【chapter1回想】

Orironpa✂︎Realize完結 @OrironpaRealize

✂︎時間になりましたので更新を開始します。すべてのリプライ、DMを一時停止してください。 【発言停止】

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✂︎凄惨な事件から、何度目か世が明け、またふけ。

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✂︎ともあれ、今夜も願いを胸に瞼を閉じる。羊でも数えようか。それとも退屈な計算でもしようか。

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✂︎必要ない。今宵の波風は一段と穏やかで、ゆりかごのように眠りへ誘ってくれる。

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✂︎嗚呼、夢を見れそう。願わくば、悪夢でありませんよう。

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ひどく臭う。…………………たぶん、そうなんだと思った。

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最初は冷たかった。 凍えるかと思うほど、徐々に体温を奪われていく感覚がした。

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俺は最初から要らない子で…もしかすると生まれてすぐ一度、死んですらいたのかもしれない。

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次に目を覚ました時は、大人に囲まれていた。母親でも父親でもない。後から知ったことだけど、そこは病院が運営する孤児院だそうだった。

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世話を任された親代わりの医師は、俺を死体と同じように扱った。世話はされたがそこに情なんてあるはずもなく、ただ業務的に俺を診(そだて)た。

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…中学の頃、俺はひとりになりたかった。きっと臭いがするから。汚いから。誰も嫌な思いをしないように、俺も嫌な思いをしないように。

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でも、放っておいてはくれなかった。

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大きな声で俺を笑う。距離を置こうにも何処までも追いかけてくる。 ある日は、体育館倉庫に閉じ込められてしまった。

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脳裏を過ぎる3文字から目を背けて、長い前髪をかき上げ任された仕事に集中する。

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それが、死体なりの幸福かもしれない…なんて言い聞かせて。

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ぼん、…ぼんぼん　ぽん

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雪が降ったみたいに色のない場所が、僕の世界だった。

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白い建物の中で、白い鍵盤を叩く、真っ白な僕。

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僕は生まれた時から肌が白くて、右腕も両脚もないけど、パパは僕をすごく大事にしてくれた。パパは、こんな僕だからあいしてるって言ってくれた。

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心配…性？だからひとりで部屋から出るのはダメだったけど、彫刻家のパパは僕に脚を作ってくれた！

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それで、左腕のりは… …び、びり！りはびりに、ピアノを弾くのが良いって看護師さんが言ってたから、こっそり抜け出して楽譜通りに音を鳴らした。

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『ピアノ好きなの？』 その日もいつも通り弾いていたら、女の子がそう聞いたんだ。

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ピアノが大好きだった。 でも、もう弾かないと思ってた。

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『ピアノ好きなの？』

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うん、と答える女の子に私が声をかけたのは、すごく楽しそうだったから。それに───