2011.7.14 『親愛なるキティーたちへ』刊行記念 小林エリカ×ホンマタカシ トークイベント @青山ブックセンター本店

いりー @irrrrri

今日は青山ブックセンターに小林エリカさんの『親愛なるキティーたちへ』刊行記念トークショーに行ってきました。ゲストはホンマタカシさん。

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失礼ながら、エリカさんのことは林央子さんがSPBSでのトークショーで取り上げるまで知りませんでした。すみません…DOMMUNEの『拡張するファッション』の回でご一緒して、すごく素敵な方だったし興味が湧いたので最新著書『親愛なるキティーたちへ』を手に取りました。

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『キティー』はエリカさん、アンネ・フランク(エリカさんのロールモデルだそう)、エリカさんのお父さん(アンネ・フランクと同じ年生まれ)の3者の日記を交えながら、エリカさんがアンネ・フランクの足跡を辿る旅をする小説です。装丁は服部一成さん。 http://t.co/Mj4A1Sd

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トークショーはエリカさん、ホンマさん、数人の観客による朗読により始まる。それはどれも別の人が書いた、別の年の、でも全てが7月21日の日記。エリカさん「『キティー』で使った手法ですが、別の年の同じ日の日記には何か特別な繋がりを感じる」

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ホンマさん「日記は写真に似ている」「『Diaries』 http://t.co/NbLRW4Y の日付はニセの日付。スタイルとしての日記。架空でも日付を入れたほうが本当にあったことのように思えてくる」

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エリカさん「旅で収容所を見学したら連れてこられた人が持っていた写真がたくさんありました」ホンマさん「写真は記憶を呼び起こす、止めておく装置」

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エリカ「アンネや私は書くことで記憶を残している。死んでしまっても文章の中で生き続けたい」ホンマ「文章は誰が書いたか重要だが、写真の場合は写真自体のキャリアが勝手にひとり歩きしてしまう。見た瞬間に誰が撮ったか、写っているかは関係無くなってしまう。面白いけど残酷なところ」

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ホンマ「『キティー』のようなガイドブック的でない旅への衝動があるのか？」エリカ「旅は好き。でも今回の旅行は時間を旅している。どれだけ遠くへ、ではなくどこまで深いところへ行けるかが重要」

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エリカ「行ってみたらわかるかもしれない、というのはある。でも実際わからないこともある」ホンマ「でもそこからは現場主義的なものは感じない」エリカ「戦争を実際に体験しなければ戦争のことがわからない、というのとは違いますね」

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ホンマ「週刊新潮の連載で被災地のいわき市へ行って、白バックで女子高生の写真を撮ってきた。そしたら編集長に呼ばれて、記号を入れてほしい、ガレキをバックに。と言われた。僕は写真に記号は入れないで撮るほうがいいと思っている。篠山紀信はちゃんとガレキをバックにかわいそうな写真撮れちゃう」

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ホンマ「エリカちゃんってデビュー作放射能マンガなんだよね(『恋の放射能』)。笑」エリカ「社会派になりたいというわけでは…アンネや父のことを考えると自然とそうなった」

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ホンマ「文化系、乙女系の人は社会と隔絶している。頭が良い人達の中で勝手に話してるよねーって感じ。平たい言葉で、エリカちゃんに広めてほしい」

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エリカ「最近原発のことを考えている。キュリー夫人のとこから考え直してみたい。」「直近のことだけではなくすごく先のことまで考えれないか」「日常のことで精いっぱいだけど、非日常の世界にも日常は続いている。『キティー』にも書いたが、父の戦時中日記に生き延びたと書いた次に麦茶がうまいと」

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トークが終わり質問タイム。荻窪の6次元の方が来ていた。6次元「社会派ガールとしてこれから取り上げたいものはありますか、表現の手段はどれを使いますか」エリカ「放射能ですかね。マンガもイラストも文章もどれも大事。複合的に、扱うものによって変えたりしていきたい」

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エリカさんが話している途中にホンマさんがカメラを取り出しエリカさんを撮り始める。6次元「作品になるものと記録の写真を使い分けているんですか？」ホンマ「表に出るのがいっぱいいっぱいじゃつまんない。氷山の一角、がクオリティにも意識的にも良い。出していない写真はいっぱいあります」

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客A「忘れることは好きですか嫌いですか？」エリカ「忘れっぽいけど、ふと思い出せるようなリンク、きっかけをどれだけ作れるか」ホンマ「嫌なことは忘れないと人生生きていくのが大変。写真に関してはいいとこだけを残そうとはしてない。荒木(経惟)さんの言葉で写真に復讐される、というのがある」

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客B「日記を毎日書いていたらつまらなくならないですか？写真は単調にならないですか？」エリカ「日記は旅行中のみとか、毎日書いていないので…ドローイングは日々やっていますが描くことで違いを発見できます」ホンマ「まるっきり同じってことはないですよ」

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客C「旅に行くか行けないか決める瞬間はどのようなものなんでしょう」エリカ「できればいつでも行きたい。金銭面など、現実的な問題で行けなかったりはする。考えすぎて、本当にわからないときの打開策としての旅」ホンマ「エリカちゃんは必然性のない旅をしていない」

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客D「『キティー』の文章で気をつけたこと、気がついたことはありますか。動詞が現在系ばかりだったように思います」エリカ「食べ物、光、花について取り上げていたことが多いです。単に好きなのかも。光はドローイングでも、言葉にするのも難しい。書くときはひとつひとつのことを思い出す作業」

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(日付、瞬間についての話)ホンマ「現実って、日付入れ替えちゃっても一回性という意味でいける」エリカ「『キティー』に入っているドローイングは旅のときその場で描いたものです。1回10～20秒で描きます。その場に私がいることを感じながら読んでほしい」

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↓こんな感じでした。長々とすみません。文字数節約のために途中から敬称略にしました…　行きたかったのに行けなかった人、行ったけど振り返りたい人、いま興味を持った人は参考にしてみてください。音声録音したわけじゃなくて私のメモから起こした文なので違っているところがあったらごめんなさい…