俺の彼女は束縛系

しぶすけさんの企画(#相四相愛)提出作品です!
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@Oboro_sakamichi

1 俺の彼女は束縛が激しい。 だが、みんなの思っている束縛とは少し意味合いが違う。 ではどういう束縛なのかというと… ?:〇〇ー!ギュッ 〇〇:うわっ!急に飛びつくなよ、びっくりするだろ?

2020-05-14 18:27:48
@Oboro_sakamichi

2 ?:だって〇〇の背中落ち着くんだもーん♪ 今俺の背中に抱きついているのが俺の彼女、柴田柚菜。 よくもまぁ俺なんかと、と思うほどの美人で、頭も良い。 こんな子に抱きつかれるのは勿論嬉しい、だが… pic.twitter.com/ZoPVWVEPoE

2020-05-14 18:33:34
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@Oboro_sakamichi

3 〇〇:おい柚菜っ、今包丁持ってるから!危ないから離れて💦 柚:やだ! 〇〇:そんなきっぱり言われてもなぁ… そう、俺の言う「束縛」とは、「いつどこで、どういう状況下でも抱きついてくる」ことなのだ。

2020-05-14 18:37:09
@Oboro_sakamichi

4 何もしていない時に抱きつくのは構わないのだが、高いところにある物を取るときや、料理中、課題に集中したい時に抱きつかれると中々に困るのだ。 柚菜と同棲を始めて約3ヶ月、何回注意しても聞かない柚菜に、俺は少し苛立ちを覚えていた。

2020-05-14 18:46:59
@Oboro_sakamichi

5 そしてある日、俺がキッチンの食器棚を整理していた時に事件は起きた。 柚:〇〇〜ギュッ! 〇〇:うわっ! バランスを崩した俺の手から1枚の皿が滑り落ち、そして… ガシャーン!

2020-05-14 18:52:23
@Oboro_sakamichi

6 割れたのは、俺と柚菜が同棲を始めてすぐに買ったお気に入りの皿だった。 俺はそのショックでついカッとなってしまった。 〇〇:何してるんだよ!今抱きついたら危ないことくらい分かるだろ!? 柚:あっ、その、ごめ…

2020-05-14 18:57:00
@Oboro_sakamichi

7 〇〇:ったく、TPOを弁えてくれよ…何回注意しても全然聞かないし… そして俺は、勢いで言ってはいけない一言を口にしてしまった。 〇〇:最近、もう迷惑なんだよ… 柚:…!

2020-05-14 19:01:56
@Oboro_sakamichi

8 柚:そんな風に思ってたんだ… 俺がハッとした時にはもう遅く、柚菜は目に涙を浮かべながら自分の部屋へ去ってしまった。 〇〇:(しまった…完全に言い過ぎた) 柚菜への罪悪感を抱きながら、割れた皿の破片を回収する。

2020-05-14 19:06:02
@Oboro_sakamichi

9 〇〇:痛っ…! 割れた皿の破片で指を切ってしまったらしい。 〇〇:(でも、柚菜の心の痛みはこれの比じゃなかっただろうな…) 俺は指に絆創膏を貼り、皿の破片を片付けた。

2020-05-14 19:54:07
@Oboro_sakamichi

10 柚菜が部屋から出てくる様子はない。 俺は1人、リビングの椅子に座った。 〇〇:静かだ… 静寂が孤独感を強める。柚菜が居なくなったらこれほどまでに寂しいとは思わなかった。

2020-05-14 19:58:43
@Oboro_sakamichi

11 〇〇:いつのまにか、柚菜が隣に居ることが当たり前と思ってたのか… このままでは駄目だ。俺は決心し、柚菜の部屋に向かった。 コンコン 〇〇:柚菜、話がしたいんだ。開けてくれないか?

2020-05-14 20:05:01
@Oboro_sakamichi

12 ガチャ 柚:……… 俺は中に入り、床に座り込んだ。 柚菜は俺の向かいに腰を下ろした。 少しの沈黙。そして、 2人:ごめん(なさい)! 俺たちは同時に頭を下げた。

2020-05-14 20:08:58
@Oboro_sakamichi

13 柚:私、〇〇に甘えてたんだ。〇〇なら何をしても許してくれる、私の全てを受け入れてくれるって… 〇〇:俺もだよ。いつのまにか、柚菜が隣に居てくれることの有り難みを忘れてしまってたんだ… 柚:でも、部屋で1人になると罪悪感でいっぱいになって、凄く寂しくて…

2020-05-14 20:12:09
@Oboro_sakamichi

14 〇〇:俺も、さっきは言い過ぎた。 柚菜のいない空間がこんなに寂しいなんて思わなかった… 〇〇:だから、これからもこれからも俺の隣にいて欲しい。俺には柚菜しかいないんだ…! 柚:私も…!〇〇がいないと嫌だ…! 俺たちは互いに抱き合い、涙を流した。

2020-05-14 20:16:26
@Oboro_sakamichi

15 ー数日後ー 俺は柚菜と2人で、新しい皿を買いに来ていた。 柚:あっ!この柄可愛いよ! 目を輝かせて皿を吟味する柚菜。そんな彼女が堪らなく愛おしい。 〇〇:良いね、それにしようか!

2020-05-14 20:19:25
@Oboro_sakamichi

16 買い物を終えて家に帰り、買った皿を食器棚に入れる。 ふと柚菜を見ると、あまりにも分かりやすくそわそわしているので、思わず笑みが溢れる。 俺は皿を直すと、柚菜に向けて両腕を広げた。

2020-05-14 20:23:03
@Oboro_sakamichi

17 〇〇:いいよ、おいで…うわっ! 言い終わる前に俺の胸元に飛び込んでくる柚菜。 上目遣いでこちらを見つめた後、目を閉じて何かを待つ。 〇〇:それは反則だろ…笑 俺は柚菜の頭に手を添え、唇を重ねた。

2020-05-14 20:30:16
@Oboro_sakamichi

18 唇を離すと、互いに見つめ合って、 2人:…ふふっ 微笑みを浮かべた。 柚:ねぇ〇〇 〇〇:ん?

2020-05-14 20:32:11
@Oboro_sakamichi

19 柚:…大好き 〇〇:俺もだよ 柚:これからも一緒にいてくれる? 〇〇:当たり前だろ? 俺の言葉を聞き、再び抱きついてきた柚菜の頭を撫でる。

2020-05-14 20:35:58
@Oboro_sakamichi

20 この温もりも、悪くないな。 ーfin. pic.twitter.com/II8RL0tJf9

2020-05-14 20:40:18
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