- iolite_night
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と、いうフォロワーさんの赤い靴の発言にたぎって、思わず書きなぐった話。
まとめてもいいかと了承済みです。
勢いだけなので、まとめたら思った以上に短かった。
赤い靴を愛する男の視点で書く、赤い靴自体のその後の話とでも捉えて頂ければ幸いです。
赤い靴で、切られた足の行方。それについてわやわや本垢で話してました。いや、確かにそうだ。あの美しい足はどこまで踊り続けるのだろう。
2011-08-28 02:07:29少女の足元で輝く赤。それは今まで踏みにじってきた誰かの血の色にも見え、また少女自身の血の色のようでもあった。可憐で美しく、凄みのあるエナメルの赤。延々とステップを踏み、誰にも止められることの出来ないそれは以前の彼女そのものだった。後悔した少女が唯一止まる方法は、足を手放すことだ。
2011-08-28 02:13:13斧が振り下ろされ、滴る血をものともせず赤い靴は少女の元から消えた。そこで赤い靴自体の話は終わり、だと思ってはいないだろうか。私は読んでいた本を閉じ、前のステージに現れたものに感嘆のため息をついた。周りも同じで、似たざわめきが辺りに広がる。硝子ケースの中で、それは踊っていた。
2011-08-28 02:17:52スポットライトを浴びる、足付きの赤い靴。赤は色あせることなく、逆に美しさを増していた。「さあ、今夜の目玉!いわく付きの赤い靴!月日を重ねるごとに美しく赤は冴え、ステップはより機敏に!!さあ!!まずは1000から行きましょう!!!」主催者は言わない。それがどういわく付きか。
2011-08-28 02:25:32仮面をつけた参加者は言わずとも全員知っている。その赤は血の赤。手に入れたものは予期せぬ不幸に見舞われる。最終的な終着点は、死。頭では理解出来たとしても、で華麗に踊る靴の魅力には抗えない。次々と我先に手が挙がる。今宵から誰が彼女と踊るのか。そして、ラストダンスはいつになるか。
2011-08-28 02:39:34もう一度開いた本の中には、これまでの彼女のダンスパートナーの名が並んでいる。私はあえて踊らない。踊ってしまったら、彼女の美しい姿が一生見られないではないか。今夜の勝者はいかれた貴族。私と彼女の為に、その命を捧げるがいい。私はペンを片手に、彼にこう囁くのだ。
2011-08-28 02:52:35「おめでとうございます。今夜から楽しみですね。よければ、しばらく教えて頂けませんか? 彼女との記憶が貴方に残り続けるために」私は彼女が美しくなるのを見続けていたいだけなのだから。ラストダンスを迎えた後は、私がその手で抱き締めよう。もっと美しくなっておくれ、私の愛しい赤い靴。
2011-08-28 02:57:27