「オニ退治をする」再びザンマはニーズヘグを持ち上げた。ザンマはニンジャスレイヤーをじっと凝視していた。「ニンジャスレイヤーは必ずザンマに応じる。オニゆえに。イヤーッ!」「グワーッ!」KRAAASH!青い火が爆ぜた。火の粉は01のノイズに変わった。ニーズヘグの肉体も同様に散り始めていた。 67
2020-04-25 00:35:29「よせ、ネクサス=サン。まだ……」ザンマに押さえつけられながら、ニーズヘグは抵抗のそぶりを見せた。「……否。不甲斐なし。あるじに合わせる顔が無いわい」その言葉を待ってか待たずか、彼の身体は01分解し、散り消えた。「……」ザンマは訝しんだ。そこへニンジャスレイヤーが襲いかかった。 68
2020-04-25 00:38:54「イヤーッ!」「グワーッ!」死角からの飛び蹴りが、ザンマ・ニンジャの首筋を捉えた。ザンマはあらがわず、後ろに転がり、大剣を掴んで引き抜いた。ニンジャスレイヤーは黒炎溜まりに着地し、地面に手を突き下ろした。「スウーッ……フウーッ……!」背中が黒く燃え始めた。「……来い。ナラク!」69
2020-04-25 00:42:36(((……!))) ナラクの声は不明瞭だった。マスラダは眉根を寄せた。ザンマ・ニンジャは大剣を引き抜いた。マスラダは呼吸を深める。「スゥーッ……。フウーッ……」ズブズブと、黒い粘質の火が、指先から腕へ胸の中へと、染み込んでゆく。双眸に黒い火が今や強く輝いている。ナラクの声は、ない。 70
2020-04-25 00:45:30「急げ!ニンジャスレイヤー=サン!」コルヴェットが叫んだ。然り。マスラダは黒炎を吸い上げる。カラテがみなぎる。このカラテを以て、ザンマを倒さねばならぬ。「ナラク!」マスラダは叫んだ。ドクン!心臓が強く打った。……崖下、仰向けに倒れるジョウゴ親王が、身体を逸らせた。 71
2020-04-25 00:47:24「殿下……!?殿!」クセツは痙攣するジョウゴ親王を見出し、駆け寄った。「AAAARGH……」呻き声をあげるジョウゴ親王を、クセツは抱え上げた。「殿!お気を確かに!」「クセ……ツ……か……」「殿!傷は浅うございます!」彼の手勢が追いついてきた。「デアエ!?」「殿下!」 72
2020-04-25 00:49:52「敵を近づけさせるな!」クセツは配下に命じた。ケイトー・ニンジャを圧倒したネザーカトンであったが、五重塔の爆発によって急激にフーリンカザンが失われ、仕留めきった感触が得られていない。だが、今はそれよりも何よりも……「殿!」「クルシュ……ナイ」親王が、赤黒く光る目を開いた。 73
2020-04-25 00:54:38「ンン……フームム」隆起した崖のひとつによじ登り、ケイトー・ニンジャはそのさまを訝しげに見つめた。「しぶとい親王殿下だな。いやはや。あれで生きておるとは」彼は顎をさすり、顔をしかめた。「面倒な事にならねばよいが……」最も高い崖、黒炎溜まりを見上げる。「ザンマ君はどうだ……?」 74
2020-04-25 00:58:03ニンジャスレイヤーは黒炎溜まりから力をゆっくりと吸い上げている。ザンマは軽率に襲いかかりはしない。警戒か、それとも興味か。狂気の英雄を理解することは難しいが……「全く、急いでやっつけてほしいというのに。頼むよザンマ君。嗚呼……」彼はこめかみを指でマッサージした。「考えろ考えろ」75
2020-04-25 00:59:56彼のニューロンは極度加速し、知恵熱めいた緋色の稲妻が花冠めいて頭の周囲を巡った。この混沌たるバトルグラウンドを見渡す。「デアエ!」「デアエー!」響き渡る鬨の声。……彼は身を乗り出した。もがき苦しんでいるニンジャの胸には、エメツが突き刺さっている。「生きているじゃないか、あれ!」76
2020-04-25 01:03:34ニンジャスレイヤーにカラテを受けて落下したヘラルドを、親王配下のニンジャ達が注意深く包囲しようとしている。「クキ、クキキィ!天の采配ここにあり!」ケイトーは耳まで口を広げて笑い、彼をめがけて回転ジャンプした!「イヤーッ!」 77
2020-04-25 01:05:17