Stripeのビジネスモデルについて解説

Stripeのビジネスモデルについて解説
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NCB Lab. | FinTech解説 @ncb_since1989

1.Stripeのビジネスモデルについて解説します。企業価値は脅威の約950億ドル(2021年3月)。米国未上場スタートアップでは最大規模をほこる「決済業界の怪物」は何がスゴいのか。それは「世界中のオンライン決済を黒子として牛耳っている」ことです。 pic.twitter.com/kusUK18Tv5

2021-08-30 18:00:06
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2.Stripeの強み(moat)は、「開発者がアカウント開設から最短1分で決済を実装できる手軽さ」です。手軽すぎて、デベロッパーコミュニティではタイムトライアルで競ってたりします。彼らは従来、最長数カ月間かかっていた決済の実装を圧倒的短時間にしました。もはや魔法です。

2021-08-30 18:01:36
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3.開発者はStripeに行けば、都度決済の杖、サブスク決済の杖、Apple Pay決済の杖など、Webやアプリに実装したい杖を取って軽く2,3回振れば自社のサービスへ簡単に決済が実装できてしまいます(杖はAPI)。魔法学校で修行する必要は一切ありません。 pic.twitter.com/ID15RjcwtG

2021-08-30 18:02:34
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4.Stripeの開発者向けドキュメントは読みやすく、細かい部分に至るまで完璧に記載されています。決済APIは開発者に「今まで使ったなかで最高のAPIだ」と評されるほどの完成度です。開発者は膨大な工数を節約できるため、極めて高い開発生産性をほこっています。 pic.twitter.com/JrsnxV3rmW

2021-08-30 18:04:25
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5.Ruby、Python、PHP、Java、Javascript、Node.jsなどのライブラリを提供しており、どの言語を使用している開発者でもすばやくシームレスに導入可能です。これらの特徴が開発者を熱狂的なファンにさせ、口コミを創出し、世界各国における自立した開発者コミュニティの組成に繋がっています #JP_Stripes

2021-08-30 18:06:08
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6.実際の実装に少し触れましょう。テスト環境はメールアドレスと氏名のみで構築できます。Stripe Docsでサンプルコードに自分のAPIキーが自動で埋め込まれているため、本当にほぼ「コピー&ペースト」だけで決済画面を実装できるのです。テスト→本番への移行も簡単にできます。 pic.twitter.com/CuZ7LFfgUb

2021-08-30 18:09:40
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7.本番環境では本人確認が必要ですが、これはStripeで導入した決済経由で実際に売上が発生した後でOKです。従来の決済事業者では、先に本人確認&審査が必要になります。Stripeはあらゆるハードルを取り払うことで、すぐにビジネスを始めたい開発者を徹底支援しています。

2021-08-30 18:10:22
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8.シンプルな手数料体系も彼らの強みといえるでしょう。米国の場合、支払う費用は取引1件につき2.9%+30セントの決済手数料のみです。初期、月額などの費用はかかりません。余計な計算、心配をする必要がなく実装や運用に集中できるため、シンプルな手数料体系は開発視点の強みとも言えます。 pic.twitter.com/1cWBiGqcxp

2021-08-30 18:12:47
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9.優れたダッシュボード(管理画面)は運用の大きな手助けになります。売上管理や不正検知、支払履歴の検索や返金など、あらゆる機能が揃っています。非開発者が「ノーコード」で決済リンクつきの請求書を作成して送ることも可能です。 pic.twitter.com/3NZ5hJCNWJ

2021-08-30 18:13:43
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10.決済画面のUI/UXは芸術的です。Stripeはその特徴を「エレガント」と表現しています。単なるペイメントゲートウェイではなく、決済体験の構築を支援する事業者として、Stripeは消費者が思わず支払いたくなるような画面の演出に尽力しています。 pic.twitter.com/0KDXy6GP51

2021-08-30 18:15:28
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11.NCBも約3年間、StripeでLibraryの運用を行なっていますが、日々感動しています。画像は我々のプレミアム会員決済画面です。以下URLより本番決済の画面をご覧になれます。(よろしければぜひ!ご覧なるだけでなく!清き会員登録もお願いいたします<🐱が喜びます>)ncblibrary.com/register/plan_… pic.twitter.com/tt6LiIJnYc

