先生×ユウカ×ノア 成人後再会ルート

成人したノア、ユウカから離れた先生。 5年後、再会した3人の恋愛模様。 先生への真っすぐな想いを捨てなかったユウカと先生への愛憎を捨てられないノア。 2人の恋に先生はどう応えるのか。 雑多千秋先生の文章をまとめました。
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雑多千秋 @zattaChiaki

先生への恋心が今のユウカのアイデンティティの一部になっている節があるので、それを壊してノアユウをくっつけようとするとおそらく大敗的かつ湿度の高い共依存百合が待っていますよ……ひーん……

2023-04-02 23:46:03
雑多千秋 @zattaChiaki

でもさあ…先生が成人したノアとユウカに「好きな人がもしいるのなら、普通に呼んでいいからね。私はあくまでも君たちの保護者だっただけだから…去年までの話だけど」と苦笑するからさあ…ユウカは俯いてノアは「先生は本当に優しい方です。立派です。しかし、それが時には残酷に感じます」ってさあ…

2023-04-02 23:58:19
雑多千秋 @zattaChiaki

いつまでも続いて欲しいと思っていた3人の楽しい日常が本当は脆いガラス板一枚の上だけで繰り広げられていただけでさあ…ノアはまた例の詩を思い返しながら「…なーんて。すみません、ちょっとした意地悪でした。気にしないでください。私は気にしますけど」ってノアも苦笑するやつね…

2023-04-03 00:00:53
雑多千秋 @zattaChiaki

でも先生は本当は無知なふりをしていただけで全部見透かしていて、だからそういう話をわざと振ったのよな。そして翌朝先生がキャリーバッグ持って支度していたのをユウカとノアが見つけて慌てる二人に「もう手続きは済ませたよ。話すと引き留められると思って、少し強引な手段をね」ってさぁ…

2023-04-03 00:05:53
雑多千秋 @zattaChiaki

「私を…私たちを捨てるんですか!?」って今にも泣きそうな顔のユウカが先生の元に駆け寄ろうとした直後に「…………いやだ」と静かでいながらはっきりとした声で「意味、わからないです。こんな事なら卒業なんてしたくなかった、ずっと【生徒】のままが良かった、ずっと…」と敬語を崩したノアがね…

2023-04-03 00:11:11
雑多千秋 @zattaChiaki

「私、ここでユウカちゃんと一緒に捨てられたら先生のこと一生恨みます。二度と忘れないようにあらゆる手段で記録に残します。なんでそんな事言うの?言えるの?貴方のしている事は現実的で、論理的かもしれない。でも、でも…恋がそれだけのものじゃないって教えてくれたのは——先生、でしょう?」

2023-04-03 00:16:35
雑多千秋 @zattaChiaki

ここでルートが分かれます。 手続きを全て無碍にして大人としての信頼を落としてでもユウカとノアとの生活を守るか、振り返らずにユウカとノアの幸せを祈って出て行くのか。 ちなみに後者を選ぶと5年後くらいにうっかりひょんなところでそれぞれと再会して別の物語が始まりますね。

2023-04-03 00:21:12

ユウカとの再会

雑多千秋 @zattaChiaki

後者のルート、5年後の時空。先生がふらりと夜の街中を歩いてたら急に後ろから声がかかって咄嗟に振り返るとそこには成長したユウカがいてさあ…見るからに仕事帰りのOLって感じで、でも自分を見る眼差しが【あの頃】と変わらなくて先生は困ったように「…久しぶり」って笑うんだ

2023-04-03 00:33:42
雑多千秋 @zattaChiaki

「せ、せっかくですし!近くの居酒屋に行きませんか?」 「え、なに?ユウカに突然お持ち帰りされちゃうの?」 「っ…、し、しません!」 真っ赤な顔のユウカに先生は可愛いなって思うんだけど思うだけ。手を出す気はこの時点ではない。でもユウカが存外に酒に弱く、先生は自宅へ仕方なく連れて行く。

2023-04-03 00:36:51
雑多千秋 @zattaChiaki

「ユウカ、酒に弱いのになぜ誘ったの?」 「先生に会えて…嬉しかったので…」 「仮眠をとったら帰りなさい。送るから」 「やっ…」 「ユウカ。聞き分けのない子は、」 「子供だと、思ってます?」 「え、」 「……子供、ですよ。私の中の時間はずっとあの頃で止まってますから…すぅ」 「…ユウカ…」

2023-04-03 00:40:20
雑多千秋 @zattaChiaki

成人後再会ルートの続き。 泥酔したユウカが仮眠から不意に目を開けて「手」と突然に言うから先生は(握ってほしいのかな)と思うんだけどその直後「…出さないんですか?」と尋ねてきて先生はあ、これ、まずいな、って他人事みたいに考えちゃう展開がさあ…

2023-04-03 19:20:02
雑多千秋 @zattaChiaki

それで、ユウカと額をこつんと合わせてくすぐったそうに二人で笑うんだけどさ、先生は何故かその時、不意に思い出すんだ。 『私、ここでユウカちゃんと一緒に捨てられたら先生のこと一生恨みます』   そうだ。 『二度と忘れないようにあらゆる手段で記録に残します』 あの子は今どこに?

