ぐリアルな生業でね。君など足元にも及ばんよ」23
2020-04-21 22:14:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「それを言われると少し辛いが……」シルバーキーは口の端を歪めて不敵に笑った。「あンたの相手なぞ、遠隔で事足りるかもよ」「クキキキキ！」ケイトーは凄まじい笑顔になった。その体を緋の稲妻が這い回った。シルバーキーはこめかみに指を当てた！「イヤーッ！」「イヤーッ！」ケイトーが吠える！24
2020-04-21 22:18:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ZZZZZAP！緋の稲妻がシルバーキーを焼いた。霊体が爆ぜ飛び、余波を浴びた黒炎が唸りながら収縮した。霧めいて拡散した霊体は再びシルバーキーの姿を取ろうとする。ケイトーは念入りな緋の稲妻で攻撃した！「イヤーッ！」そこへ死角からスリケンを投じた者あり！風とともに着地したコルヴェットだ！ 25
2020-04-21 22:20:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ン？」ケイトーは虫でも払うようにスリケンを撫でて逸らした。シルバーキーが再集中！「イヤーッ！」ガクン、ケイトーが不可視の圧力を受けて身体を揺らし、一筋の鼻血が垂れる。ケイトーは邪悪な笑みを深めた。「イヤーッ！」ZAAAAP！「グワーッ！」シルバーキーが再び稲妻に焼かれる！ 26
2020-04-21 22:22:54
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ジョウゴ親王はクセツに目線を送った。クセツはすぐに応えた。ケイトー・ニンジャをめがけ、育てていたネザーカトンの火球を解き放ったのである！「ドゥウウウウム！」黒紫の炎が隕石じみてケイトー・ニンジャを襲う！「ヌウッ！？」ケイトーは瞬時に状況判断した。かわさねば、防ぎきれぬ！ 27
2020-04-21 22:26:55
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「ドゥウウウウム！」ネザーカトンは唸りをあげてケイトーを追尾した。ケイトーはジグザグに走り、やむなく黒炎溜まりから退避せざるをえない。「ドゥウウウウム！」ネザーカトンはケイトーに迫る！「イヤーッ！」ケイトーはボーを打ち振り、ネザーカトンを打ち払うが、クセツは次なる火球を召喚！ 28
2020-04-21 22:28:56
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「ドゥウウウウム……！」クセツは次々にネザーカトンを生み出しながら、浮遊してケイトーを追った。ケイトーは隆起した地面の一段下へ避難！追い来るネザーカトン！「ドゥウウウム！」「ドゥウウウウム！」「シツコイ！」ケイトーは鼻白んだ。「アバーッ！」付近のゲニンが巻き添え死！「アワレ！」29
2020-04-21 22:31:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ドゥウウム！」「ドゥウウウム！」「ドゥウウウウム！」クセツはもはや一切のリミット無く、ネガティヴ・カラテで追跡し、ケイトーにネザーカトンを浴びせ続けた。「し……しのいだか」コルヴェットは一瞬そちらを見やり、それから黒炎を見た。しかし彼にはバグズアイが向かってきていた！ 30
2020-04-21 22:33:08
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「気をつけろ！」朧なシルバーキーが叫んだ。コルヴェットは後ずさる。「カチグミ狙いの漁師じみたコソ泥風情めが！」バグズアイは罵りながら接近！「理想にむけて邁進するケイトー・ニンジャ＝サンと我らの輝かしい歩みに嫉妬すべからず！キエーッ！」カマキリ・ケンで襲いかかる！ 31
2020-04-21 22:37:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」コルヴェットはバグズアイの足元にカゼを転がし、ファンブル転倒を狙った。だがバグズアイは滑るように加速して回避！「惰弱なジツ風情めが！キエーッ！」「グワーッ！」カマキリ・ケンが切り裂く！倒れ込むコルヴェットに連続カマキリ攻撃！「キエーッ！」転がって躱すのが精一杯！ 32
2020-04-21 22:39:42
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「まずい」朧めいたシルバーキーがそちらを見やるが、上空にはクセツが浮遊している！もはや彼のネザーカトンはケイトーに留まらず、高高度から無数の火を吐き出し続けていた！「ドゥウウム！」降り注ぐ闇の炎！「コシャクな！」デッドリーパープルが紫の風と化す。レッサーヘイスト・ジツの加速だ！33
2020-04-21 22:44:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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加速したデッドリーパープルはジグザグに宙を蹴りながら高速上昇！空中のクセツにあっという間に至る！「トッタリ！鼻持ちならねえジョウゴの犬！その包帯を剥いて、醜く惰弱な中身を開陳してくれるわーッ！」空中加速回し蹴りだ！「イヤーッ！」「……！」クセツの目が光った！ 34
