観劇報告書Selection⑯（特別編)【未開の議場／観劇ポータル名古屋／安住の地(京都)】

まずはこちらですね。
『未開の議場-オンライン版-』

2020年4月20日千穐楽分より
開場19:30 開演20:00
上演時間:120分程度

未開の議場-オンライン版-って演目です。その名前の通りYoutube配信ですね。

話の中味としては、ある商店街でお祭りをする為、会議が開かれるんです。ところがこの地域は、外国人も多く住んでいてそこそこ彼らによる犯罪も起きてた様なんです。実際、それで被害を受ける人もそれなりに…。でこの祭りを今回するに当たって彼らを受け入れるか、受け入れないかで会議が真っ二つに別れちゃうんですね、そんなお話です。

猫については動物ほんとに劇場に持ち込んだ団体さんってのは滅多に見ないのでオンラインならではって感じでしたね。

とにかく、感情に任せたぶつかり合いみたいな喧嘩が多いんです。そこに、そもそも相手が嫌いとかね、考え方が決定的に違うとかね、まぁそのあたりの相性の悪さみたいなのによる鬱憤みたいのまで混ざってくるんですよ。なのでこれまためんどくさい笑。それが画面越しでもすぐわかるからそれもまた面白い。

あと、料理は最後に出てきます。料理は料理でも料理番組状態の料理なんて劇場じゃまずあり得ないですもんね笑。

ちょっと日本語おかしいので何言ってるかよくわかんないかもなんですが、「呆れ果ててワタシ白けてます」みたいな表情ってのはほんとよくわかりました。あぁぁあ!!って感じのいかにも魂どっか飛んだ様なアノ表情ね。あとそれに加えて壊れてるってのも結構ありました。顔が近いぶん、そりゃあもうよくわかる。詰んだぁぁ!!!みたいなね、あれね笑。

そのあと、もう一回フルで見てるのですね。でも海外verなので字が読めぬというwww

登場人物の誰かが喋る→他の登場人物の反応、これがよりくっきり鮮明になってた気がします。特に修羅場とかどっちらける場面とか。ただもっとも中にはワタクシの見落としってのもあるんでしょうけど。

ー☆ー☆ー☆ー

さて、次はこちらですね。
■かっぱっプロデュース
「なにがコロナウィルスや！！　外に出られない演劇人が本気でリモート稽古をする会」vol.2

日時：4月29日（水祝）15:00～17:00
場所：on ZOOM
演出：斜田章太（廃墟文藝部）
役者：伊藤純花（愛知学院大学演劇部“鯱”）
　　　加藤あみ（劇団六風館）
■稽古作品：蟻を殺す

今回は伊藤さんが生徒役の海を、加藤さんが先生役でしたね。この演目、登場人物は二人。会話劇です。タイトルがかなり強気笑。

『蟻を殺す』とは廃墟文藝部という劇団の作品で、授業をサボって校庭で蟻をひたすら殺しまくってる海という女子生徒の元へ一人の女性教師がミルクティーとチョコレート、そして何故か煙草まで持ってやってくるという話です。よく考えるとこれ学校にはタブーなものばっかですな。普通、生徒のとこ持ってくるか!?、この先生。もう生徒をハメようとしてるとしか思えないのだが。なので結構、非現実的な話とも取れなくないです。

個人的には多数派が少数派を正義の名の元潰してしまう話と取ってまして。今で言うと少し違うかもしれないのですがコロナウィルスの影響で自粛を求められているのにそれをしなかった一部の人達があたかも正義の鉄槌でも降すかの様にほぼ犯罪まがいの誹謗中傷嫌がらせを貼り紙やネットなんかで繰り返す大勢の人たち、そんな人たちをも想わせる作品でもありました。(※2020年4月現在はコロナウィルス感染で非常事態宣言が出されてます)

稽古見学というよりむしろほぼ授業参観状態でした笑。

演出…演出で『そういう意図があったのか!』と最も驚いたのは、海の台詞であった「私、お父さんの煙草の匂い嫌いじゃなかったんだけど」と『私、お父さんの煙草の匂い嫌いじゃなかったんだけどなぁー』の意味合いがそれぞれ違うという点でした。正直そこまでは考えてなかった。その2つの台詞自体は2つ連続しているので単に自分の父親を奪い、更には他の先生とも泥沼にあるこの先生への当てつけというか海なりの恨み節ぶつけまくりの回だと思っていたんですね。つまり彼女のターンって感じで。なのでこのあたりって全くノーマークだったのですね。