2023-04-03 19:51:12
雑多千秋 @zattaChiaki

「——計算外です」 「何が」 「こうして酔い潰れて、たくさん隙を見せたら、襲って下さるかと思ったのに」 「…私はユウカにそんな事しない」 「ああ…つまり、私に魅力が無いと」 「……違う」 「あ、はっ…先生って、そんな怖い顔もできたんですね。初めて見ました」

2023-04-03 19:23:42
雑多千秋 @zattaChiaki

ぎこちなく笑うユウカが居た堪れなくて咄嗟に先生は背中を向けてしまうんだがそれにユウカが「い、いかないで!」って大声で叫ぶから驚いて振り返るとそこには道に迷った幼子のように不安そうな顔をする一人の女の子がいて先生がそっと名を呼ぶとユウカは静かに首を振りながら「置いて、いかないで、」

2023-04-03 19:28:02
雑多千秋 @zattaChiaki

あんまりにも子供みたいに駄々をこねるユウカを気の毒に思って先生は「どこにも行かないよ」って答えるんだよな。 「今はユウカを介抱するべきだから、離れない」 「本当ですか?」 「うん」 「じゃあ、あの…甘やかして頂いても?」 「…私に出来る範囲なら」 「……嬉しい、です」

2023-04-03 19:35:43
雑多千秋 @zattaChiaki

それで翌朝いつの間にかベッドにユウカがいなくて先生は焦るんだけど、その直後、照れくさそうに笑いながら「勝手ながら、冷蔵庫の余物で朝ごはんを作らせていただきました」とユウカがキッチンから出てきてさ…先生は情緒が乱されたあまり衝動的にユウカを抱きしめて腕の中からは可愛い悲鳴が上がる

2023-04-03 19:43:18
雑多千秋 @zattaChiaki

今の彼女がどんな我儘を言うのか先生は内心で本当はビクビクしていたんだけど、 「手を——握っていてくれませんか」 と、実に細やかなお願いを言ってきたから、先生は(本当にあの頃のままの、純粋なユウカなんだな)って逡巡の後に手を握るんだ。すると彼女は心底嬉しそうにはにかんでまた眠る。

2023-04-03 19:38:17
雑多千秋 @zattaChiaki

「え、なに、なんでっ、」 「…わからない」 「へ?」 「でも、何だか、ユウカに飛び切り優しくしたくなったんだ」 「…」 「もう遅いだろうけれど」 「そんな事…ないです。私、良い子でずっと待っていました。ずっと、ずっと…だから…嬉しいです、——■■■さん」

2023-04-03 19:46:28

ノアとの再会

雑多千秋 @zattaChiaki

ユウカと連絡先を改めて交換した先生が仕事帰りにふらりとバーに寄るんだ。 すると隅で大勢からナンパされてるのにずっとニコニコしている子がいて、あれ、なんか見た事あるな、って思う先生。 透き通るような紫色の瞳に、煌めく銀髪。 「ああ——でも私、待ち合わせしてるんです」 彼女と、目が合った。

2023-04-03 19:56:09
雑多千秋 @zattaChiaki

「待ち合わせ?ずっと1人だったのに?」 見知らぬ男たちが怪訝そうに言うと、彼女はカツカツとヒールを鳴らしながらこちらに近づいてくる。 「ええ。ざっと5年ほどでしょうか。随分と待たせてくれたものです」 笑顔が、けれど感情の読めない瞳が、真っ直ぐに向けられる。 「ね?——私の、先生」

2023-04-03 19:59:53
雑多千秋 @zattaChiaki

「計算通りでした」 「…こうやって私におんぶされてるのが?」 「…ふふ。いえ、先生とお会いしたところまでは、です。でもまさか女性の限度を越えさせるほどの酒量を要求する男性方がいたとは。おかげでフラフラ」 「ノア」 「怒ってます?いいですよ、先生になら叱られたって。私、悪〜い子なので」

2023-04-03 20:47:14
雑多千秋 @zattaChiaki

「でも、可笑しな話ですよね。自分と親友を酷い形で置き去りにした男性にこうして甘えてしまっているだなんて」 「…」 「無言は肯定と取りますよ、先生」 「もう私には君にそう呼ばれる資格は無い」 「いいえ。その要求には応えられません。…先生って、女の子を虐めて喜ぶ変人なんです?」

2023-04-03 20:50:09
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