富野作品演出・逆襲のシャア アムロ編と、シャア編
⑨サザビー、ビームサーベル2刀流。νガンダム、メインビームサーベルでの斬り合い。サザビー怒涛の剣戟で、ν左手のサブビームサーベル損壊。ν、バルカンで牽制するも腹部拡散メガ粒子砲で迎撃される。が、パワーダウンで予定の威力が出ず痛み分け。「パワーダウンだと!?」
2011-08-30 11:38:09⑩アムロ、逃げながらギラ・ドーガからライフルを奪う。その後、ガンダムから降りてアクシズ内部へ。シャア、パイロット不在のガンダムを破壊せず、自分も倣ってアムロ追撃。⑪DJアムロによるラジオ番組(違)『Disり合い宇宙』。その後、本人同士の撃ち合いから両者乗機へ。
2011-08-30 11:39:06⑫νガンダム、奪ったライフルの1発でサザビーの腰部装甲破損、直後のサーベルの反撃で奪ったライフルが破壊。更なるνのサーベル攻撃でサザビー右手サーベルが破壊。サザビーのトマホークでνの股間部装甲破損。νガンダム、キックでサザビーのファンネルラックが片方脱落。
2011-08-30 11:40:13⑬「サーベルのパワーが負けている!?ぬううっ!」νガンダム、サザビーのトマホークごと左腕を切断。サザビー、右パンチと左ミドルキック?でνガンダムのメインサーベルを喪失させる。晴れてお互い丸腰。五体満足な分、アムロに有利な状況。νガンダム怒涛のラッシュ→「モニターが死ぬ、何!?」
2011-08-30 11:41:17⑭「何、戻れというのか。ナナイ!男同士の間に入るな!!」気を取られた隙に、νガンダム背後からの一撃。アクシズ岩盤に叩きつけられサザビー撃破。脱出ポッド射出するも、アムロに捕らえられる「逃がすかよ!」…と一応ここまで。
2011-08-30 11:41:43『比較①段階① ギュネイ&クェス戦までを踏まえてのシャア戦』 以前にも述べましたが、アムロがアクシズを追撃する傍らという姿勢に対し、ギュネイはクェスの助力を頼みにしても、アムロのνガンダムに対して、有効打らしい有効打を与える事が出来ませんでした。
2011-08-30 11:42:28このアムロの姿勢はシャアと接敵してからも基本的に変わりなく、当初はシャアを撃墜するよりもアクシズの落下阻止を優先すべく、逃げのスタンスを取ろうとしています(4番艦撃沈の辺りや、アクシズのノズルを止めるなどの辺りまで)。これは作戦目的に合致しており、理解できる行動です。
2011-08-30 11:43:21しかしそれはギュネイ達相手では許されても、シャアは許しません。実際近距離の射撃が避けられ(①)、奇襲のバズーカは防がれ(②、③)、ファンネルの迎撃は巧く行かず(④)、シャアの攻勢に抗しきれずに、ライフルを破壊されたアムロは(⑦)シャアと正対し始めます(⑧、⑨)。
2011-08-30 11:44:20ネオ・ジオン軍の波状攻撃より、サザビー1機の方が脅威であるという流れ。ケーラを迎撃出来たギュネイ、ギュネイがクェスと協力しても迎撃出来ないアムロ、そのアムロを迎え撃てるシャア。ケーラ>ギュネイ>(大きな壁)>アムロ≒シャアという構図が作中で順を追って示されている訳です。
2011-08-30 11:46:05『比較② ではシャアは弱いのか? VSジェガン部隊』 加えて更に、作中ではもう一つ比較の場面が用意されています。アムロがアクシズを追撃しながらギラ・ドーガ部隊などを一蹴したように、シャアもアムロを追撃しながらロンド・ベル隊のジェガン部隊と交戦をします。
2011-08-30 11:47:47「ガンダムは何処だ!(探してる)」→「ラー・カイラムに上陸された?(状況把握)」→「ノズルを止めた!(この乱戦でそんな真似できるのは奴しか!)」→「アムロ…これ以上はやらせん!」と言う一連のシャアの台詞が、アムロを追撃せんとする様子を表しています(⑤)。
2011-08-30 11:48:31ジェガン部隊はラー・カイラムのメラン副長の指示で迎撃を掛けますが、サザビーを毛程も足止め出来ずに5機全機が瞬殺されます(⑥)。アムロに出来る事はシャアにも出来る。アムロとシャアが対等である事を表現する為、用意された場面であると推察出来る訳です。
