本当に「誰でもよかった」のか？小田急線車内切りつけ事件

【犯行の経緯】

件当日の6日昼過ぎ、新宿区の輸入食料品店でベーコンやつまみ類などを万引きしたとして、新宿署に窃盗容疑で任意捜査を受けていた

万引きを認め、その直前に別のコンビニ店で酒を盗んだことも明かす。品物を買い取り被害届は出されず

自宅確認を行う警察官に連れられ、川崎市多摩区の自宅アパートに帰宅

万引きを通報した店員女性への報復を考え、包丁やハサミ、サラダ油などをバッグに入れ自宅を出る

店の営業時間が終了していることがわかり、以前から大量に人を殺せると考えていた電車での襲撃に変更

万引きの理由について「余計な金を使いたくなかった」と供述

「その時の店員が女性で、女性を殺してやりたいという気持が芽生えた」

「女性を殺してやりたかった。店が閉まったので狙いを電車に切り替えた」

「万引きを注意した女性店員を殺そうと思ったが、電車で人を殺す計画に切り替えた」

「今やったら捕まるので迷いがあったが、せっかく準備したのだからやるしかない」

「通報した女性店員を殺してやりたい」

「車内に放火するために、最初は灯油を準備しようと思ったができなかった」

「灯油は準備できなかった」
「サラダ油は電車に乗る前に買った」
「はさみは包丁の予備だった」

「（牛刀は）2年前に自殺しようと購入した。だが、自殺は痛そうだからやめた」

「（牛刀は）2年前、自殺するためにインターネットで買った」

数年前にインターネットで牛刀（刃渡り約20センチ）を購入。「自殺しようと思った」とも供述している。この牛刀が今回の犯行に使われた

「一瞬、実行するか迷ったが、牛刀を持っていたので実行しなければ銃刀法違反で捕まると思い、人を殺そうと決心した」

渋谷のスクランブル交差点を狙うことも考えたと話し
「幸せそうにする人が大勢いるので爆破しようと思った」

女子大学生に切りつけた後については
「興奮していて覚えていない」

トートバッグに着替えの衣服、牛刀、サラダ油、多目的ライターを入れ持参し、自宅近くの読売ランド前駅で小田急線に乗り、登戸駅で降り、午後8時25分頃、藤沢発新宿行き快速急行（10両編成）に乗り換え、成城学園前―祖師ケ谷大蔵間を走行中の6号車から先頭方向に向かって移動

車内を物色しながら歩き回り、隣の7号車で、座席に座っていた女子大学生に目を付けた。

女子大学生の服装などから、「勝ち組っぽいと思った」

電車が成城学園前駅の付近を通過する頃に突然、座っていた女子大学生（20）に牛刀（刃渡り約２０センチ）で切りかかった

被害者は男性と女性が各5人。そのうち切られたのは女性3人と男性1人の計4人。切りつけられた被害者のうち、執拗に襲われて重傷を負ったのは大学生の女性（20）のみ

そのほかは対馬容疑者が振り回した刃物が当たってけがをしたとみられる

重傷となった大学生の女性（20）が胸を刺されて逃げた際、背後からさらに複数回切りつけられる様子が車内の防犯カメラに映っていた

女性は背中や胸など7カ所を切られ重傷。重傷の女性以外はいずれも軽傷

7号車内でさらに包丁を振り回し、周囲の乗客4人ほどに傷を負わせ、牛刀の柄が折れた後、8号車でサラダ油を車内にまき、持っていた着火装置で火を付けようとしたが失敗

電車が祖師ヶ谷大蔵駅の手前で緊急停車すると、乗客が避難のために開けた9号車の非常用ドアから線路に降り、逃走

その際に、自らの居場所が分からないように携帯電話を線路脇に投げ捨てた

犯行時は黒い特徴的なデザインのＴシャツを着ていたがＴシャツに目立つロゴがプリントされていたため、犯行後、Ｔシャツを裏返しに着て逃走

犯行時黒いマスクだったのを逃げる途中で拾った白いマスクに変えた

女性を切りつけて電車から逃走するまでの犯行時間は3分ほど

約1時間半後の午後10時過ぎ、盗んだ自転車で祖師ケ谷大蔵駅から北に約5キロ離れた杉並区高井戸西のコンビニ店へ行き、服に血が付いた状態で店員に名乗り出た

「自分が今ニュースに出ている事件の犯人だ。逃げるのが疲れたから名乗り出た」

「ニュースの事件は私がやった。逃げるのに疲れた」
「自分がやった」
「自転車を盗んで逃げたが疲れた」
「疲れてこれ以上は人を殺せないと思った」

店側からの１１０番通報で駆け付けた警察官が身柄を確保

各メディアの報道