『チェンソーマン』初見感想のまとめ（長文注意）。初見感想でしか得られない栄養を摂取したい症例の方、必要に応じてご査収ください。

結騎 了 @slinky_dog_s11

死ぬほど長いんですけど、『チェンソーマン』初見感想のツリーです。初見感想でしか得られない栄養を摂取したい症例の方、必要に応じてご査収ください。 twitter.com/slinky_dog_s11…

結騎 了 @slinky_dog_s11

連載中、途中からジャンプそのものを読まなくなってしまったので、中盤ごろまでで止まっていた『チェンソーマン』を、全巻買いました。この連休で読みます。

2021-07-22 13:04:02

結騎 了 @slinky_dog_s11

連載中、途中からジャンプそのものを読まなくなってしまったので、中盤ごろまでで止まっていた『チェンソーマン』を、全巻買いました。この連休で読みます。

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今日からぼちぼち読み始める。せっかくなので一冊ごとに感想残しておくとする。

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1巻。序盤だけあって連載時の記憶がある。『ファイアパンチ』も同様だったが、世界観設定の説明（開示）が抜群に上手い。モノローグ等の文量に頼らない描き方。デンジが特異な個体であることを切り口に「普通の場合」にしれっと触れ、そこから世界観設定を馴染ませていく。説明臭さが一切ない。 pic.twitter.com/KLc0OtjjdY

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悪魔がいて、デビルハンターがいて、公安がいて、という細々とした設定があるものの、デンジは「暮らし！女！胸！」の行動原理で動いており、話の輪郭が見えずとも推進力だけはちゃんと持たせる作りになっている。そこから少しずつ世界観設定を会話の中に織り交ぜていく。情報の出し方が上手すぎる....

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序盤でモノローグを延々と並べて世界観設定を解説していく漫画が多いが、その完全なる真逆のやり方。主人公の三代欲求に正直な生き方は、ある種の感情移入の極地でもある。そこにバイオレンスな絵面を定期的に並べていくことで、読者の興味関心がしっかり持続していく。「よく分からないけど面白い」。

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「どうやったら読者が退屈しないか」があらゆる方向から精査されていて、読んでいてすごく安心感がある。これ大事だよなあ〜〜。なんとなく輪郭が掴みきれないままなのに、グングンと読まされちゃう。ハッタリも、バイオレンスも、意図して配置されてる。上手い漫画は面白い。真実。

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2巻。ここもまだ読んだ記憶がある。「夢バトルしようぜ！」でデンジの突き抜けたキャラクターをしっかり安定させてから、銃の悪魔という物語全体の目標や新たな公安メンバーを出揃わせる。深刻で残酷な世界と、デンジの性欲に忠実な馬鹿馬鹿しさのギャップが、じわじわ効いてくる。真剣にくだらない。 pic.twitter.com/HwP6YZ4tMO

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『ファイアパンチ』にトガタというキャラクターがいて、あれも最悪な世界で延々と映画カルチャーについて語るギャップを持たせた造形だったけど、『チェンソーマン』は物語全体がそんなバランスで出来ている印象を受ける。残酷な面は悉く残酷に、くだらない面は真剣にくだらなく。だから面白い。

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銃の悪魔の過去編は、原因？となった家族が出てくるが、なぜ彼らがピックアップして描かれているか最初は分からない作りになっていて、ワンテンポ遅れてアキとオーバーラップする魅せ方になっている。こういう演出でハッとさせる作りって、何度味わってもいいよなぁ。物語の醍醐味...！！

結騎 了 @slinky_dog_s11

あとマキマさんがエロさの真髄を語るくだりが面白すぎて何度も読んでしまった。少年誌でエロい絵（絵柄ではなく概念におけるパンチラの意）を見せずにセリフと演出メインでエロスを感じさせるのが上手い......。手の握り方、からの噛み、からの「覚えて」の流れが完成されすぎている......。

結騎 了 @slinky_dog_s11

色んな意味で「絶対勝てねぇだろこの女にはよォ！」というやつですね。

結騎 了 @slinky_dog_s11

あと「悪魔は一般市民の恐怖の度合いによってて強さが決まる」という設定が抜群に面白い。これ天才的すぎるだろ......。これからどんな悪魔が出てきても、そのモチーフの名前だけで読者が登場人物と同じように恐怖したりできるじゃん。レベル・ランク設定やパラメータの見せ方よりはるかに簡単で確実。

結騎 了 @slinky_dog_s11

そして、そこからの「銃の悪魔を少しでも弱体化させるために銃が規制された」のくだりがめちゃくちゃ痺れる......。たまらん。これだけで、悪魔がどの程度世間に認知されていて、行政や司法がそれに取り組んでいるのか、設定の濃度が瞬時に肌で理解できる。良すぎるんじゃ.........。

結騎 了 @slinky_dog_s11

『ファイアパンチ』もブログに感想書いたりしてかなり好きな漫画だったんだけど、最終的にスケールが拡大しすぎ＆芸術的すぎてエンタメとしての視点がどんどん減少してしまった印象があるので（それはそれで濃い作家性の表れなんだろうけど）、『チェンソーマン』がどのバランスで進行するかが楽しみ。

結騎 了 @slinky_dog_s11

3巻。いよいよ複数の悪魔や契約を有したデビルハンターが戦い始めて、ジャンプらしい能力バトルのルックに仕上がってきた。キスと性行為の可能性に踊らされるデンジと、刻々と進行する事態のギャップがえぐすぎて、摩訶不思議な引力がある。四肢が消失していく姫野先輩の演出がすげぇ良い。ヒヤヒヤ。 pic.twitter.com/RyAmeNumEl

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結騎 了 @slinky_dog_s11

「8階に閉じ込められて...」のくだりで、悪魔からデンジを殺させる契約を持ちかけられる。ここで、悪魔との契約における制約や条件を解説しておいて、3巻後半の敵の急襲。これにより、「強い能力には強い犠牲や強固な契約が要る」というバトル漫画お得意のルールがじわじわと活きてくる。上手すぎる。

結騎 了 @slinky_dog_s11

やはり『チェンソーマン』は設定を解説するタイミングや細かな演出が上手すぎる。色んな設定が読み返さずとも頭に入ってくる。「説明のための説明」じゃなくて、必要なイベントやキャラクターの行動が、結果的に説明に繋がっている。こんなのが何度も何度もさらっと織り込まれてるのヤバすぎだろ...。

結騎 了 @slinky_dog_s11

「姫野先輩の四肢が消えていく」というシーンだけで、悪魔の契約の厳密さや過酷さ、それを使わざるをえない追い詰められた状況や敵の強さを印象付けて、そこから更に蛇に瞬殺させる。能力バトルならではのパワーインフレを意図的に繰り返していくこの思い切りの良さが気持ちいい......。脳に効く。

結騎 了 @slinky_dog_s11

あとマキマさん強すぎるんよあんた〜〜。酒豪からの間接キスのくだりが強すぎた。「強い女」だけでなく、こりゃもうグレードが「勝てない女」だ......。「勝てない女」は負けないんだ...... 仮に死んだとしても、その瞬間まで自分自身が強いから.........

結騎 了 @slinky_dog_s11

4巻。特異課の襲撃を受け、超然的な能力でそれを迎撃するマキマさん。神社に死刑囚を座らせてそれを媒介に手を擦って遠隔で爆散させる... という一連の演出と魅せ方がすごすぎる。こんなに「圧巻」を伝えられる方法があるものか。血飛沫に全身を染められて呆然とする一般人（人質）のコマが良すぎる... pic.twitter.com/JsnJfxvlKj

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