【傍点 桜句会2023】まとめ

酒印（それはなんでしょう用） @nande_shosakai

【桜・花】；酒；51；◎；クラッシュシンバル深く打たれて桜の夜；野外で演奏を見たりしやすい季節になってきました。（「強く」とかではなく）「深く」に、押し込むように叩く様が浮かんで、丁寧で鋭敏な観察と言葉の選択だと思いました。； #boutensakura_kukai

徳山雅記 @tofumeshi

【自由】；徳；4；○；子と猫と猫の子のこれからのこと；これだけの情報で状況が見えてくるし、何かが始まる予感十分。ある意味小説の始まりのようだ。子という一字表記には今感がある。； #boutensakura_kukai

徳山雅記 @tofumeshi

【自由】；徳；8；○；１８０円切符の硬さ春を往く；きっぷを買うという行為がいまや非日常なのだった。金額からして遠出ではない。見慣れた景色のなかでの、なんでもない物の意外な質感にはっとする。； #boutensakura_kukai

徳山雅記 @tofumeshi

【桜・花】；徳；58；○；殴り合うような口づけ櫻散る；ただ事でない情景がこうして季語がつくことで「俳句になる」ことへの驚きがある。季語はこれで良かったかということもあるが印象を強烈にしており、何かの終わりや喪失感への暗喩もある。； #boutensakura_kukai

徳山雅記 @tofumeshi

【桜・花】；徳；39；○；犬と見た十年前の今日の花；十年という十分な長さに犬はもういないんだなという想像が働く。目の前の桜にふと過去の情景が甦るということ。あるなあそんなこと。； #boutensakura_kukai

徳山雅記 @tofumeshi

【桜・花】；徳；64；○；肉じゃがの香のゆっくりと花筵；「ゆっくりと」がよくて、汁気があるのでこぼさぬようにそっと宴会の筵の上を手渡しされて来る感じがする。うまそう。桜と肉じゃがというやや意外な取り合わせもよい。； #boutensakura_kukai

徳山雅記 @tofumeshi

【自由】；徳；77；○；ラーメンの油膜は淫ら遅日光；そもそもラーメンの油にそれ以上の意味はない。そこに季語が効いている。遅日に光がついてることで油膜をいっそうあやしくぬめらせるし、この後の展開への予感も不穏で良い。； #boutensakura_kukai

徳山雅記 @tofumeshi

【自由】；徳；82；○；名も知らぬ詩人の忌日芹つまむ；季語のはたらきが素晴らしい。よく知らない詩人だが気になっているというふわっとした感慨の中での「芹つまむ」の確かさ。芹がその詩人に成り替わっているのではないかという気もする。； #boutensakura_kukai

dysdis（ディスディス） @dysdis

【桜・花】；D；7；○；福神漬多めのカレー花疲；余計疲れる感があってよいと思いました。「多め」と控えめな表現にしている作者は優しい方なのだろうと； #boutensakura_kukai

dysdis（ディスディス） @dysdis

【自由】；D；8；◎；１８０円切符の硬さ春を往く；硬券でしたっけ、あれはもう普段使われないので普通の切符のことと思いました。それすら硬く感じられる春という、上手いなと感じました； #boutensakura_kukai

dysdis（ディスディス） @dysdis

【桜・花】；D；9；○；組織図のほどけてゆける花の宴；中七が的確でうまいなと感じました。俯瞰しているような視点が面白かったです； #boutensakura_kukai

dysdis（ディスディス） @dysdis

【桜・花】；D；19；○；花ぐもり妹のチュロスが長い；しょうもないと言えばそうですけど気になりますよね。主体の想いを季語に託し、ぐもりと平仮名にしたことで子どもの頃のことかなと想像でき、句またがりも効果的と感じました； #boutensakura_kukai

dysdis（ディスディス） @dysdis

【桜・花】；D；21；○；下げ花のまだ新しく飛花落花；「まだ」に主体のちょっとした感覚が封じ込まれていて、それが詩の奥行きになっているように思いました； #boutensakura_kukai

