#最果さん俳句にようこそ

最果タヒさんの俳句を評しました https://twitter.com/tt_ss/status/1408614276206456834?s=19
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松本てふこ🌸 @tefcomatsumoto

血を流す鸚鵡追いかけ夕立へ 流れる血が雨に流されていく生臭さが印象的。「追いかけ」「夕立へ」と矢印が畳みかけられているところも逆に閉塞感があり、心がざわつく。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:01:28
高松霞 @kasumi_tkmt

血を流す鸚鵡追いかけ夕立へ 最果タヒ 「血」「鸚鵡」「夕立」という色の移り変わりが印象的。逃げ出した鸚鵡に降っている雨。しかしシンプルに見えて、実は謎のある句なのではないだろうか。鸚鵡はなぜ血を流しているのか、そもそも、はたして、本当に鸚鵡は鸚鵡なのか。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:01:59
高松霞 @kasumi_tkmt

ダリアとして生まれ君の部屋で散る 最果タヒ ダリアは晩夏の季語。「君」が出てくるということは恋句なのか。初句字余りにして「ダリアとして生まれて君の部屋で散る」でもよかったんじゃないかなーと思う。「ダリア」と「散る」が近すぎる気も。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:02:12
石原ユキオ @yukioi

痩せたのは殺されたから蝉が鳴く  最果タヒ 殺されてから痩せることってある……? コンパクトにまとまらなかったので画像を上げます。(マッハ未視聴で書いてます) #最果さん俳句にようこそ #東京マッハ pic.twitter.com/oGPMRFIusf

2021-06-27 21:02:14
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石原ユキオ @yukioi

全く別の読みで、たとえば家畜に痩せてないのと痩せたのがいて、それを「痩せたの」と呼んでる可能性もあるんだよな。

2021-06-27 21:04:38
みやさと @paststranger

〈痩せたのは殺されたから蝉が鳴く〉最果タヒ 痩せた?とは夏の挨拶のようなものだ。しかし主体は既に殺され、あるいは地中で骨の軽さになり、蝉の鳴声だけが響いている。一体誰が誰に応えているのか。夏は常に生と死の境界線を掻き混ぜる。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:03:05
みやさと @paststranger

〈夏が来て性塗り潰し始める死〉最果タヒ 〈塗り潰し始める〉と〈死〉との間に切れがあるものとして読んだ。塗り潰されたのちの、まだらに残る性と、死の間の一瞬の空白、裂け目に落ち込んでゆくような、夏の暗さを想わせる。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:03:05
西川火尖(にしかわかせん) @nishikawaksn17

痩せたのは殺されたから蝉が鳴く 最果タヒ この句では殺されたから痩せたという因果を書き、体が死に置き換わったことを痩せるという変化に託して映像化している。本来ゆっくりであるはずの痩せるという変化がここでは殺された結果として示されるため #最果さん俳句にようこそ #東京マッハ

2021-06-27 21:04:04
西川火尖(にしかわかせん) @nishikawaksn17

時間尺度の急激な縮みを詩的体験として感じることができる。背景には恒常性を志向した蟬の鳴き声を配し、対比が明らかになる。 #最果さん俳句にようこそ #東京マッハ

2021-06-27 21:04:05
西川火尖(にしかわかせん) @nishikawaksn17

夏が来て性塗り潰し始める死 最果タヒ 映像面においては「夏が来て」という少し幼く投げ出した詠みだしから、「塗りつぶし」にクレヨンの黒を想起した。一句目と同じく死に置き換わることをテーマとしており、性は性別、生殖行為どちらでもいいだろう。#最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:05:15
西川火尖(にしかわかせん) @nishikawaksn17

同時に夏が来てと何でもないように言うことは、却って句中における絶対不可避の現実として恐ろしく感じられるようになっている。#最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:05:15
@kon__ssk

ダリアとして生まれ君の部屋で散る /最果タヒ 好き…。擬人化ではなく本物のダリアの景としてまず読みたい。相手の部屋で生を散ってゆくダリアを見ている句の主体は、そこに何割か自分を重ねていて、この部屋に閉じ込められたいと思っているよう。 (東京マッハ未視聴です) #最果さん俳句へようこそ

2021-06-27 21:10:54
ふじみん @fd_m_n

土星より遠くの指輪オペラの輪 最果タヒ 土星よりも遠い指輪を念頭に眼前にオペラの輪がある景色と指輪とオペラの輪が並列的に土星から遠い景色の二つの読み筋がある。まず土星の環を思わせ、属性の違う輪を他にニつ宇宙的に配置する。形状美と音楽的祝祭性の余韻が漂う。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:13:45
西川火尖(にしかわかせん) @nishikawaksn17

