「Trick or Twnovel?」～ハロウィンツイノベ2022

あまゆき @amyk0428

盛り上がったハロウィンパーティ。仮装の正体は誰にも知られてはいけない『決まり』があった。大好きな君も参加していたけれど、人混みと衣装の所為で見付けられない。見付けても正体は明かせない。が。突如僕の腕に抱き付いた黒猫魔女さんは、好き、と言って目元を露わにする君の仮装だった。#twTorT

リュカ @ryuka511

ハロウィンパーティの招待状は、思い出せないもどかしさの正体を暴き、遠い記憶を繋ぐ。｢約束、守ってくれたね」幼いながらも真剣な、将来の誓い。けれど、果たすにはもう遅すぎた。大人になれなかった少女と、大人になった少年。夜明けと共に、それぞれの属する世界へ。だけどもう、忘れない #twTorT

石森みさお@140字小説 @330_ishimori

誰かを待っていたのだけれど、と老いた魔女は首を傾げる。ぼやけた記憶の向こうにちらつくのは、鼠と、カボチャと、時計と、それから…… 「迎えに来たよ、呪われた姫」魔女の家の戸を骸骨王子が叩く。手にはガラスの靴。骨張った足に、それでも靴は約束通りに収まって、二人は元の姿に戻った。#twTorT

なな @nano1257

ハロウィンの日にだけ現れる黒猫がいる。その黒猫のためだけに隣町までミルクを買いに行く。鍋で人肌に温めてから皿へ移す。皿には子どもが描いた黒猫が描かれている。黒猫はこの皿からしかミルクを飲まない。約束はない。魔女といえど猫の言葉はわからない。それでも毎年ミルクを用意する。#twTorT

なな @nano1257

黒猫には記憶があった。人間の子どもの家に住んでいた。ミルクがうまかった。でも人間の子どもはいなくなった。黒猫は野良猫になった。そして死んだ。死んでからその家に行ったらあのミルクがあった。だから扉が開くとあの家に行った。人間の子どもは、大人になって魔女になっていた。#twTorT

綺想編纂館（朧） @Fictionarys

「Trick or Twnovel？」朝日に正体が暴かれる前にツイノベ期間へさよならを告げる時間。 ささやかな約束を交わしてTwHalloweenの余韻に浸りながら、次の物語へ。 さよならハロウィン、また会う日まで。 #twTorT