【まとめ】起承転結リレーツイノベ【アイスのあたり】

にゃる翠丸＠不羈奔放のﾍﾞｸﾀｰｷｬﾉﾝ @nyarukamini

【起】ただの都市伝説だと思っていた。だが、確かにその刻印はあった。手にしたアイスの棒には“あたり”の文字が。人生で初めてじゃね！？だが、なんとなく納得いかないのは、その“あたり”の出たアイス、まだ一口も食べることなく足元に落ちてしまっていることだった。もうかなり溶けてしまっている

江田・Ｋ【小説書き】 @koudakei

【承】棒を持った手は微かにベトついていた。まあ、あたりが出たのだから、もう一本貰ってくればトントンだ。アイスを買った駄菓子屋に行き、超高齢のばあちゃんにあたりの棒を差し出すと、ばあちゃんは「！？」驚きのあまり、白目を向いて倒れた。「えっ」そんなに珍しいのか。ていうかどうしよう。

秋月蓮華 @akirenge

【転】「お婆ちゃん！」孫娘らしい少女が自転車から降りて来た。一緒にばあちゃんを店の奥へと運ぶ。「どうして……」「何かアイスであたりがでたから」僕はアイスの棒を見せた。「あたりが！？」酷く驚かれた。「このアイスはあたりが出たら願いが一つ叶うとか言われている……」ちょっと待て。

嶺上律菜 @ritsuna_mine

【結】俺は人生の成功を願った。冗談のつもりが、宝くじが当たり、伴侶が出来て、不自由ない人生を送り、老衰で死んだ。しかし、気がつけばあの駄菓子屋の前にいた。地面に落ちたアイスは解け切ってもいない。先ほどまで見ていたのは「……邯鄲の夢って奴？」棒の文字はハズレに変わっていた。