メモとして：Twitter社が警告ラベルを付けた黒瀬深氏の大統領選デマツイートについて（BuzzFeedファクトチェック後の言い訳まで）

・黒瀬氏「不自然なほどバイデン氏の票が増え」「怪しいので州兵が集計作業に参加」：誤り

「CNNやFOXニュースによると、不在者投票用紙の印刷ミスがあり、機械で読み取ることができる正しい用紙に転記する作業を手伝うため、20人の州兵が動員された。ミスがあった用紙は13500人分と推測されているという。」

2020/11/6 BuzzFeed

とうとうTwitter社から警告ラベルによって「水を注がれてしまう」ことになったホラ吹き黒瀬さん

※ちなみに「寝耳に水」は「寝耳に水が入る」の略なので黒瀬さんの「寝耳に水を注ぐ」は敢えてなんでしょうけど、黒瀬さんもあとから「寝耳に水」を除いて使うところは「水をさす」の方が良かったかもしれませんね。

フロリダ

→「30万の投票用紙が行方不明」：「全く疑惑の中身を理解しておらず、的外れな主観の押し付け」によって進化させたデマ

そもそも「30万の投票用紙」の話はフロリダだけでなく「12 postal districts（12の郵便地区）」についての話だった。

おまけに

「There's no evidence that hundreds of thousands of ballots went undelivered. While there were roughly 300,000 ballots that did not have delivery scans, that doesn't mean they weren't delivered. 」
何十万の投票用紙が行方不明になったとする根拠はありません。配達スキャンがなかった投票用紙は約300,000票ありましたが、それは配達されなかったという意味ではありません。（Google翻訳）
Paul P. Murphy (CNN)『Fact-checking the unfounded claim that USPS lost 300,000 ballots』2020/11/5 WESH2

「Postal officials say just because a ballot never received a final scan before going out for delivery doesn’t mean, necessarily, that it wasn’t delivered. A machine scanning ballots for final processing can sometimes miss ballots that are stuck together or whose bar codes are smudged. And hand-sorted ballots typically do not receive a final scan before delivery.」
郵便当局は、投票用紙が配達に出かける前に最終スキャンを受け取らなかったからといって、必ずしもそれが配達されなかったことを意味しないと言います。最終処理のために投票用紙をスキャンする機械は、くっついている投票用紙やバーコードが汚れている投票用紙を見逃すことがあります。また、手作業で選別された投票用紙は、通常、配達前に最終スキャンを受けません。（Google翻訳）
NY TIMES2020/11/2

アリゾナ

→「集計機が読み取れない油性ペンを共和党員に配布する人物が」：デマ

「アリゾナ州で３日投票の米大統領選を巡り、マーカーを使った投票が無効になるとの誤った情報がソーシャルメディアで拡散し、抗議活動や訴訟に発展している。同州のブルノビッチ司法長官や国土安全保障省幹部は５日、投票は無効にならないとデマの否定に追われた。
（中略）
ブルノビッチ氏はマリコパ郡の当局者と連絡を取り、シャーピーのマーカーの使用はアリゾナ州の有権者から投票権を剥奪（はくだつ）することはないと明言した。」

CNN『「シャーピーゲート」、マーカー使った票は無効とのデマを州が否定　アリゾナ州』2020/11/6

ミシガン

→「ウィスコンシンと同じくバイデン票が不自然に急増」：デマに騙された人による勝手な思い込みによる「主観の押し付け」デマ

まずは、

・新型コロナの影響によって多くの州で「感染懸念」を理由に郵便投票を使えるように制度改正が実施された（2020/8/11 JETORO

・使い易くなったため今回の大統領選は期日前投票や郵便投票が急増した（2020/11/4東京新聞・2020/10/27西日本新聞 ほか）

・期日前投票や郵便投票は多くバイデン票が多いと予想されていた（CNN2020/11/3）
→トランプが〈マスクなんていらない〉〈新型コロナは大したことない〉と言ってきたことも関係してるかもしれませんね

ということを理解しましょう。

そしてその結果、

「バイデン氏は4日にウィスコンシン、ミシガンで勝利を確実にした。いずれも白人労働者層が多いラストベルト（さびた工業地帯）の激戦州で、当初は投票当日分の票で優勢なトランプ氏が先行した。新型コロナウイルス対策で増えた郵便投票の開票が進むとバイデン氏に逆転を許した。」（日経2020/11/5）

という事態となりました。

黒瀬ミシガン発言の内容についての検証詳細は下記、もしくはBuzzFeed2020/11/6記事（まとめ冒頭の記事のこと）を参照のこと。

トランプが〈郵便投票の不正〉を語っているなか、郵便投票にバイデン票（民主党支持）が多いことは事前から予想されていた（どちらが先なんでしょうね）

「民主党支持者の90％が郵便投票を支持した一方、共和党支持者は20％にとどまった。実際の投票については、約半数（49％）が郵便投票を利用する可能性があると回答した。」
2020/8/11 JETORO

そんなことも知らずに（もしくは意図的に無視して）大統領選を語るどころか、デマまでばらまく人の「何がヤバいか」、そしてどうしてTwitter社が警告ラベルをつけたのかを考えてみましょう。

ちなみにこの黒瀬深氏の「何がヤバいかって」、2020/11/6 19:24:43~19:34:56に「リプで教えていただ」くまで、つまりこのまとめ収録の大統領選デマツイートをしている時点では、民主党副大統領候補が誰かも知らなかったこと。

この方がそもそも大統領選に何の興味もなく、アノニマスポストのツイートかなにかを見ても「全く疑惑の中身を理解しておらず」、ただその「疑惑」という体裁のデマに乗っかっただけの「的外れな主観の押し付け」をしていただけなのがよくわかりますね。

BuzzFeed2020/11/6ファクトチェック記事後の言い訳