(おかんまとめ27)朝の三分小説~おかん~(人生の夏休み編)

おかん434からおかん446まで。  なんというかまあ、タイトルの通り。 「人生の夏休み」って感じの話です。  おかんという作品は夏になると胡乱な連中が集まって夏合宿を始めるという妙な特徴があるのですが、今回もそのカテゴリ。「夏合宿」回です。  …が、そう一筋縄ではいかないのがやはりおかん。なんと夏合宿をするメンバーが集まりません。なんてリアルなんだ。 続きを読む
0
カメックスシ @agodenderu

おかん434 今年もおかんは強化合宿の聖地(だと勝手に思ってる)白樺湖に居た。 「今年も恒例の強化合宿をしようと白樺湖に来たが、私とムーンライトさだみつ以外誰も来ていない。これは一体どういう事だ」 「みんなそんなに暇じゃないんだよきっと」 「そんな訳あるか、全員捕らえてやるぞ」

2017-07-18 06:55:35
カメックスシ @agodenderu

おかん435 豊科 ムーンライトさだみつ(大)の実家がある。家の前で能を始める。 「なんですか朝から」 「なんですかじゃない。合宿になぜ来ない」 「僕今年大学受験とかあるんから夏期講座行きたいんですけど」 「大学なんか出なくても(盗賊として)食べていく道はいくらでもあるんだよ」

2017-07-19 06:57:59
カメックスシ @agodenderu

おかん436 「別に就職のために大学に行くわけじゃない。僕の父さんはあれで人造人間研究の第一人者だ。もし何かの間違いで出来のいい悪の人造人間を完成させてしまったらどうだ。だから父さんを越える人造人間を僕が作るんだ」 「あっうん頑張って」 人造人間の話が長くなりそうなので撤退した。

2017-07-20 06:55:38
カメックスシ @agodenderu

おかん437 信濃大町 列車強盗兄弟の家に来た。 「お前達なぜ強化合宿に来ない」 「あれっそんなのやってたのか」 この二人に案内状を出していない事を思い出した。 「あっやっぱりいい、なんでもない。レンタルビデオ返さないといけないから帰るわ」 「???」 おかんは撤退した。

2017-07-21 06:55:02
カメックスシ @agodenderu

おかん438 松本城 ここに「宇宙海賊夏の夕暮れ」の船長のでかいルンバさんが住んでいる。 「えっ船長?船長なら掃除機の展示会に行きましたよ」 答えたのは肩にオウムを乗せた男だ。 でかいルンバさんは展示会される方なのか、それとも見に行く方なのか、それが気になったまま城から撤退した。

2017-07-24 06:56:22
カメックスシ @agodenderu

おかん439 大町市内の公園 この辺りに悪魔神官レザロがよくいるらしい。 確かに公園のベンチには「悪魔神官日給一万円から請け負います」と広告が張られている。 「悪魔神官出てこんか」 「はいっ」 すると悪魔神官レザロは砂の中から姿を現した。 「ひさしぶりだな、おかん」 「おっおぅ」

2017-07-25 06:58:01
カメックスシ @agodenderu

おかん440 「まて、お前の言いたいことは大体分かる」 「じゃあ強化合宿に来い」 「実は明日は長野県悪魔神官展示会があってな、私はそれに参加しなければいけないのだ」 「絶対嘘だろ、さあ来い」 「嘘ではない」 おかんは悪魔神官レザロを引っ張ってセミ男のいそうな北を目指した。

2017-07-26 06:58:13
カメックスシ @agodenderu

おかん441 新糸魚川市 かつての大災害で浮遊大陸となって飛んでいった糸魚川市のあった場所に新しく街が出来ていた。 「すごいなあれは円形闘技場か。水道橋まであるぞ」 この街にセミ男がよく現れるらしいというネットの書き込みを見てここまで来たのだが 「どこに行けばいいんだろう」

2017-07-27 06:56:47
カメックスシ @agodenderu

おかん442 おかんは新糸魚川市をさまよってると大型歌劇場にたどり着いた。 「妙に人が多いなここは」 「それはそうでしょう。ここは長野県悪魔神官展示会の開場なのですから」 「本当にあったのか、それでなんで新潟県でやってるんだ」 「新糸魚川市は長野県民にとっての中立地帯ですからな」

2017-07-28 06:57:41
カメックスシ @agodenderu

おかん443 「あなたもしや悪魔神官レザロさんでは」 一人の悪魔神官が声をかけて来るとみんなよって来た。 「おお、本物のレザロさんだ」 「いやぁサインか寿命ください」 「CD買いましたよ」 彼はその筋では有名人だった。 「えっ何、あんたそんなに人気者だったの、CD出してるし」

2017-07-31 06:53:46
カメックスシ @agodenderu

おかん444 かつての友人がなんとなく輝いてる姿を見て、自分もなんとなく輝きたくなったおかんは共になんとなく輝やける仲間を求めて酒場に行った。 「お前おかんじゃないか」 声をかけて来たのはセミ男、そして木崎湖の女神と武田信玄だった。 「どうしようもない奴らが雑に出てきたなぁ」

2017-08-01 06:55:17
カメックスシ @agodenderu

おかん445 「お前達合宿も来ないでどうしたんだよ」 「実は我々はヒスイを採集しに来たのだ」 糸魚川は日本でも有数のヒスイの一大産地である。 「暇だなぁ」 「最近この三人で始めた力士代行ビジネスで大失敗して九億の借金を作ってしまったんだ」 そこに一台のロボットが乗り込んで来た。

2017-08-02 06:59:10
カメックスシ @agodenderu

おかん446 ロボットはビームを出し始めた。 「借金ヲ返済シテクダサイ」 「ぎゃあああああ」 おかんのなんとなく輝きたい願望はこの有り様を見たことで消滅した。 「やっぱり堅実な盗賊が一番だな」 だがこのニート達が後に長野を左右する重大事件に深く関わるのだ。 「人生の夏休み編」完

2017-08-03 06:57:13
カメックスシ @agodenderu

おかん北信編主題歌 「熱帯夜幻影」 作詞 悪魔神官レザロ 脳を焦がす短い夜が 脳が短い俺を焦がす夜 夜中の三時に 拭いきれない渇きにさ迷う 眷族の足音が聞こえる 移り行く季節に戸惑う お前の横顔は でかい 水分と塩分はこまめにとれよ 闇と光がどうにかなって きっと世界は救われる

2017-08-03 19:15:44