あの日を____茜ちゃんの死を境に、幸運なことにもピタリと苦手な属性の敵が当たることはなくなった。 だから、9日目も、10日目も...敵の属性が被らなかった。
2020-12-19 17:26:58...なのに、11日目。私たちは、またここに呼ばれた。 よくわかっていないまま、何も説明を受けないまま...また始まりの合図が出て、敵とまた戦って。
2020-12-19 17:27:44...今日は雷だった。昨日は炎。 更にその前が確か水、恋、炎、水、木、炎、木、毒、雷、毒、恋、....... 後はもう、よく覚えていない。
2020-12-19 17:30:02属性が苦手なものじゃないからって襲ってこない訳じゃない。むしろ、一つもライフが失わない___ギリギリ死なないくらいの激痛を耐えるのを続けるこっちの方が、タチが悪い。
2020-12-19 17:30:31「今日も、なんとか乗り切れた...」 恐る恐る横を見ると、きずなちゃんが血を吐きながら倒れている。最後、すみのことを庇ってくれたせいだよね...
2020-12-19 17:32:54「大丈夫...、じゃ、ないよね、」 「ううんっ、大丈夫よ!」 急いで起き上がった彼女の表情は、無理して笑っているのがわかるほど苦痛に満ちていて。こんな風にさせるほど、すみはやっぱり頼りないのかな。
2020-12-19 17:34:20「そんな、無理、しちゃだめだよ...頭から血が、流れてるもん..ごめんね、すみのせいで...」 「えっ...?あぁ、きにしないで!これくらいなんてことないわよ。なんたってあたし、お姉さんだもの!それに明日見を守れてよかったわ!」
2020-12-19 17:35:22「ってあ、あれ...明日見の足...折れているの...?」 「す、すみも大丈夫!折れてない...!」 ほんとは、う、嘘だけど...心配かけるわけにはいけないよね、どうせまた起きたら治ると思うし... 「そう!それならよかったのだわ!でも痛々しいし、しっかり自分の心配もしなさいよね!」
2020-12-19 17:36:52「ご、ごめんね...今日も、お疲れ様。きずなちゃん」 「お疲れ様、明日見!って...ああああああああああああああぁぁ忘れてた!!!」 「...っ!?」 急に叫び出すきずなちゃんに思わずびくっとしてしまう。 「ど、どうしたの..?」
2020-12-19 17:39:50「宿題!来週提出の宿題終わってないの!!!」 「あ、そうだ!!今日、明日見の家に行っても良いかしら...!気分転換で勉強...みたいな!!」 いつもみたいに明るく振る舞っていたから拍子抜けしてしまったが、同時に思わず笑みがこぼれた。
2020-12-19 17:42:26「もちろん、いいよ。いっぱいお菓子作って、待ってる」 そう言って笑いかけると、きずなちゃんは安心したように瓶を一振りして煙に包まれる。 「ありがとうなのだわ...じゃあ、またね!」
2020-12-19 17:44:09