- Tobiishisan
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海から何かが来る。 図鑑で見たクジラの様だけど、「手」が付いている。 化け物。 言葉の様なモノを喚きながら、「食う」という意志を持って女の子に向かって行く。 男の子は、恐怖で泣きながらも化け物の気を自分に逸らすためロケット花火を放つ。 だが、そいつはゆっくりと口を開け… →RT twitter.com/fakeortruthxxx…
2020-07-26 14:10:06@Tobiishisan イ級に襲われ絶体絶命の時に女の子(海のそばの神社が実家)がお守りとして覚えていた祝詞でイ級が撤退していったことから始まる艤装開発史。
2020-07-26 13:17:13@fakeortruthxxx 続き!ありがとうございます。 良い話でした… 小学生の4人が笑ってる写真が、大人に成長し服装は変わっても同じ笑顔を浮かべてる写真で終わるエンドが見える…
2020-07-26 20:17:46@Tobiishisan まずはこちらからと思ったのか悪ガキ三人組へ針路を変える化け物。 黒い小山のような巨体が歯をむき出して迫る姿に悪ガキ達は恐怖にすくみもはや動けない。 それでもリーダーの男の子は涙を滲ませながらも決して目をそらさず睨みつける。
2020-07-26 17:55:58@Tobiishisan 自分のたわいない嘘を信じ、また嘘だと分かっても許して遊んでくれた悪ガキ達を何とかしたいと女の子は脳をフル回転させる。 その時、脳裏からよみがえる記憶があった。何度も繰り返し母が教えてくれた短い祝詞。それは怖い海を鎮めるものだと母は良く言っていた。
2020-07-26 18:00:19@Tobiishisan 叫ぶようにそれを詠う。自分でも驚くほどの声が出た。 すると怪物が再びこちらへ向き直る。その目は明確にこちらを見ていた。 怖かった。しかしなお悪ガキ達を救えない方がイヤだった。ベソをかきながらもその祝詞をループする。
2020-07-26 18:03:44@Tobiishisan どれだけの間にらみ合っただろうか。何度ループしただろうか。 少しずつ怪物は後ずさりをはじめ、そして遂には頭を返し海へ飛び込み、いずこかへと去っていった。 それを見届けると気力を振り絞った身体が限界を迎えてしまう。慌てて走り寄ってくる三人組を視界の端に見て意識が闇に飲まれた。
2020-07-26 18:09:18@Tobiishisan 次に女の子が目を覚ますと見慣れた自分の部屋のようだった。 首を動かすとあのリーダー格の男の子がいた。居眠りをしている。 男の子が部屋に来るのなんて初めてだなと暢気なことを思う自分に内心で笑い、声をかけると文字通り飛び起きた。
2020-07-26 19:59:36@Tobiishisan 目を覚まして良かった、命の恩人だありがとうと何度も言われ、くすぐったい気分になる。 騒ぎを聞きつけたのか両親もやってきた。少しやつれた顔に申し訳なさを感じる。 1週間目を覚まさなかったことを聞かされ、自分でも驚いてしまった。 その後は色々な、知らない大人が何人も来た。
2020-07-26 20:00:04@Tobiishisan その後は色々な、知らない大人が何人も来た。 警官には自分が見たままのことを話したが分かってもらえたかは分からない。 しかし警官とともに来たスーツ姿の大人達は熱心に聞いていた。 その人は「君が見たアレに対抗する術を作りたくてヒントを探しているのです」と言っていた。
2020-07-26 20:01:02@Tobiishisan そして熱心に乞われた両親も自分の生家である神社の縁起を語る。 海から来る荒ぶるモノを鎮め退去させるカミを祭るものであり代々女性が当主を務めたというシキタリ。 何度も教わった祝詞はその基本かつ根幹であり鎮め祓い退去を促すものであるということを初めて知った。
2020-07-26 20:01:27@Tobiishisan オカルトだと一笑に付されそうなそれをしかし大人たちは興味深そうに聞いていた。 本件はのちに兵器によらず深海勢を撃退した公式な最初の事例として認定され、深海勢と交渉・慰撫する道具としての艤装開発の端緒になったという。
2020-07-26 20:01:49@Tobiishisan なお、のちに女の子は最初の艦娘となり悪ガキ三人組はその艤装開発エンジニアとなったというがそれはまた別の話。
2020-07-26 20:01:59