『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』5話「まっしろリボン」感想メモ

相楽 @sagara1

夜の窓に映るまだ拙い踊りを見つめ練習に励むジョーに思わず助言をし、そして「シルヴィは本当になんでもできるんだなあ！」との嘆声に「ねえ、ジョーはなんのために頑張るの？」「どうしてそんなに前向きなのかな、って」と声を掛けさせたのは、5話冒頭で鏡に映る己から逃げた自分との違い。 #L_witch pic.twitter.com/EEsneTpnjP

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ジョーがすぐ後に言ったように鏡に映った「お姫様みたい」な姿は、ジョーをはじめとする仲間たちに身分を偽っていることがバレないかという恐れを、そして身分に相応しい務めを果たすべきなのに果たせない、父の期待にも応えられない自己嫌悪を誘い、逃げずにはいられない。 #L_witch pic.twitter.com/l4EVmW04zA

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そんなシルヴィからすれば "私はなんでもできるどころか、果たすべき務めを果たせず、そんな自分に向き合うこともできない。 ジョーこそ、どうして出来ない自分、期待に応えられない自分にそんなにまっすぐに向き合えるの？" とでも思えてしまうだろう。 #L_witch

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そこで 「お金のためだな！」 という意外な、自分の境遇とかけ離れた答えはシルヴィを驚かせて。 そして、 「でも軍隊に入れば、私にも家族のために出来ることがあるんだ」 と続く言葉に 「家族のため……」 とつぶやく。 #L_witch pic.twitter.com/X5CYwvww49

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高貴なる者の義務を果たし父の期待に応えたい自分も家族を養うため働くジョーも、家族を思う心では同じなのかも……5話最後の公爵の言葉とも通じる思いがシルヴィの心を更に親しくジョーに近づけさせる。 窓枠と二人にかかるその影は、二人に各々課せられた務めの鎖のようにも映る。 でも、 #L_witch pic.twitter.com/MxdbRHX1xP

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直後に続く言葉への共感こそが更に二人の距離を縮める。 「でも、ここは他の部隊とはちょっと違うね」 「国も育ちも違うみんなが集まって、一からやったこともないことをしよう、って。仕事のはずなのに、なんかワクワクすんだ！」 「…だね！」 ここでは差し込む星明かりが優しく描かれる。 #L_witch pic.twitter.com/1cBfV7dVIo

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各々の務めの労苦を仕方ないと受け入れつつ、果たせなかったらどうしようとばかり悩み続けた日々からは思いもよらない、義務でなくワクワクする在り方がこの部隊にはあった。 初ライブもだけれど例えば4話、共にファッション担当となった時に、 #L_witch

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「ジョーこそ。お洋服、大好きなのね」 「素敵なお洋服みかけると、ついつい観ちゃうんだ。私は一生着ることはないけどさ」 （中略） 「私はそもそも、針も持たせてもらえなかったのよね。だからさきほどのボタン付け競争で、もう傷だらけですわ」 「おう！こらひでえな！！」 #L_witch pic.twitter.com/EhvceKNWaB

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「……？」 「ですわ？」「ひでえ？」 務めからひととき心が解放され、ついこぼれ出ていた各々の地の貌。 この思いもよらない「ワクワク」こそ、二人が生まれや性格や趣味諸々の違いを越えて共有し、二人の絆ともなっているもの。 #L_witch pic.twitter.com/kXpoAJHFEl

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そして軍に入って以来「ずっと腫れ物扱い」されてきた（それ以前も貴人として距離を置かれてきただろう）中で欲し続けていたものをジョーがくれていたことに、シルヴィは気づく（きっと、目の前に現れてくれたことで今、自分がずっと求めていたということを知った）。 #L_witch

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「…俺？」 （中略） 「気を抜くと、家の感じがでちゃうんだ。気ぃつけてたんだど……恥ずかしい」 「……っ！」（母の墓前の回想が入る） 部隊の皆にも嘘をついている中、母の墓の前でだけは素直に思いを語ることが出来た。 #L_witch pic.twitter.com/QD8Ny5qafV

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ジョーにとっての自分は、自分にとっての亡き母のように親しく自分をさらけ出せるくらい気のおけない心から親しい存在なんだ……そんな接し方をしてくれる相手が、実はどれだけ欲しかったことだろう。そんな相手が今ここにいてくれると認識した時、シルヴィはどれだけ嬉しかっただろう。 #L_witch

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ジョーとそんな関係でいられるルミナスウィッチーズという場所に居続けたいと、どれだけ強く願わずにいられなかっただろう。 #L_witch