2020-04-21 22:46:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「アバババーッ！？」ナムサン！？クセツの身体に触れようとしたデッドリーパープルの身体は何の前触れもなく黒紫の火に包まれた。自然発火！？彼はたちまちのうちに肉体を衰滅させ、骨と皮ばかりになりながら落下して塵芥となった。ナムアミダブツ……！クセツは平然とネザーカトン攻撃を継続する！35
2020-04-21 22:49:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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降り注ぐネザーカトンの中で、ジョウゴ親王が動いた。ほとんど無雑作に、彼は争い合う部下と裏切りニンジャ達の間を歩いた。付き従うは青銅の馬一頭。「待てい！」５人目のケイトー配下が崖上に飛び上がり、ジョウゴ親王に突進する！「クセツのネザーカトン恐るべし……だが貴様は親の七光り！」 36
2020-04-21 22:53:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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現れたのは、UCAから鹵獲したパワードスーツをアカゾナエに塗ったニンジャ、インダストリアルであった！ハリマ離宮の不屈の門番たる彼までもがケイトーによって堕落させられたのか！？「我が物顔に視察しおって！文明を従える我がカラテにて死ね、七光りめが！イヤーッ！」「……」親王の目が光る！ 37
2020-04-21 22:56:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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インダストリアルはジョウゴ親王を爽快に殴りつけた筈の己の拳が止まった事を訝しんだ。親王は彼の拳を掌で止めていた。そして……ナムサン。親王の全身は青銅の邪悪な鎧に、一瞬にして覆われていた。連れ来た馬が分離し、鎧と化して覆ったのだと気づいた時、既にインダストリアルは絶命していた。 38
2020-04-21 22:59:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ジョウゴ親王は掌をぐるりと回し、インダストリアルの腕をひねっていた……ただそれだけの動作で、インダストリアルの右腕、肩、そして頭は渦巻状に巻き込まれ、引き裂かれて死んだのである。「アバーッ！サヨナラ！」インダストリアルを爆発四散せしめると、親王は黒炎に踏み入った。 39
2020-04-21 23:01:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「クソッ……今度は……！」シルバーキーはこめかみに指を当て、構えた。そしてジョウゴ親王への攻撃を試みるが……そこへ浴びせられたのはクセツのネザーカトンであった。「グワーッ！」ネザーカトンが破裂し、シルバーキーの遠隔霊体を爆散させた。「露払い、シツレイを」着地したクセツが跪いた。40
2020-04-21 23:05:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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（チク……ショ……）もはや遠隔霊体を維持できず、シルバーキーの姿は薄れて消えた。「クルシュナイ。つつがなくケイトーにトドメヲサセ」「ハーッ！」クセツが再び飛び離れると、ジョウゴ親王は深く息を吸い、黒炎に手を差し入れた！「イヤーッ！」「オオオオ……！」黒炎が暴れ始める！ 41
2020-04-21 23:11:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「グワーッ！」一方、コルヴェットはバグズアイの残忍なカマキリ・ケンにいたぶられ、裂かれた傷のあちこちから血を流しながら、なんとか黒炎へ踏み込む隙を探そうとしていた。ケイトーをクセツが攻め立てた事で一端の危機はさったという見立ては、甘かった。（奴……ジョウゴ親王を止めねば……！）42
2020-04-21 23:14:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
バグズアイの肩越し、ジョウゴ親王は身をかがめ、両腕を深々と黒炎の中に突き入れていた。その注意散漫を咎めるように、バグズアイのカマキリ・ケンが襲いかかった！「キエーッ！」「グワーッ！」カゼのジツが間に合わぬ！左肩が裂け、血が噴き出す！深い！コルヴェットは倒れ込む！ 43
2020-04-21 23:16:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ちょこまかとしぶとい惰弱者。ハイクを詠め」バグズアイがカイシャクのケンを振り上げた。「き、貴公の主人は、今、だいぶ難儀しておるようだが……」コルヴェットは弱々しく笑った。「助けにゆかなくていいのかね」「ゆえにASAPで貴様を殺す！イヤーッ！」 44
2020-04-21 23:19:30