『キャンディ・キャンディ』とメキシコ革命 Decena Trágica(悲劇の十日間)

そばかす少女キャンディが日露戦争帰りのオジサンと共闘してライフルぶっぱなしながら国境を目指す世界線もあったかもね。
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ラガン家のメキシコ農園と児童労働

ラガン夫人「メキシコの農場で人手がたりないからと、手つだいをさがしていたのだけれど、遠いし、重労働なので、おまえにはかわいそうだと、ことわってあげたのに……」

momordica @momordica130

ディアス大統領は外国からの投資をつのっていたのでラガン家がメキシコに農園を持っているのはおかしくない。現地の小作農から奪った土地を買い上げた訳だから外国資本家は恨まれてたし、そんなとこに女の子が送られたら惨い目にあったろう… #キャンディキャンディ twitter.com/momordica130/s…

2021-08-14 23:00:06
momordica @momordica130

@ccakaigoro この頃(1910年)はメキシコ革命の真っ最中だからアンソニーたちのセリフ通りの状況ですよ 『戦うパンチョ・ビラ』や『革命児サパタ』の時代 大地主に土地を奪われた小作農やインディオが奴隷に等しい重労働で搾取されていました #キャンディキャンディ #水木杏子

2021-03-17 01:32:26
momordica @momordica130

@Rosenka96912135 @ccakaigoro この当時の合衆国では奴隷解放を経て人身売買は法律で禁止されているので、体裁上は「ラガン家の使用人が別の地所に転属になった」という形になっていると思います。実質は過酷な児童労働でも「身寄りのない子供に仕事を世話してやった」みたいに慈善を装って。

2021-08-14 23:13:09

窃盗の濡れ衣を着せられてメキシコの農園に送られることに決まったキャンディ(13歳)

アンソニー「メキシコなんていったら……」
アーチー「キャンディ死んじまうぜ」
ステア「そうだよ 大地主がムチをもって小作人をはたらかせてるっていうぜ」
アーチー「それに山賊が農場をおそっては銃をぶっぱなして……毎日のように人が殺されて……」

momordica @momordica130

@ccakaigoro この頃(1910年)はメキシコ革命の真っ最中だからアンソニーたちのセリフ通りの状況ですよ 『戦うパンチョ・ビラ』や『革命児サパタ』の時代 大地主に土地を奪われた小作農やインディオが奴隷に等しい重労働で搾取されていました #キャンディキャンディ #水木杏子

2021-03-17 01:32:26
momordica @momordica130

@ccakaigoro 大統領の地位に居座る独裁者を打倒するために各地で山賊兼革命家のような集団が警官隊と銃撃戦を繰り広げるのが日常茶飯事で、合衆国との国境にある砦をめぐって戦闘もありました そんな国に保護者もいない12、3歳の少女が労働者として送られたら無事に合衆国に帰ってくるのは難しいでしょうね

2021-03-17 01:40:06
momordica @momordica130

@ccakaigoro 『なかよし』連載なので「酔漢に酌を無理強いされる」というマイルドなエピソードにとどめていますが、あれは「あのままメキシコに行ったら重労働だけでなく性被害にあう可能性もあるよ」というピンチ表現ですしね #キャンディキャンディ #水木杏子

2021-03-17 20:31:03

メキシコ、1912年

海鷹 @SakrelBahr

児童文学作家・名木田恵子が水木杏子名義で原作を書いた「キャンディ・キャンディ」は第一次世界大戦が深くかかわる作品ですが、物語前半では革命真っただ中のメキシコ情勢も影響しています #キャンディキャンディ

2021-10-08 19:07:45
海鷹 @SakrelBahr

第一次大戦勃発(1914年7月30日)を基準に作中描写から判断すると、13歳の少女キャンディがメキシコの農場に児童労働者(実質的は農奴)として送られそうになったのは1912年の秋

2021-10-08 19:08:36
リンク CANDY CANDY BOOTLEGS!! 『キャンディ・キャンディ』の年表とキャラクターの生年月日 第一次世界大戦を基準に矛盾のないキャラクターの生年を割り出す
海鷹 @SakrelBahr