2011-08-30 11:49:44「シャアって雑魚にだけは強いよね」と言う人も居ますが、それならば対抗馬ポジションにカミーユでもジュドーでも強キャラ当てて、シャアの引き立て役に出来たらしいと言うのは、次のソースや徹底して比較しようとする表現方針から読み取れるかと思います。http://t.co/iJNBFK4
2011-08-30 11:51:37「(カミーユなどは)予算の問題で出せませんでした。でも、好きな人はあまり出したくないとも思ったんです。カツみたいになってしまうから」そこの意図を理解出来ているならば、これにはカミーユとかは要らないなって思います。当て馬は一般兵のジェガンで良い。これはアムロとシャアの物語だから。
2011-08-30 11:52:22『段階② シャアが負けるまで。負けたシャアから読み取れる事』この作品は、@highland_viewさんの記事(http://t.co/1bNAGsb)や、監督の談話や実際の映像にもある通り、νガンダムでアクシズを押すというのが最終の構図に来る作品です。
2011-08-30 11:53:13その為、シャアは負け、サザビーは壊され、νガンダムは五体満足のままアムロが勝利するという手順を踏まないと成り立たない為か、シャアとファン(今回の結果はこうでも、アムロとシャアは互角と信ずる人々)に対する数々のフォローが作中に散りばめられています。
2011-08-30 11:53:515thルナ落としから、追撃艦隊の陽動。次はアクシズ入手から始まり、ルナツーとアクシズ襲撃と実際のアクシズ落としまで。シャア自身はアコギな行為だと嫌気さしてますが、作中の戦略は終始シャアがリードしており、ロンド・ベルやアムロは連邦の無能さもあって常に後手後手です。
2011-08-30 11:54:39また、作品開始時点で最新鋭機サザビーを作らせるコネクションを持つシャアと、量産試作機リ・ガズィを調達出来るのが精々のアムロ。νガンダムも性能は高いでしょうが、NT同士の交戦を考慮すると、サイコ・フレームの技術提供が無ければどうなっていたか解らないという裏方話。
2011-08-30 11:55:19ナナイの割り込みに気を取られて撃破されたという、シャア個人とは別の所に決着の要点があったこと(⑭)。この3点も@highland_viewさんに全くの同意見です。先のVSジェガン部隊も加えて4点。他にもあるかもですが、バランス取りと言う意味で、素晴らしいと思います。
2011-08-30 11:55:51結局資質では対等以上のシャアですが、非情には成りきれずアムロに固執しガンダムだけを破壊することが出来ない(⑩)。その甘さを、別の意味で甘ちゃん日和見だと思っていたアムロに指摘され、感情的な反論は出来ても本質的な言い返しが出来ず、人として圧倒されて行く(⑪)。
2011-08-30 11:57:03最終的にはパワーダウンした機体と、精神的に圧倒された中身の人間というコンビは、『映像の原則』の論理で言えば下手(主に左側)に回ることとなり、劣勢に追い込まれていきます(⑫、⑬)。この辺も、作品の根幹に関わるテーマだけに順序立てて劣勢に追い込まれる様が表現されます。
2011-08-30 11:57:52それでもただやられるだけにならず、股間部をトマホークで溶解させ、サーベルを蹴り飛ばす。作品の終着点を覆すことは出来ないまでも、悩みながら足掻いて戦うシャアの姿には、執念は人並み以上に有るのだなと言うのが感じ取れ、個人的に感動を覚えますが。
2011-08-30 11:58:57単純な大迫力MS(ロボット)バトル映像ではなく、様々なメッセージが読み取れる作品である事が言えると思います。それが今もなお、私を含めて熱狂的なファンを形成する理由でもあるのでしょう。この映像も、私と違った方向であったり、私より広く深く読み取れる人は沢山居ると思います。
2011-08-30 11:59:46そのメッセージを織り込む為に、作品考証としてはリアルではない所もあると思いますが、それで良いと思っています。大事なのは上手に嘘を付いて、人の心を刺激して。それを踏まえた上で、今までに固執するのではなく、新しい+αを付け加えた何かを作りたい、と人に思わせること。
2011-08-30 12:00:52