2021-08-30 18:16:55
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12.「決済業界におけるデベロッパー・ファーストの鑑」と呼べるStripeのソリューションは、その完成度ゆえに大企業の採用事例も多くあります。Zoom, Lyft, Salesforceのほか、Shopifyも採用。Stripeは独自決済のShopify Paymentsのバックエンドを支えています $SHOP pic.twitter.com/ZumthQahCB

2021-08-30 18:18:42
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13.Shopify PaymentsはStripeのプラットフォーマー向け決済機能「Connect」を基盤として構築されました。Connectはお金を払う人と受取る人をつなぐ決済機能です。複数のユーザーから決済を受付け、複数の事業者へ売上を出金するハブを担う事業者向けのサービスとして知られます $SHOP

2021-08-30 18:19:37
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14.Shopify採用企業の担当者はコーディングが必要ありません。Shopifyアカウントを作成し、ストアを開設、決済機能を申し込めば当日から決済が受け付けられます。画像はShopifyを採用しているNCBのグループ会社、火消魂のEC決済ページです(プロメアコラボ大人気です🐱)。 hikeshispirit.com/7904952391/che… pic.twitter.com/dVqEk0f9PL

2021-08-30 18:22:57
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15.Connectのほかには、定期支払い等を実装できるBillingや、不正検知のRader、カード発行のIssuing、実店舗向け決済端末のTerminal、融資のCapital、会社設立のAtlasなどがあります。Stripeはオンラインで構築した接点を軸に、更なる付加価値サービスのメニューを年々拡大しています。 pic.twitter.com/UlGwrtu7Rr

2021-08-30 18:24:40
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16.上記のうち、IssuingはMarqeta同様のカード発行プラットフォームサービスです。Marqetaは主にFinTechなどの企業を対象にソリューションを提供しているのに対し、Stripeは自社のマーチャント向けに提供している点で違いがあります。 twitter.com/ncb_since1989/…

2021-08-30 18:26:08
NCB Lounge | FinTech解説 @ncb_since1989

8.Marqetaの仕組みを使えば、企業の開発担当者は自社のビジネスニーズに合わせて、手軽にカード発行をすることができます。MarqetaがSquareやUberなど、急速に米国のハイテク企業に採用された理由は、この「デベロッパー・ファーストの柔軟性」によるところが大きいと言えます $MQ $SQ pic.twitter.com/XQlVnfgme0

2021-08-13 15:43:02
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17.最近話題の脱炭素社会に対する取り組みも進めています。Stripeはマーチャントが売上の数%を気候変動対策に向けたプロジェクトへ寄付できる「Climate」を提供。約1分で設定が可能で、マーチャントは決済画面などにClimateへの参加を表示できます。 pic.twitter.com/M5NowEZ1Ju

2021-08-30 18:27:48
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18.振り返ると褒めてしかいませんが(汗、Stripeが構築した決済ソリューションはどれも脅威的に素晴らしいものばかりです。米国ではPayPalがほぼ独占していたオンライン決済市場に後発として参入し、ビジネス面、開発面での課題を解決したことでStripeは一躍トップに躍り出ました。

2021-08-30 18:29:36
NCB Lab. | FinTech解説 @ncb_since1989

19.最後に恒例の余談🐱です。NCBが2015年10月にラスベガスのMoney20/20へ行った際、Stripe創業者であるコリソン兄弟の兄、パトリック氏が登壇していました。印象に残っているのは、Dr.Dre顔負けの凄まじい早口だったということです。 pic.twitter.com/VsVR72U221

2021-08-30 18:32:03
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20.あれだけのスピードで物事を考え、課題を抽出し、Stripeのビジネスに落とし込んでいるのかと思うと、もはや恐怖を感じました。兄弟がMITとハーバードを中退し、10代で起業してそのままスターダムを駆け上がったのもなんとなく?納得しました。(終)

2021-08-30 18:32:49