ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル #2

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

オイランのユリコは、まだ自分が白昼夢の中にいるようだった。昨晩、ウェスタン相撲バーで起こった殺戮は現実のものだったのか?彼女が気絶から目覚めたとき、相撲バーはゴアまみれのジゴクめいたキリングフィールドと化しており、マッポが来る前に彼女はそこから逃げ出したのだ。

2011-09-04 23:07:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「あの人、あの人の名は…」オイランはぶつぶつと独りごちる。昨夜何があったのか、思い出すことも難しい。カソックコートを着た、ニヒルなあの男…。極度の精神的ショックにより、ニンジャやゾンビといった要素は、彼女のニューロンから欠落していたのだ。唯一つ覚えている単語は……「ジェノサイド」

2011-09-04 23:12:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「AAAAAARRRRRGH!」暗い鋼鉄の棺桶の中で、ジェノサイドは獣じみた唸り声と共に、その両腕に力をこめた。しかし彼を拘束する特殊合金製の鎖付き手錠が腐った手首に食い込み、腕の肉をいくらか削ぎ落とすだけで、棺桶は開こうとしない。無駄な努力であることが解ると、彼は一層苛立った。

2011-09-04 23:17:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「おい、あっちの鋼鉄棺桶……」荷物車両警備員の一人が、車両の隅に立て置かれた積荷をマグライトで照らした「何か音がしなかったか?」。「気のせいだ」ともう一人の警備員「ジェットエンジンの音だろ。それにありゃあ、ダイミョ・クラスのお客様の荷物だぜ?下手に触ったら、ケジメじゃすまねえよ」

2011-09-04 23:22:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「俺は何処に運ばれるんだ?キョートか?リー先生だな!畜生め!ふざけるなよ!やっと静かな生活を取り戻したと思ったら、これかよ!俺が何をした!?ニンジャになって、ゾンビになって、まだ俺に何か責め苦を与えようってのか!?」……ジェノサイドの叫びは、ジェットエンジンの爆音にかき消された。

2011-09-04 23:29:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

第2部「キョート殺伐都市」より 「ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル」#2終わり #3へ続く

2011-09-04 23:30:22