何年も寝たきりだった私が娘を連れてボンボンTVのイベント「ボンボン祭り」に行った話

先輩はネコ @3nekokitchen

ボンボンTVを6年間見続けている娘の為に静岡から初めて「ボンボン祭り」と言うイベントに行った話。

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娘は小学校1年生前後から自分でスマホを操作してYouTubeを見始めた。 スイスイ～と指を動かす姿に(デジタルネイティブ凄いぜ)と思いつつも(お外遊びも大事よね)と思って、平日夕方や土日は公園に連れて行ったりしていた。 だが家にいたり待合室で待つ時間や車移動の際はついYouTubeを見せていた。

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そんな生活の中、娘が数いるYouTuberの中で一番ハマったのがボンボンTVだった。娘がYouTubeを見ている時間は大体私が家事をしているから私はあまり内容をしっかり見てはいなかったけど、一応(子供が見ても大丈夫なジャンル)という事くらいを把握していた。

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そんな中で私は学生時代から持っていた持病の適応障害を悪化させた。 仕事に行っても昼休みに1度帰宅して数分でも横にならないと午後の仕事が出来ない。洗濯物が畳めない。好きだった料理を作りたくない。仕事のない日はお風呂に入れない。子供を公園へ連れて行けない。そしてとうとう私は

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とうとう私は布団から起き上がれなくなった。トイレに行くだけの生活に入った。 自分語りになるが、私は学生時代から人付き合いが苦手なくせに高いプライドから苦手だということも周りに言えずに表面上の付き合いをしていた。だから親友が出来なかったしグループにもキチンと属せなかった。

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嫌われないけど好かれない。 修学旅行はどこのグループにも属していなかったから、寄せ集めグループで急場をしのいだ。 大学時代もグループに入れなかった。研究室決めも人気のない空きがありそうなところに希望を出した。 そんな私が社会人になりしばらくして自営業者と結婚した。

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私みたいなのは一生結婚出来ない性格だと思っていたが、適齢期が厳しくなってくると田舎ではまわりがあれやこれや紹介してくる。そんな中で私も焦ってきて「体裁を整えねば」と思っていたんだと思う。相手は自営業者だった。田舎の2代目の自営業者でやっぱり彼も「嫁が見つからないが体裁を整えねば」

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と、思っていたのかもしれない。 私はその人と結婚した。 良くも悪くも「やさしそう」な所が良いなと思った。 すぐ息子2人に恵まれた。 しかし、姑と舅は女の孫が欲しかった。そんな中で主人の弟夫婦が女の子を産んだ。主人の家は皆が喜んでいた。

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私はプライドが高く性格が悪いゆえにどす黒い感情が心に湧いていた事に気付かないふりをして、一緒に喜んだ。 3人目は作らないつもりだった。元々人間が苦手だ。自分と上手に付き合えず自分をイライラしたり好きになれない人が、人を好きになれるわけない。世間体を保って社会人生活をするのに必死だ。

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大学時代に上手く学校に行けない時期に心療内科に1人で通い適応障害を患いつつなんとか卒業した私が、適齢期でギリギリ結婚し、家族を作り得意ではない子育てを必死でして田舎の体裁を守っていた。その間も気分が塞ぐと心療内科へ通った。プライドのせいで誰にも話していなかった。親も主人も知らない

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だから、カウンセリングを勧められても1時間1万円近くするようなカウンセリングを定期的に受ける財力はなかった。気分が塞いでくると心療内科へいき数ヶ月治療してまた日常に戻ることを何十年も繰り返していた。 3人目の娘は奇跡のように私達の元に来た。主人は3人目が出来たことに凄く喜んでいた。

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私は3人目が欲しいと思いつつも息子2人で大変な思いをしていたから不安もあった。でも期間を開けたらまた一から子育てか、と思ったらこの大変な思いの勢いのまま子育て期間を乗り切ろう！と決意した。産まれた子は女の子で、私はまた3人目も男の子かもしれないと覚悟もしていたから、

