大山純さんの半生

大山 純 @OJ_Japan

バンドやめて1年ちょっと。バーのカウンターで飲んでた。ここのマスターも同じ年で、バンドやってる頃から良くしてもらってた。ライブも何回か見にきてくれてた。もう一人いたお客さんが帰ってマスターと二人になる。で、マスターが意を決したように言う。「大山さん…ライブ、しましょうか！」

大山 純 @OJ_Japan

「はいっ!?」「この店貸し切って…」「ちょっとやめてよマスター(笑)俺もう音楽やめたの!!」「昔はたまに歌ってくれたじゃないですか。」「勘弁してくれ…」「ここのお客さんだって…」「ほら、俺ギター持ってないし(笑)それに…」「うるせぇ！やれよっ！出禁にするぞっ!!」

大山 純 @OJ_Japan

「宣伝しときます。一ヶ月後、ここで。」「…」なんだか良くわからないうちにライブをしなきゃいけない事になった。俺に対してイライラしてたんだろうか？マスター。

大山 純 @OJ_Japan

楽器がない。…どーすんべ？しかし、何とかなってしまうのがバーの良いところでもあり悪いところでもある。「あ、大山さんライブやるの？じゃあ俺のギターあげるよ！むかーし買ったきりFが弾けなくてやめたやつ(笑)でも…弾けるの？」「わかんねっす。」

大山 純 @OJ_Japan

「なんか高いヤツだった気がするよ、アコギで…MだかNだかつくメーカーの…」「…モーリス？」「あ、多分それだわ。」マジかっ!?「よーし、面白くなってきた。新しい弦も俺がプレゼントしてやろう！今度持ってくるねー。」

大山 純 @OJ_Japan

モーリスじゃなかった…なんかモーリスのロゴに似せて、ノーイズだかノーリーズンだか書いてある。思わず吹き出した。ホレ！とギターを差し出される。弦かえてチューニングもできてるぜっ！余計な事を…心臓がバクバクする。嫌な汗。嫌な記憶。しかし、もし、もう一度弾けるなら…意を決して手に取る。

大山 純 @OJ_Japan

ギターを構えて深呼吸。自分が落ち着くのを待つ。…よし、大丈夫、多分大丈夫だ。…で、どーしたら良いんだっけ？弾ける曲、曲…ない！つーかわかんない！えーと、そうだ！C 弾こう！C で良い！皆が最初に覚えるであろうコードをジャラーンと…弾けた、っつーか、弾けない訳がないんだが…。

大山 純 @OJ_Japan

自分の意思で音を出した、とでも言うべきか…うまい表現が見つからないんだけど。なんかC 弾いただけで嬉しくて、へにゃへにゃになった。「も～っチューニングあってないっすよー！んもーっ！」とか言った。どうやら体も嫌がってない。なんとか、弾けるっぽい、かも！