【怪2011~全然妖し~】 大変なご好評頂いております。
あれは私が小学生の頃のことでしてねぇ。土曜の夕暮れ 遊び呆けた私は 家路を急いでいました えぇ そりゃァもう全速力でさぁ へへ。すると家までの道の最後の角に差し掛かったとき 地面に なにやら見たこともないおかしな物体があるのに気がついたんでさぁ えぇ… #ZZ連載
2011-07-18 04:09:36急いでた、あっしも思わず目も足も止めたってんだから、その奇異なもんのインパクトときたら えぇ ヘヘッ…。ただ、あっしもまだ子供だったんでしょうねぇ 怖がりながらも好奇心が コイツがどうにも押さえられねぇんですよ えぇ #ZZ連載
2011-07-18 04:12:03次の瞬間には コイツを指で つまみあげてたんですよ ヘヘッ…。 するってぇと コイツがどうにも わからんヤツで えぇ あたしゃ コイツを手放すべきかどうかさえ 検討もつきませんでしたわ えぇ… #ZZ連載
2011-07-18 04:14:04どんなもんだったかって?そりゃァもうクラゲみたいな、なんともおかしなもんでしたわ えぇ…しかしまぁ、面白いもんを拾ったら、親に見せたくなるってのはどうでしょう?万国共通なんじゃぁございませんか?ヘヘッその奇妙なもんを握りしめて、あっしは再び家路を急いたんでさぁ えぇ。 #ZZ連載
2011-07-18 04:15:52不思議とこの時には、とっくに日が暮れて、初めて見るような深い深い暗闇があっしを待ち構えていたんですわ えぇ…あっしは、そりゃぁもう、急に怖くなって、さっきまでの好奇心を後悔しながら、脇を締めて、小さくなりながら薄目を開けて、走り抜けましてねぇ えぇ。 #ZZ連載
2011-07-18 04:17:39よくも車にも轢かれずにいられたもんですよ、本当に ヘヘッへへ ゲフォッゲフォッ ぇえぇ。靴紐がほどけても、構わず進みましたよ。 #ZZ連載
2011-07-18 04:19:36それ程になにやら 妖しと言うか、なんというか、こう…子供ながらに、不気味な温度のようなものを、感じたんでございます。どうか笑ってやっとくんなさいな ヘヘッ… #ZZ連載
2011-07-18 04:20:42家の明かりが見えた時、ここまで街灯が感じられなかった事に気づきましてねぇ えぇ。混乱しましたがそのまま、えぇ、家に転がり込むつもりが、こんな時に限って鍵がかかってましてねぇ、よっぽど腕に力が入っていたんでしょうねぇ。ポケットから鍵を出すのにたいそう時間がかかりまして。 #ZZ連載
2011-07-18 04:21:45実際は30秒も掛かってないのでしょうが、たいそう長く感じましたわぁ、えぇ ヘヘヘ。家に入ると煮物やなんやの香りがしてましてねぇ えぇ いつもの日常に あっという間に戻れたのは自分でも意外でしてねぇ ヘヘッ。 #ZZ連載
2011-07-18 04:24:01母親が「…もうすぐごはんだよ…」なんて言うもんだから、あっしは例のものを思い出しましてねぇ えぇ、母親にそれはもう誇らしげに差し出したんでさぁ。ところが、明るい家の灯りのもとでも コイツはあっしには何だかよく分らないものでしてねぇ えぇ… #ZZ連載
2011-07-18 04:25:41ただ 母親はコイツを さっと、アっしの手のひらから掴みとると、何やらもう一品つくりはじめたんでさぁ へっへ ゲフォッ うちの母は 料理を作るのだけは早くて 決して旨くはなかったんですがねぇ ヘヘッ これは、話が逸れちまいましたねぇ ヘヘッゲフォッ。 #ZZ連載
2011-07-18 04:28:48食卓に着くとまもなく あっしの前には、好物の卵とじが運ばれてきましてねぇ、へへ 例のモノが、しっかりと、とじられてましたわ えぇ。取れたてをすぐ調理して食べるなんざぁ、そりゃぁもうおつなもんですよヒヒ…「頂きます!」あっしがそう発した途端に、 #ZZ連載
2011-07-18 04:30:45