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ちょっとうれしくなり調子に乗った。 しかし子育ては本当に大変だった。 子育てだけじゃなく、田舎の自営業者の妻として店に行き接客もする。 田舎では出会う人皆がお客さんみたいなものだからスーパーでも保育園でも身なりを整えて笑顔で、幼子を3人連れても会釈を意識していく。

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主人の店に行けば、舅と姑と従業員達とお客様。 1人になる時間がなかった。 そこへ3人の子供達のママ友付き合いも絡んできた。ママ友達も田舎じゃお客様でもある。 そこに、実家の妹夫婦が私の母と喧嘩しただの、母と父が(何回目かの)離婚騒動だの連絡が来ていた 私はこれらの黒い塊を飲み込んでいた。

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黒い塊達は毎日をこなす業務の忙しさから忘れていたが 私の心に蓄積されていたのだろう。 娘がボンボンTVと出会った頃私の心は黒い塊で埋め尽くされ 布団から出られない寝たきりになった。 52キロの体重はその頃41になっていた。

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主人がスーパーやコンビニで食事を買ってくる生活になった。 心療内科へも自力でいけずとうとう主人にだけは話して連れて行ってもらったり、薬だけ主人が取りにいったり、訪問看護師が家に来たりした。 私が変だと子供達も分かっていた。 週末になるとママ友達と公園等に集まっていた私は居なくなった

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何年続いたかちゃんとまだ記憶を辿っていない。 辿る記憶がない。 子供達がどうやって大きくなったのか分からない。 体調に上下がある中でちょっと調子が良さそうと思った時、子供にご飯を作ろうとして私は台所で失神した 事があった。

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その時は長男がキッズ携帯で姑に連絡して駆けつけてくれ救急車を呼んでもらったらしい。 あれは子供達が何歳だったのだろう、まだ家族で整理出来なくてあまり話していない。 娘はずっと泣いていたらしい。 私が死んだと思ったらしい。

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私はスポーツ観戦が元来の趣味だった。しかし東京オリンピックは見たがリオオリンピックは知らない。平壌オリンピックも開催中だとか主人から聞いた記憶はあるが見ていない。 薬の影響からか不安からか夜中の意識が朦朧とする時間に冷蔵庫を漁りむちゃ食いしたりする日々があったりした。

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お腹や背中が痛くてのたうち回るのに食べることを止められないくらい詰め込んでしまう。 ずっと食べられなかった反動からなのか今もよく分からない。 とにかく私は生き延びてしまった。 世間がコロナという響きを聞く少し前くらいから、私は家の中を動けるくらいにはなっていた。

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外には出れなかったが、お風呂に入り、週1回くらい料理が出来るようになっていた。 ネットスーパーでお惣菜とか冷食や簡単に作れる食材を頼めるようになり、子供の夕食の準備が出来るようになっていた。 洗濯も掃除も料理も出来たり出来なかったりだが 布団から起きて居間にいる時間が増えていた。

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そんな中で私は猫を飼いたいと言い出した。 主人は大反対だった。 主人から見たら身の回りの事や家事もままならないのに、猫の世話を出来るわけないという判断だろう。 今思えば至極当然だ。 誰が見てもそうだ。 私もあの時の自分を今客観的に見たらそう思う。 「バカか？」っていうと思う。

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しかし、あの時の自分は日々保護猫サイトで新しい家族を探していた。 いつの間にか幼子から少年少女になっていた子供達。 少し寂しかったのだろうか。 なんとも、自分勝手な私だ。 勝手に産み、勝手に育児に振り回され、勝手に病気になり、勝手に回復してきて「寂しい」なんて心に浮かぶなんて。

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不安な主人とは反対に猫を飼うことには3人の子供達が賛成してくれた。 猫飼いたい お世話する と、子供が動物を飼う時に初めだけ言うセリフに私は便乗し、主人は根負けした。 そしてこんな不安定な私と、不安定な私を抱えた家族は、保護猫を迎えた。

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しかし、その日から私は確実に人間らしくなった。 毎日の猫の餌やりトイレを毎日出来ている。 週1回するトイレの砂を全部変えて新しくする体力を使う作業も忘れない。爪切りも毛づくろいもおもちゃで遊ぶのも楽しい。 猫のことは、「しなきゃ」じゃなく「してあげたい」