有馬桓次郎氏によるロシア軍キーフ侵攻部隊の補給破綻についての考察

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有馬桓次郎@3/31西海ノ暁佐世保B-22 @aruma_kanjiro

どうして西キエフ戦線の補給線が破綻をきたしているのか。ここ数日ずっと現地からの報道と地勢を並べて考えていたけれど、一つ気付いたことがある。 ロシア軍は、安全な中間集積拠点をいまだ設置できずにいる。

2022-03-06 23:17:47
有馬桓次郎@3/31西海ノ暁佐世保B-22 @aruma_kanjiro

国境からイルピン近郊まで、およそ150km。その間、伸びた車列は64km。単一の進撃路でこの数字は明らかに過剰だ。 しかもここ数日、車列の先頭は少しずつ前進しているが、渋滞の長さはほとんど変わりがなく、つまり国境から物資が送り込まれているけれど消費は先頭から順番に行なわれている事を示す。

2022-03-06 23:17:47
有馬桓次郎@3/31西海ノ暁佐世保B-22 @aruma_kanjiro

兵站とはジャストインタイム、つまり必要な時に、必要な物を、必要なだけ送り込める体勢が理想とされる。しかし先頭から順番に消費するだけだと、必要な時に必要な物が不足したり、逆に多過ぎたりと混乱を来してしまうのだ。

2022-03-06 23:17:48
有馬桓次郎@3/31西海ノ暁佐世保B-22 @aruma_kanjiro

これを防ぐには途中に中間集積拠点を置き、そこに至るルートは2本以上確保して上下線の一方通行とする。そして中間集積拠点から先は部隊単位の輜重段列とし、必要な物を送り込む体勢とする。WW2西部戦線で米英軍が採用した方式ですな。

2022-03-06 23:17:48
有馬桓次郎@3/31西海ノ暁佐世保B-22 @aruma_kanjiro

ところがロシア軍はキエフへの進攻を急ぐ余り、つい最近まで占領地を拡大して2本以上のルートを確保しなかった。あるいは、ホストメル空港を早期に押さえる事で空輸によって補給を維持しようとしたのかもしれない。

2022-03-06 23:17:49
有馬桓次郎@3/31西海ノ暁佐世保B-22 @aruma_kanjiro

現状、ロシア軍が制圧した地域で2本以上の道路が通り、中間集積拠点を設けるのに最も適した場所は、イルピンから北西50kmにあるイヴァンキウ。しかし、ここも今だ外縁部で戦闘が行なわれており、つい3日前にも戦車を含む多数の車両がウクライナ軍の攻撃で破壊されている。

2022-03-06 23:17:49
有馬桓次郎@3/31西海ノ暁佐世保B-22 @aruma_kanjiro

結論。 イヴァンキウに安全な中間集積拠点を確保できていないロシア軍は、国境から送られてくる物資をそのまま前線へ直行させるしか現状では方法がなく、そのため交通集中を招いて前線で補給が滞っている原因となっている。

2022-03-06 23:17:49