サマーメモリーズ

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ097】総合商社グリトニルを出た僕は、睡蓮交差点の北東側の歩道に立っている。多くの人々が騒然としながら、立ち尽くしている。断続的に揺れが来る。夏の日差しは益々強くなる。さてどうやって家に帰ったものかと考え、あらためてそれぞれの方角を見てみた。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ098】まず東方向を見てみた。僕は、東方向からバスに乗ってやって来たんだ。今いる歩道が伸びる先にあるビルが大きく傾き、幹線道路をまたいで向かいのビルに寄りかかっている。ビルの周辺には人が集まっている。東に行くにはあのビルをくぐらなければならない。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ099】次は南方向を見た。横断歩道を渡った先に大きなアパレルメーカーのビルがある。『プリンシパリティーズ』という女性向けファッションブランドの会社だ。ビルの外壁には大きなガラスが使われている。その先は渋滞する車の列だが、進むことはできそうだ。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ100】今度は西方向を見た。数十メートル離れたところに僕が乗っていたバスが急ブレーキで停まったままになっている。バスの前にはたくさんの車とビルの上から落ちてきた看板が道路を塞いでいる。街路樹も押し倒され、所々に炎があがっているのが見える。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ101】最後に北方向を見た。今いる歩道が北側に伸びておりその先には、５～６ｍの切り立つ大きな断層が見える。そこで道路が、いや街が分断されているのだ。バスが断層の上にひっかかっており、今にも落ちてきそうだ。あの断層を登ることなどできそうにないな… #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ102a】僕は考えた。どの方向へ行くべきか… /→選択肢1:来た方向に戻るべき。傾いたビルが寄りかかる東へ行く。 /→選択肢2：外壁に大きなガラスを使ったアパレルビルの横を通り南へ行く。 /*選択肢3～4へ続く #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ102b】睡蓮交差点脇の歩道に立ち、僕は考えた。どの方向へ行くべきか… /→選択肢3: 乗ってきたバスが停まっており、車と看板と街路樹が立ちふさがる西へ行く。 /→選択肢4:切り立つ断層が行く手を阻む北へ行く。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ8/14前回まで1】就活中の僕は面接を受けるためこの街にやってきた。目的地に到着直前、巨大地震が発生。オフィス街にある公園に逃げ込む。断続的に地震が発生する中、飲み水を確保し、面接を受けることになっていた会社へ行ってみることにした。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ8/14前回まで2】会社のエントランスは面接を受けにきた学生たちでいっぱいだ。僕は交通費をもらい、そこで知り合った就活中の学生にも交通費がもらえることを教えてあげた。その後、社員らしき男性から地震の状況を得る。そして再び外へ出た。(ここで選択) #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ8/14前回まで3】なんと！選択肢3：乗ってきたバスが停まっており、車と看板と街路樹が立ちふさがる西へ行く。 RT @e_isk: 102集計・・・選択肢1→4票、選択肢2→5票、選択肢3→10票、選択肢4→5票 投票数が過去最高の24票です! #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ103】僕はあらためて西を見た。数十メートル離れたところに僕が乗っていたバスが急ブレーキで停まったままになっている。バスの前にはたくさんの車とビルの上から落ちてきた看板が道路を塞いでいる。街路樹も押し倒され、所々に炎があがっているのが見える。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ104】僕は、自分が乗ってきたバスの様子をもう一度見てみようと思った。その上でバスの前方を塞いでいる自動車やビルから落ちてきた看板、燃えている街路樹なども見てこよう。僕は横断歩道に足を踏み出し歩き始めた。しかし、すぐに立ち止まった。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ105】僕は振り返り、自分が面接を受けることになっていた会社の社屋を見上げた。「また、ここに戻ってくるんだ」そう心の中でつぶやき、前に向き直ると、横断歩道を東から西へを渡り始めた。動けない車の間を縫いながら進んでいく。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ106】通りを渡っている時にまた揺れが始まった。今度の揺れも長い。その時、南の方で悲鳴が上がる。声がする方を見ると、ここから南へ数十メートル離れたところにあるビルが一つねじれるように傾いているのが見えた。ビルはさらに傾くと道路を覆うように倒れこんだ！ #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ107】倒れたビルの辺りには大量の砂埃が舞い上がる。僕は呆然と倒れこんだビルを見ていた。周囲の人も固唾をのんで倒れたビルを見ていた。そして揺れが遠ざかっているのに気づく。揺れが収まってから数秒後に皆が一斉に話し始めた。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ108】横断歩道を西へ渡り、歩道を歩いていると、オレンジ色の上着に落ち着いた茶色のスカートをはいた若い女性が漏らしたひとり言が、耳に入った。「あの子たち、うちの生徒だわ… 登校もせずにこんな所にいるなんて…」女性の声にはあきらめたような響きがあった。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ8/15前回まで1】就活中の僕は面接を受けるためこの街にやってきた。目的地に到着直前、巨大地震が発生。オフィス街にある公園に逃げ込み、飲み水を確保する。その後、面接を受けることになっていた会社へ行ってみることに。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ8/15前回まで2】僕は会社で交通費をもらい、そこで知り合った就活中の学生にも交通費がもらえることを教える。社員らしき男性から地震の情報を得て、再び外へ。もう一度乗ってきたバスの様子を見ようと西方向へ歩き始めた。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ109】「あの子たち、うちの生徒だわ… 登校もせずにこんな所にいるなんて…」とつぶやいたのはオレンジ色の服を着た若い女性だ。僕は思わず足を止めた。彼女の視線の5、6メートル先に女子高生達がいる。先ほど地震が起きてるのに、はしゃいでいた二人組だ。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ110】若く見えるが学校の先生だろうか? 生徒たちに注意でもするのかと見ていたが、オレンジ色の服の女性は、小さなため息を一つついただけでとり立てて何をするでもなく、二人組の高校生の様子を心配そうに、そして呆れたように見ているだけだった。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ111】僕は進展しそうにないので再び歩き始めた。オレンジ色の服の女性の横を通り前へ進んだ。そして高校生二人組の横を通り抜けようとした時、二人組の会話が耳に入ってきた。「あの先公、また血相変えて探してんじゃねぇ?」「あいつ、いちいちウザい…」 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ112】僕は内心「聞かなきゃよかった」とバツの悪さを感じながら二人組の横を通って車道を南に渡り始めた。何となく彼女達のことが心にひっかかった。先公ってあのオレンジ色の服の女性のことだろうか… あまり生徒達に好かれていないのかな… #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ113】僕は車道を渡り終え、歩道を西へ歩き始めた。この時点で彼女達への関心は一気に薄れた。歩道の右手車道に停まっている「あのバス」が目に入ったからだ。ジャリジャリ、歩道に散らばったおびただしい量のガラスを踏みしめながら僕はバスに近づいて行った。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ8/16前回まで1】就活中の僕は面接を受けるためこの街にやってきた。目的地に到着直前、巨大地震が発生。オフィス街にある公園に逃げ込み、飲み水を確保する。その後、面接を受けることになっていた会社へ行ってみることに。 #zzsm

九条一馬 @kazuma_kujo

【サマーメモリーズ8/16前回まで2】僕は会社で交通費をもらい、そこで知り合った就活中の学生にも交通費がもらえることを教える。社員らしき男性から地震の情報を得て、再び外へ。もう一度乗ってきたバスの様子を見ようと西方向へ歩き始めた。 #zzsm