『パンデミックの倫理学』広瀬巌、2021年1月
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「不安や恐怖から、基本的権利や自由の制約をたやすく認めてしまう空気を社会に作り上げてはならない。基本的な権利や自由の制限は抑制的で最小限であるべきだ」114頁
2023-02-24 15:56:38「日本における新型コロナウイルス感染症対策の専門家グループは領域助言型であるべきだ、と私は考えている」115頁 「大雑把に言えば、科学の知見と政治的判断をそれぞれ明確にすることができる」156頁 ここの私は広瀬巌さん。『パンデミックの倫理学』2021年1月
2023-02-24 17:09:09× 115頁
〇 155頁
「(基本的権利と自由をどこまで尊重するかどこまで制限するかの)正しいバランスは誰も事前に知ることはできない。しかし政策責任者はそのバランスについての判断をしなければならないし、その判断を誰かがしなければならないこそ政策責任者がいる」134頁
2023-02-24 17:14:56ほんらい尊重すべき基本的人権と自由を、感染症対策のためにどこまで制限するかのバランスは、政策責任者が決める。自分自身のバランスを制限寄りに傾けるのはかまわないが、他者にもそうしろと指図するのは厳に慎むべき。
2023-02-25 07:06:21このパンデミックにおいては、救命数最大化をめざすか、生存年数最大化をめざすか、の考え方の違いが衝突を生んでる。救命数最大化論者は高齢者保護に回り、生存年数最大化論者は若者保護に回る。マスク着用は前者。マスク外しは後者だ。
2023-02-26 11:06:12「実を言えば、希少な医療資源の分配というコンテキストでは、高齢者差別には倫理的に何の問題もないという考えが根強いのだ。」50頁
2023-02-26 12:52:17「誰もが例外なく歳をとる」「いま20歳のBも時がたてば70歳になり、」「誰もが例外なく同じように差別される可能性があるという意味で、 高齢者に一貫して低い優先順位を与えることに倫理的問題は一切ない」51頁
2023-02-26 12:57:29この私のツイートには高齢者差別だの批判が多かったが、そうではないと倫理的に反論することができた。誰もが例外なく歳をとるから公平である。差別ではない。 pic.twitter.com/dpd0uImutp
2023-02-26 13:08:35▼同じ年齢差でも場合によって対策が異なる: ・救命治療→若者を優先して生存年数最大化 ・ワクチン→高齢者を優先して救命数最大化
2023-02-26 13:28:08『パンデミックの倫理学』広瀬巌、2021年1月 keisoshobo.co.jp/book/b553847.h… 西浦さんのツイートで知って、図書館から一昨日借りてきて読み終えた。はしがき、4章、5章、結語、1章、2章、3章の順に読んだ。最後に読んだ2章と3章が圧巻だった。倫理学の真骨頂を見た感。
2023-02-26 16:26:42日本語は読みやすかった。わかりやすく書いてあった。誤植が散見された。2021年1月に、おそらく急いで出版したせいだろう。重要な部分は、読みながらツイート引用した。二つ、おかしいと感じた箇所があった。
2023-02-26 16:28:591章ボート(19頁) ボートAには5人、ボートBには1人。どちらを助けるか問題。命を積算してAを助ける案と、コインで決める案が提示された。しかし私はこう思う。6人のうちから助ける1人をくじで選ぶ。つまり、Aを助ける確率が5倍。
2023-02-26 16:32:595章超過死亡(144頁) 感染症AとBが同時に流行する。どちらも死亡率10%。AのあとBで死ぬから超過死亡は19%になるが、10%+10%で20%のはずだと言うが(過剰決定というらしい)、19%でいいんじゃないか。感染症AとBに同時感染した人は2人分死ぬ。
2023-02-26 16:39:07