dysdis（ディスディス） @dysdis

【桜・花】；D；25；○；ミールスに酸いものひとつ花の雨；ひとつの酸いものが濡れた地面に最初に落ちた桜の花びらのようにも思えてよかったです； #boutensakura_kukai

dysdis（ディスディス） @dysdis

【桜・花】；D；50；○；天麩羅の薄き衣や花朧；遠くに見える淡い桜のように天婦羅の具材も薄く見える、「薄き」から主体はそれをあまりよく思ってなさそうですけど、桜なのでそれでも美味しかったのだろうと思いました； #boutensakura_kukai

dysdis（ディスディス） @dysdis

【自由】；D；82；○；名も知らぬ詩人の忌日芹つまむ；自分にとってなんてことのない一日も誰かの命日だと、芹のあの強めの香りに触発されて思ったのかなと感じました。この主体とその周りに漂う静謐は春だなと； #boutensakura_kukai

徳山雅記 @tofumeshi

【桜・花】；徳；74；◎；花の墓地抜けてベーグル買いに行く；桜も墓地も日常にとっては違和感のあるもの。その桜が満開になるが「ベーグル屋への近道」ということが、作中主体にとっては今いちばんの関心事なのだ、という感じがとても良い。谷中吟行の甲斐もあって特選！； #boutensakura_kukai

たろりずむ @tarrorism

【自由】；たろりずむ選；8；◎；１８０円切符の硬さ春を往く；電子マネーに対しての硬さ、ポケットに入れていた切符が体温で軟らかくなる前に着いてしまう硬さ、短距離の切符のほうが１円あたりのコストが高いことによる硬さ、など色々な硬さを想像しました； #boutensakura_kukai

たろりずむ @tarrorism

【桜・花】；たろりずむ選；34；○；墓石に感謝の文字や花の昼；遺族が故人への感謝を刻んだのかと思いましたが、よく考えると故人が遺族や墓参りに来てくれる人への感謝を刻むよう生前に手配していたのかも知れませんね（勝手に刻まれた可能性も）； #boutensakura_kukai

たろりずむ @tarrorism

【桜・花】；たろりずむ選；19；○；花ぐもり妹のチュロスが長い；私より、ということではなく単純に妹の食べてるチュロスが長いなと思ったことをそのまま書いた句として自分は読みました。「ぐもり」がチュロスを食べる「もぐもぐ」ぽくて好きです； #boutensakura_kukai

たろりずむ @tarrorism

【桜・花】；たろりずむ選；25；○；ミールスに酸いものひとつ花の雨；ひとやすみ感が取り合わせとして機能しているなと思いました。ミールスと湿った感じも合うような気がします； #boutensakura_kukai

たろりずむ @tarrorism

【桜・花】；たろりずむ選；46；○；風向きの変はる小路や花の塵；たまたま変わった場面、又は建物等の影響で変わりやすい小路であることを言った句とも読めますが自分は後者のほうがイメージしやすかったです。花の塵によって風が上手く可視化されています； #boutensakura_kukai

たろりずむ @tarrorism

【桜・花】；たろりずむ選；12；○；蒸しパンをこころもち染む桜漬；桜漬で色付けをした蒸しパンということなのか、あるいは桜湯を飲んだ口で蒸しパンをかじったら色が移ったということなのか、いずれにしても塩気と甘味の対比が良いなと思いました； #boutensakura_kukai

longdoor 詠頃 @longdoor

【桜・花】；詠頃；5；○；助手席の窓すこし開く花月夜；ひとりでに窓が開くような不思議な言い回しに惹かれました。花月夜の幻想的な雰囲気がより引き立っていて素晴らしいです。運転席に座って桜と月夜を見上げる優雅で孤独な時間。； #boutensakura_kukai

longdoor 詠頃 @longdoor

【桜・花】；詠頃；28；○；さっきから髪に飛花ある好きな顔；好きな子のことをずっと見ていることがばれてしまってます。「髪」から「顔」に視線が移っていて、「飛花」を伴う風が見えるのが素敵だと思いました。； #boutensakura_kukai