ポルフィリオ・ディアス独裁政権が倒され、新大統領フランシスコ・マデロが期待を背負って就任したのが1911年11月 しかしマデロも大農園主が小作やインディオから奪った土地の返還は拒んで支持者たちから背かれ、旧大統領派からも攻撃されて反乱が相次いでいたのが問題の1912年

2021-10-08 19:09:23
海鷹 @SakrelBahr

「大おじさま」の助けが入ることなくキャンディがメキシコに送られていた場合、11月、12月に前大統領ディアス派がマデロ政権転覆を図って起こした大規模な反乱とカチ合うことになります

2021-10-08 19:10:03
海鷹 @SakrelBahr

更に翌2013年2月にはメキシコシティで多数の市民が巻き添えになった「悲劇の十日間」と呼ばれるクーデターが起きるわけですが……キャンディが送られる予定だったラガン家の農場がメキシコの何州にあったのかは知りませんが、小規模の暴動・反乱は日常茶飯事だったので安全とは程遠い環境です

2021-10-08 19:11:20

※ Decena Trágica(悲劇の十日間)は1913年2月10日~2月19日ですね

海鷹 @SakrelBahr

合衆国の資本家はメキシコに投資してディアス独裁政権に加担していたし、それどころか国として保守派に肩入れしてたので、「合衆国の資本家の処から派遣されてきた金髪娘」なんて現地の小作から目の敵にされるだろうしね そうでなくてもサトウキビ畑や綿花畑は大の男も逃げ出す重労働だし

2021-10-08 19:14:45
海鷹 @SakrelBahr

まあ「キャンディ・キャンディ」連載開始時点では厳密な作中年までは決めていなかったそうなので、原作者の水木杏子も明確に2012年のメキシコを想定して執筆したのではなく、大まかに「サパタやパンチョ・ビラの時代」をイメージしていたのでしょうが

2021-10-08 19:16:16
海鷹 @SakrelBahr

私自身がキャンディという作品を読んだのは90年代の終わりでしたが、70年代に散々テレビ放映されていたマカロニウエスタンのお陰で「悪の大地主が農民やインディオを搾取していたメキシコ」という知識は子供の頃からあったし、原作者も受け手の子供たちの理解力を信頼して執筆したと思うんですよね

2021-10-08 19:19:33
海鷹 @SakrelBahr

なので、それから四十数年後、当時の愛読者がSNS上で「メキシコのディスられっぷりひど~いw」「メキシコの人に失礼」「今じゃ許されませんよね」「クレーム来ちゃうかも」とネタあつかいしてるのを見て、なんか、やるせない気持ちになっちゃって

2021-10-08 19:20:59
海鷹 @SakrelBahr

ディアス政権下のメキシコには日本からも一万人以上が鉱山労働者として出稼ぎに行っており、メキシコ革命に加わった日本人(日露戦争帰り世代ね)も結構いたのだそうで、まるきり日本と無縁の出来事じゃないんだけどねぇ (さっきググって2013年当時の駐メキシコ日本公使が堀口大學の父と知りました)

2021-10-08 19:26:53
海鷹 @SakrelBahr

「1913年当時」ね💦 堀口九萬一(ほりぐち くまいち 1865年2月23日 - 1945年10月30日) ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80…

2021-10-08 20:27:43
海鷹 @SakrelBahr

送り手の方は「幼い読者にはまだ理解できないかもしれないけど、いずれ成長した時にふと思い出したら自分で調べて考えてほしい」と思って作品を世に出してるだろうにね。どんなに真摯な思いを込めて書いても伝わらないもんなんだな。親の心、子知らず的な……

2021-10-08 19:28:18
海鷹 @SakrelBahr

メキシコ革命の闘士たちの中にはアデリータ(女性兵士)も沢山いたそうで、運命のいたずらの末にキャンディス嬢がメキシコ山中でライフルをぶっぱなすIFストーリーも有り得たかも pic.twitter.com/ApXu4FYrWZ

2021-10-08 19:31:05
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