まず1~4話の総評。タイパラ1話では佐々木君が散々精神的に追い詰められた状況で未来のジャンプを自分の白昼夢と思ってホワイトナイトを読切として描いてしまうところから始まります。
2020-08-03 19:00:42この1話では佐々木君の漫画家原作者としての能力は散々扱き下ろされるわけですが、代わりに「構成力」に優れていることが受賞したときのアオリとか、ホワイトナイトの連載1話を読切版に変換する描写で示されていました。
2020-08-03 19:02:12普通、漫画家漫画としてやっていくのであれば、この「構成力」という漫画家としての能力にフォーカスされるはずですが、結論から言えば意図的な描写がないという意味で今週の11話まで全く触れられていません。
2020-08-03 19:03:05そして2話。佐々木君は実家から東京(?)の家に戻って未来のジャンプが引き続いて電子レンジから届いてくることに気付き、ホワイトナイトは自分の頭から出てきたわけではなく、未来のジャンプを引用した多だけであることに気付きます。
2020-08-03 19:04:17当然佐々木君はこの物語の続きを描くことは能力的にも倫理的にも無理だという風に考えて連載版を描くつもりはないと宣言しますが、編集の熱い説得と読切版を読んだ読者からのファンレターを貰い、ホワイトナイトを描くことを決心します。
2020-08-03 19:06:06これは、既に佐々木君がホワイトナイトを現代のジャンプに載せてしまったがゆえに、佐々木君が描かないとホワイトナイトという読者を熱狂させた名作は未来永劫描かれないからなんですね。
2020-08-03 19:07:55もう後戻りはできないという状況で、未来のホワイトナイトを現代の読者にそのまま伝える(原作で言う代筆)という選択をした佐々木君に本物の「アイノイツキ」が会いに来るというのは物語上必然なんです。だって、漫画家漫画ならその選択は間違っているので。
2020-08-03 19:09:323話。ギャグがキツすぎてブン投げた回ですけど、ここで佐々木君が藍野伊月に事の顛末を話すというのは、藍野伊月が佐々木君を許してホワイトナイトを託すために必要なこと、つまり佐々木君にとっての禊だったんですよね。まあ藍野伊月はズレた天才なので、ちょっと思ってたのと違うんですけど。
2020-08-03 19:11:40ここで漫画家漫画なら、佐々木君は2話の終わりでした「ホワイトナイトをそのまま読者に伝える」という決意に対して、何らかの変化や迷いが発生すると思ってたんです。思ってたんですけど4話。佐々木君、何にも変わってないんですよね。
2020-08-03 19:12:49あの燦々たる才能を目の前にして、しかも藍野伊月から託す宣言をされて禊を終わらせたはずなのに佐々木君は何も変わらなかったんです。ただ、ここで藍野伊月は佐々木君のアシスタントになったので、佐々木君に助言できる立ち位置に収まりました。やったね。
2020-08-03 19:14:164話では「絵」が主題になりました。これまでには佐々木君の「構成力」、ホワイトナイトの圧倒的な「ストーリー」が出てきたので、「絵」が主題になるのもおかしくはないです。
2020-08-03 19:15:13佐々木君は4話で未来のホワイトナイトをそのまま描いているわけですが、それに対して(よく分からない)魂が乗っていないと迷い、そして未来の原作者である藍野伊月が満足していないことを知るところで終わるんです。
2020-08-03 19:16:52普通ね、漫画家漫画だったら次の5話って漫画家としての能力を活かして、未来のホワイトナイトを越える話になるはずなんです。でも、現実に何が起こったかみなさん知ってますよね?そう、セリフもコマ割りも構図も何も変えず、佐々木君テイストの絵で描いた「俺なりのホワイトナイト」が答えです。
2020-08-03 19:18:01どう考えても、漫画家漫画だったらこの展開はおかしいんですよ。佐々木君の漫画家としての能力は1話から触れられていたし、なんなら読切のホワイトナイトは「未来のジャンプを一回読んだ佐々木君が読切用に変換したもの」なんですよ。
2020-08-03 19:19:31これは10話で分かったことですが、ホワイトナイトは「透明な作品」を目指して作った作品なので、その「透明」を打ち破るのはこの読切版のホワイトナイトにあるのかもしれない。でも、この考え方は漫画家漫画としての考え方ではなくって、もっと別のミステリとかそういう考え方なんです。
2020-08-03 19:20:48そういう訳で、今週の話に戻れば佐々木君の46話以降のホワイトナイトに描写が与えられないのは自明なんですよ。作者が描きたいところはそこじゃないんです。
2020-08-03 19:22:27でもタイパラって、描かれている解像度が作者の伝えたいところの周りは尋常じゃないくらい高いんですよね。それは、4話の藍野伊月のフキダシ特殊効果であったり、10話の藍野伊月のヘアピンが妖怪と出会ってから変わったりしているところとか、明らかにそういう設定を垣間見えるところはあるんです。
2020-08-03 19:25:51そういう意味で、漫画家漫画としての描写がこれほど薄味である意味っていうのは作者がそういうことをしないっていう宣言に等しいと思うんです。いつぞやの富くじ問題だって、結局ホワイトナイトの収益に手を付けないっていう佐々木君の説明に使われただけですから。
2020-08-03 19:27:16こういった「状況やキャラ心情の説明」はおおよそ物語を読むうえでのフレーバーであり、悪く言えばノイズですよ。そこに惑わされてはタイムパラドクスゴースライターを読めないと思います。
2020-08-03 19:28:42だいたい以上のツイートが、タイムパラドクスゴーストライターが漫画家漫画ではなく、だからこそ今週のホワイトナイトで上位を取れていたことに対してまともに描写がなかったことに対する私の考えです。
2020-08-03 19:30:25現状説明すべきは、佐々木君が未来のホワイトナイトをそのまま描くこと、もしくは未来のアイノイツキをトレースするだけでは勝てないことだけです。
2020-08-03 19:31:43だってその答えは11話にあったじゃないですか。藍野伊月は「透明な作品」を突き詰めた結果、個を失って死の源流にのみ込まれたんです。自らの居場所を手に入れるために始めた創作活動の結論が個を無くすことに繋がっては本末転倒。未来のアイノイツキも、現代の藍野伊月もだから死んでしまった。
2020-08-03 19:33:35