血を流す鸚鵡追いかけ夕立へ ここでは夕立が血痕を洗い流し消してしまうことで、鸚鵡を見失い死が確定するイメージがあると思う。これも1句目、2句目に引き続き、生きてるものが死に置き換わるイメージだろう。白い夕立にかき消されるように混ざり消えるという死。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:17:00
西川火尖(にしかわかせん) @nishikawaksn17

追いかける主体は夕立の中、見失うという方法でしか死を認識できない。もちろん句中にはそのことは書かれない。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:17:01
くろみつ=黒澤蜜 @kuromitsu5

#最果さん俳句にようこそ わたしは俳句をやっている人ではないのですが、最果タヒさんの俳句、とても直感的に「語と語との衝突による衝撃を最も重要視している」のだと思いました。意味は取れるかどうかギリギリのところ。短歌だと瀬戸夏子さんの作風に近い。(続く

2021-06-27 21:20:50
くろみつ=黒澤蜜 @kuromitsu5

この方法は技巧その他にほとんど意味がなく、言葉のセンスとそこから前景してくる作者の思想のようなもの一点にかけるやり方で、綱渡りのような緊張感が常に生じる方法です。リスクの高い方法。緊張感が失われたらすぐに失敗する。その点でも現代詩に近いと思います。しかし最初からそれに挑戦した(続

2021-06-27 21:26:46
くろみつ=黒澤蜜 @kuromitsu5

最果タヒさんの詩人としての矜持に敬意を払いたいと思います。詩で見られる最果タヒの言葉の選択の感覚、緊張感と絶望感、それらはツイートの俳句のいずれからも感じられました。つまり最果タヒの詩的世界を定形の中でも展開しようとした作品だと解釈しています。

2021-06-27 21:29:44
西川火尖(にしかわかせん) @nishikawaksn17

さて、ひとまずここまで。でもね、今までそれこそ数えきれないほどたくさん俳句を読んできたからさ、もちろん、短所を見つけて徹底的に叩く評をすることもできんだよ。余白がない点や俳句甲子園では誰もが一度はこだわるモチーフであることを指摘するのも真面目な評だと思う。季語の斡旋や言い回しの

2021-06-27 21:27:02
西川火尖(にしかわかせん) @nishikawaksn17

こなれ、などなどね。最果さん自身が邪道であると言っているようにそこに目をつけて批判するのももちろんできる。ではさっき自分がした評は嘘かというと、それは違う。これも本当。そこが分かるようになれば俳句はもっと面白くなるし、それこそ、少しだけ「俳句とは何か」に近づけるんじゃないかなぁ。

2021-06-27 21:27:02
サ ト ウ ジ ン@ゆーれい👻 @satojin8020

実作において、最果さんが最も悩んだであろう「定型との格闘」に焦点を当てて読みます。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:36:54
みやさと @paststranger

恥ずかしいのですぐに消しますが、5句のイメージの重ね方が巧みで、連作としても読めると思います。そのあたりの話は俳句の人に聞いてみたい pic.twitter.com/hb9LRVNCnP

2021-06-27 21:40:18
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柊 月子 @hiiragitukiko

東京マッハは未視聴なのですがこの句の解釈が人によって様々で面白いです! 痩せたのは殺されたから蝉が鳴く 最果タヒ 私は痩せたのと殺されたのは別な人と詠みました。 どなたかが殺されて心を痛めた人が痩せてゆく。蝉の声が慰めにもならぬ読経のように感じました。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:40:50
サ ト ウ ジ ン@ゆーれい👻 @satojin8020

痩せたのは殺されたから蝉が鳴く ここには二つの「表現の飛躍」がある。 ①自然摂理に逆らう因果の逆転 ②「死」→「蝉が鳴く」という、死から生への飛躍 この飛躍は最果氏にとっての最大公約数的な回答であろう。それを定型に押し込めることへの辛さ。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:43:15
サ ト ウ ジ ン@ゆーれい👻 @satojin8020

ダリアとして生まれ君の部屋で死ぬ ここにも、定型との格闘がある。 これは破調の句。しかし一貫した主張を吐き出すように、一気に自らのダリアとしての生死を詠んでみせる。 季語にもきっと悩んだはずだ。或いは薔薇か、否、キザに過ぎる。アマリリスか、否、句が淀む。 #最果さん俳句にようこそ

2021-06-27 21:55:02