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一方、ジョーにとってもシルヴィは、夢見ることさえ諦めていた夢にどんどん具体的な形を与えてくれるかけがえのない存在で。 4話 「この肩のところは、丸くふわっとさせたい」 「そうね、かわいいわよね、タフスリーブ」 「…あっ！！」 #L_witch pic.twitter.com/IsGvTH0zg9

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一生縁などないと思いつつ、服飾係に任じられ衝動の赴くままスケッチを書き連ねれば、迸るイメージにあるべき名前、形を教えてくれて現実に手の届くものへとしていってくれる。 憧れ、努めつつもうまくいかない踊りのステップも、見事な見本と完璧なアドバイスで自分のものにさせてくれる。 #L_witch pic.twitter.com/SnJaJM0xLI

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この夜の場面、シルヴィが最初横たわるふかふかのベッド＆その後立って踊る絨毯とジョーの立つむき出しの床、その境界は二人を隔てる生まれの差のようでもあるけれどジョーは誘われ境界に立ち、シルヴィも自らそこを越え近づき並び、語る。 #L_witch

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「シルヴィは気に入らんかったかもしんねえけど、この髪型、似合ってたから」 「ねえ、あのリボン、まだ持ってる？」 「このリボン、ジョーがくれたんだ」 そんな自分の憧れを体現するようなお姫さまが自分の見立てた、余り物の布の白いリボンを大事な贈り物として喜んで身につけてくれる。 #L_witch pic.twitter.com/lXkDwiis3l

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夜に衣装とリボンの話をする時、ジョーは腰掛けるシルヴィと並びベッドの上に座り込んでいる。シルヴィと出会い招かれることで、一生縁など無いと思っていた夢はどんどん具体的に実現していく場に、今のジョーは居るんだというように。 #L_witch

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夢を形に、手の届くものにしてくれただけでなく大事な素晴らしいものと認め喜んでくれる。 本名と身分を明かす前からジョーにとって彼女は話していると思わず地が出るくらい気のおけない友人のシルヴィであると共に、憧れの国へ導いてくれるお姫さま。 #L_witch

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「シルヴィがシルヴィだったら、シルヴァーナのお姫さまでも……ルミナスウィッチーズのシルヴィでも、なーんも変わりゃしねえんだな！」 この答えは、これまでの二人の歩みから当然に約束されたものだったともいえそう。 #L_witch pic.twitter.com/qnva2mMJ1m

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ルミナスウィッチーズ5話。 シルヴィの父カリニャーノ公がコンサートを聴く「前」にもう、どんな在り方であれ、今のありのままの娘を（亡き妻と共に）誇りに思い、愛していると示していることが、美しいなと思う。 #L_witch

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こちらで触れたように twitter.com/sagara1/status… 迷い悩み周囲に偽り続けもするシルヴィにとって母の墓前は自然な心をさらけ出した場所。 他の時には心を隠すように両手を入れていたポケットからコンサートのチラシを取り出し、いのりに倣い（母が愛した青い桔梗の花を象る）折り紙の花を作り #L_witch pic.twitter.com/VQoarUQpeY

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『ラブライブ!スーパースター!!』2期感想メモ togetter.com/li/1917448?pag… 3話「優勝候補」。”私たちってなんだろう？”という再確認がなされた挿話。 広く注目を集め色んな見方をされる中、大事なのは誰から寄せられている思いか。 「Liella!はこの学校のスーパースターなんだよ」 #lovelive #Liella

2022-07-31 22:29:43

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手向けたものはいわばシルヴァーナとシルヴィの間で迷い苦しみながらも、（その夜にジョーと会話する前までは）はっきりと自覚しないながらも、ワクワクする期待と喜びも抱く、今のシルヴィの心と在り方そのもので。 #L_witch pic.twitter.com/8L2xeQ4UM6

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それを徽章や勲章、誇るべきものを飾るべき正装の胸に付けてコンサートの客席に現れた時点で、今のシルヴィそのものを誇らしく思い愛していると示している。 なぜなら、父として、果たすべき務めに向き合おうと幼い頃からし続けてきた娘の姿を知っている。 #L_witch pic.twitter.com/fvhhB469Tp

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姿も生き写しな亡き妻のことを、娘としてどれだけ愛し敬っていたか知っている。 その墓前に娘が妻の愛する青い桔梗、「気品」という花言葉で知られるそれを象った案内を置いていった以上、舞台の出来不出来などに関わらず、そこにいるのは誇るべき愛娘であることに疑いなどない。 #L_witch