【ネタバレ注意】シン・ウルトラマンの長澤まさみ＝浅見は本来、神永マンの代理説明人だったのでは

黒沼 @numanuma_black

シンマンのアートブックで庵野が「シナリオでは神永と浅見の恋愛要素を入れたけど、編集でカットした」と発言したのかなりデカい要素だと思うんだよな。 どうして人間を好きになったのか これを浅見の恋心と重ねて演出する意図が執筆時にはあったんでないかな。

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例えば浅見は初めてウルトラマンを見た時に「綺麗…」と言っていて、ほぼ一目惚れの示唆をしている。 実はこれリピア→神永への初印象がそのまま当てはまるんでないかなと思ったり。

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で、ザラブ星人が来て浅見は言語を変えて「本当にコミュニケーションは可能なのか？」と言うのを実践している。 ザラブは人間に擬態せず銀色の体躯のまま現れる。 これはウルトラマンが銀色の巨人として地上に現れた姿と似ている。 電脳データの破壊＝神永の不慮の死

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ザラブは自身が破壊した電脳データを即座に復旧させる。 このデータ、バックアップなしという酷いものだがこれは「人間の一度きりの命」と捉えるとウルトラマンとザラブのやった事が実質同じである事は結構ハッキリ読める。 ウルトラマンは神永？の命を即座に復活させられたから。

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そして次に現れるメフィラス山本耕史はザラブよりも遥かに人間社会に馴染んでいて、種族に対する愛や関心も深い。 いつの間にか禍特隊の前に現れたのも、浅見抜きの面子でありこれは神永マンが人間社会に入り込んだ時の初期メンバーと一致する。

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その頃、浅見はメフィラスによって巨大化＆洗脳されてて「街を襲うウルトラマンは偽物で、本来は善良かつ対話可能性な相手ではないか？」と信じる禍特隊の対応と意図的に重ねてると見る事もできる。（ここは自信ない） 浅見は仲間だから攻撃しない＝ウルトラマンは味方だから攻撃しない

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メフィラスはザラブと違い、ウルトラマンのように人間社会に潜り込み文化にも詳しいがどこまでも「下等な原生生物」という見方を崩そうとはしない。 対話できても心が通わない 神永マンとの明らかな対比部分。 浅見はウルトラマンを「兵器ではなく心を通わせられる対等な相手」と思って接している。

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これは禍特隊の周囲が「ウルトラマンの武力を我が手に！」と浮き足立つ様子と明らかに対比されている。 ウルトラマンの「力」を欲する民衆 ＝ 原生生物の「整体兵器としての性能」を欲するメフィラス

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巨大な長澤まさみの動画で「こんなに顔がバレてちゃ公安の仕事に戻れない！」と浅見は憤慨するがメフィラスによって一斉消去される。 巨大長澤まさみ＝偽ウルトラマン こう見ると、公安のおしごと＝マンとしての戦うお仕事が対比されてるのは割と明確だと思う。

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ウルトラマン≒神永（公安）≒浅見（公安） いきなり「会ったこともない２人が同じ部署出身だからバディにさせられた」は「会ったこともない２人が同じ戦場にいたから合体した」と入れ子構造になっている。 浅見が禍特隊にやってくるのが神永マン誕生と同時期なのもそのため。

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長澤まさみの動画が削除されたのも、その前に神永マンの変身シーンが全世界に流通してるところから考えると 偽ウルトラマンの問題映像も人々の記憶から無いことにされた 的な比喩として設定してあったのかもしれない。

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神永マン≒浅見 という比喩構造が正しいなら諸々の演出意図が分かりやすくなって ザラブ→外から見ているだけの部外者 メフィラス→姿も模倣している超越者 ゾーフィ→そもそも人類に興味のない裁定者 と、全てウルトラマン≒浅見≒人類の一側面を切り取った存在になる。

黒沼 @numanuma_black

巨大長澤まさみがあの世界でキャーキャー言われたのも「害の無さそうな美女≒ウルトラマンが自分達の為に何かサービスしてくれるだろう」という人類の無責任な期待だと思うとそうだよなぁと。

黒沼 @numanuma_black

そうすると浅見の尻パンも意図がハッキリ見えてきて、アレ彼女なりの「変身シーン＝闘魂注入」なわけですよ。 同じくらいのドアップが出るのは神永マンの変身シーンなわけで、アレは実質「浅見の変身バンク」となる。

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浅見が禍特隊に来てから最初に船縁メガネ女史と交流し、大まかな空気感をそこで掴む。 その後の初出動時に船縁に尻パンをしており、闘魂注入。 これは終盤の神永マンにも発揮される。 闘魂注入＝ウルトラマンが人類に与える勇気や希望の比喩。

黒沼 @numanuma_black

浅見は事あるごとに自分を尻パンして身を奮い立たせる。 そうやって神永マンも不安や揺れのある内心をβカプセルで押し隠していたのかもしれない。 神永マンは終盤、浅見の闘魂注入を受けて変身し、空へと飛び立つ。

黒沼 @numanuma_black

神永と浅見のキスシーンが撮影されたものの削除されたのは、この尻パンが最後のキスシーンへの前振りであり「実質キスシーン（闘魂注入）」のメタファー。 そこが「ウルトラマン→人類の感情は友情である」とした樋口監督と「恋心である」とした庵野秀明のズレだったのだと思う。

黒沼 @numanuma_black

ゾーフィは実体化することなく人類にゼットンをけしかけるわけだけど、これは「そもそも交流する気のない、愛情の反対は無関心」の担当。 そもそも目の前に現れない相手を浅見は知覚することすらできない。 これは作中人物に相当する存在がおらず「マンの活躍を望む無慈悲な観客」枠かなぁ。

黒沼 @numanuma_black

こうして浅見→神永マンの「あなたを綺麗で交流可能な相手と感じた（信じたかった）」という感情を、ウルトラマン→神永≒人類への「好きってことじゃん」の感情と重ねて演出したかったのかな なんてことをこの要素からは思った。

黒沼 @numanuma_black

エヴァでもわかるけど庵野秀明、同時期のイクニと同じく比喩とか対比とかでストーリーを深堀するの好きだからね。 シナリオにはあったけど映像で落とされた部分って多分そういうことかなと。