- kaidan_oogiri
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#怪談大喜利 「この絵昨日テレビに出てたよね」 友達は額縁だけ掛けてある壁を見ながら話しかけてきた pic.twitter.com/iA0nw597RB
2020-05-18 02:42:54#怪談大喜利 「あたし綺麗でしょ?」 え? 「あたし綺麗でしょ!?」 友人は男だ。 絵にはまるで友人を睨むかのような形相の女が描かれていた。 pic.twitter.com/7YICzFEkEH
2020-05-18 02:58:21#怪談大喜利 「俺の家族写真が掛かってる。」 何を言ってるんだ、掛かってるのは 死んだ私の飼い犬の絵じゃないか。 pic.twitter.com/H9141so5SC
2020-05-18 07:56:41#怪談大喜利 「珍しい画材だね。カンバスはなめし革、絵具は血液と胆汁、絵筆は毛髪か。」 そう言いながら。赤茶けたその絵を見つめる。 タイトルは「ヒトリ」 作者名は、友人。 pic.twitter.com/CkMidErQm3
2020-05-18 08:09:29「わからない…」 すっかり心を奪われたみたい。 でも、旅館の夕食時間もある。引き摺って美術館を後にした。 友人は食事中も上の空で、ご飯をポロポロこぼす始末。 仲居さんにどうしたんですかぁ?と訊かれ、美術館の話をした。 部屋に戻ると、敷かれた布団の上に御札が置いてあった。 #怪談大喜利 pic.twitter.com/rl7DpwfWls
2020-05-18 08:41:51「おいしそう」 友人は『色とりどりの果物の絵』を見て、そう言った。 後日、『絵の具の過剰摂取』で友人は入院した。 #怪談大喜利 pic.twitter.com/swzDD47Vg4
2020-05-18 09:48:34#怪談大喜利 「呼んでる」 「は?」 友人は虚な目で、絵に近づいていった。 大勢の人々が川の向こうから手招きしている絵だった。 友人はそのまま絵の前で消えて、絵の中の一員になった。 友人が絵の中から俺を手招きしている。 ……俺も行かないと。 pic.twitter.com/43NHz2PypG
2020-05-18 10:28:55「いや、なんか呼ばれた気がして」 そう友人が答えた途端、静かな美術館に喝采が沸き起こり、館長が友人に握手を求めてきた。 助かった、と誰かが呟いた。 #怪談大喜利 pic.twitter.com/A7aiB2A3Lw
2020-05-18 10:36:07「やっと出れる…」 そう呟いた直後、友人はふと消えてしまった。一瞬の出来事だった。 それ以来、私はその絵を定期的に見に来るようにしている。なんだかその絵の前に立つと、消えた友人が見てくれている気がするのだ。 #怪談大喜利 pic.twitter.com/s4An1E26mY
2020-05-18 10:37:15#怪談大喜利 「ここ、昨日行った廃屋に似てないか?」 そう。俺達は廃墟探索という名目で地方に旅行に来ていたんだった。 確かに昨日の行った廃屋に似ていた。小さな女の子が描かれていることを除いて。 pic.twitter.com/3Idy34Nc1c
2020-05-18 11:11:52「いや、凄いじゃん。お前も見てみろって」 友人が見ているのはいわゆるトリックアートで、確かに面白くはあるが雑な構図で完成度は低い。 もう行こうぜ、と友人の腕を取り引っ張ろうとして、その手が空振った。 友人の背中を見つめる。 絵だった。 #怪談大喜利 pic.twitter.com/gcWkZcjf47
2020-05-18 12:17:27「この絵、そっくりなんだよ」 見てみるとその作品に描かれたカップルの女性は友人の自殺した彼女そっくりだった。 「なあ、どう思う?」友人は絵を見つめたまま言った。 絵の男性は俺にそっくりだった。 #怪談大喜利 pic.twitter.com/iBpI3RnmY0
2020-05-18 12:32:01「あ、なんでもないよ。」 友人は私に笑顔を向けて、そう言った。 作品名は『息子』 幼くして亡くなった息子さんの成長した姿を想像して描いた作品らしい。 今回の旅行以降、 あの『椅子だけが描かれた絵』を見ていた友人との連絡が取れない。 #怪談大喜利 pic.twitter.com/wefJtE5mp1
2020-05-18 12:57:51「これ俺の田舎のお祭りの絵だ....懐かしいなぁ。」 【 生贄 】という題名のその残酷な絵は どう見ても祭りには見えない #怪談大喜利 pic.twitter.com/8oxkqqmWTW
2020-05-18 13:59:09#怪談大喜利 「小さい頃一緒に遊んでた女の子がいるんだ ほらここ ここだよ おいおい お前が分からないから絵から出てきたぞ 今お前の足に抱き着いてる」 友人はその間も絵を見つめていた pic.twitter.com/IWAF0PkaFX
2020-05-18 15:59:03#怪談大喜利 「分からないけど首から上が動かせないんだよ!絵の顔が怖くて二度見しただけなのに…」 絵のタイトルは 『見つめる男』 顔のない男の絵だ pic.twitter.com/YTcn67SzZU
2020-05-18 17:01:48「この絵に描かれてる部屋、俺の部屋にそっくりなんだけど」 「本当だ。何てタイトル?」 「現地語でしか表記がない。読めないな」 「学芸員さんに何とか教えて貰ったよ」 「題名は?」 「えーと、『二度と見られぬ景色』だって」 「……誰が?」 #怪談大喜利 pic.twitter.com/q0ZhGV7ZFg
2020-05-18 17:20:12#怪談大喜利 「何か街中で結婚パレードしてる絵なんだけどさ、街路に立って祝福してる人達が手にしてる花が、呪いとか怨みを意味する花ばかりなんだ。」 pic.twitter.com/3OKzdzxlMc
2020-05-18 18:15:38「この絵さ、凄い仕掛けしてあるよ。 こうして左から右へ視点を動かすとさ、角度によって口が動いてるように見えるんだ。 あ、う、え、え…。どういう仕組みなんだろ? ほら、お前も見てみろよ!」 …うん、動くね。た、す、け、て…って。 #怪談大喜利 pic.twitter.com/Bj8zHEHQLp
2020-05-18 18:28:47「初めて見る作品ばかりなのに、やけに既視感があるなと思ったらさ…ここの風景画、俺達が旅行した先々で見た景色じゃないか?」 あ、本当だ。 「で、最後のこの絵だよ」 丸く並んだ幾つもの光だけが描かれてるな。こんな景色は知らないぞ? 「これ…手術台の上の照明だよ」 #怪談大喜利 pic.twitter.com/72eEdbYChf
2020-05-18 18:42:53#怪談大喜利 「この『あなたの未来』って名前の絵、ごく普通の日常風景を描いているだけだろ?なんでこんな大層な名前つけたんだろうって気になって……」 その絵は、自分には真っ黒にしか見えなかった。 pic.twitter.com/NGLLWouNQe
2020-05-18 20:27:19#怪談大喜利 『この絵、おかしくない…?』 子供たちが笑顔でこちらに銃口を向けていた。 pic.twitter.com/QVZVYkcuCV
2020-05-18 20:44:50#怪談大喜利 『これさっき行った場所じゃない?』 確かに訪れた場所らしき絵に 題名が墓地と書かれていた。 『あんなに賑やかなところなのに。』 『いや、俺ら以外いなかったぞ?』 『嘘だあ、いたじゃん。 お前の後ろにいる人もいたぞ?』 pic.twitter.com/x9ew2ExLU3
2020-05-18 20:49:53