大田俊寛氏(@t_ota)による中沢新一『日本の大転換』評まとめ

宗教学者、大田俊寛氏の中沢新一著『日本の大転換』についての連続tweetをまとめました。
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大田俊寛 @t_ota

★資本主義のグローバル化や、自然科学の発展が社会にもたらす弊害は、確かに存在する。しかし、そうした「悪しきもの」を安直かつ幻想的に超克しようとした結果、ファシズムや全体主義カルトといった「最悪のもの」を呼び込んでしまったというのが、二〇世紀の歴史ではなかっただろうか。

2011-10-29 13:01:05
大田俊寛 @t_ota

★しかし、念のために書き添えておけば、私は中沢の「緑の党」が、将来的にナチスやオウムのようになるのではないか、ということを心配しているわけではない。「革命のマニフェスト」を一冊735円で売り捌くような資本主義好きが、本気で革命に踏み出すとは、到底信じられない(何という茶番!)。

2011-10-29 13:01:20
大田俊寛 @t_ota

★むしろ私が案じるのは、「野生の科学研究所」などと関わり合うことによって、若い学生たちが「学問とは何か」ということを理解せず、貴重な時間を浪費することである。学問とは、耳に心地よい幻想に浸ることではない。複雑で過酷な現実の姿を直視し、それに対して粘り強い思考を巡らすことである。

2011-10-29 13:01:31
大田俊寛 @t_ota

★何らの実証性も、理論的一貫性も備えていない中沢の幻想の数々を、「学問」という名の下に教え込まれる学生の方々に対しては、本当に気の毒と言う他ない。しかし今の私には、このような空虚な運動には極力近づかないように、という警告を発することしかできない。/終

2011-10-29 13:01:44