まとめました。 最後のほうで発狂してるのは気にしないで下さい。
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殺してくれ ポツリと呟いた言葉を僕は聞き逃さなかった。
傷だらけの背中を丸めて、まるでアニメで見たボクサーみたいに
うなだれたアルフレッドが、もう一度呟く

殺してくれ

ドクリ、と心臓が跳ねる。
殺してくれなんて!僕も君を殺してあげたい!
例えば、床に押し倒してそのまま頭を床に何度も打ち付けて
頭をザクロの様に叩き割ってもいいし、
ナイフを背中に突き立てて残された傷跡をなぞるように
体を切り取りバラバラにしてもいいかも知れない。
燃やしてもいいし溺れさせてもいいし、アルフレッドなら食べてもいい。
相変わらず心臓が早鐘のように脈打つ。
こんなにドキドキしたのは久しぶりだ。
早く首を捻って息の根を止めたい衝動を抑えながら、
僕は獲物の様子を伺う猫科の肉食動物みたいに、
慎重に慎重にアルフレッドに近づく。
縫い目に沿ってぷくりと肉が盛り上がった傷跡に
爪を立てて傷跡を抉りたいなぁと思いながら、
僕はそっとアルフレッドを抱きしめた。
いつもなら…可哀想に…首まで真っ赤になりながら
止めろ触るな殺すぞなんて暴れまわるのに
何も言わずに抱きしめさせてくれた。
シャツも何も羽織っていない素肌に手を滑らせ首筋に鼻を埋める。
このまま喉笛を噛み千切ったら、胸に手を突き入れて心臓を抉り出したら
君はどんな悲鳴を聞かせてくれるだろう。
きっとどんな殺し方をしてもアルフレッドは僕を満足させてくれる。
どんな酷い殺し方をしても綺麗な姿のままなのだろう。
でも、アルフレッドを殺すことはとても素敵なことだけど

「…そんなこと言わないで」

我慢できなくなるから。

「君は僕の友達だから」

殺してくれなんて言ったんだよね。

「そんな言葉はもう聞きたくない」

片手で体を抱きしめ、もう片方の手で柔らかい金髪を撫でて
噛み千切りたいくらい可愛らしい耳に唇を近づけ、そう言った。
アルフレッドは何も言わず、ただ俯いているだけだった。
もしかしたら、僕が殺したがっていることに気がついたのかも知れない。
それなら、君はいつもみたいにご自慢のロッドで僕を殴りつけるだろうか。
もしかしたら、髪を撫で、体に回した手を首に這わせて
そのまま絞め殺されるのを待ってくれているのだろうか。
あぁ絞殺は僕も嫌いじゃないよ、残酷な殺し方の一つだけど
時々とてもロマンチックな命の奪い方にもなるし
君の血を見られないのは残念だけど、でも君がそれを望むなら僕は。
優しく髪を撫でながらクルクルと回る頭で思案していると、
ポタリと体を抱きしめている左手に冷たい水滴が落ちた。
もう一度、ポタリと雫が落ちる。

まさか、そんな、ありえない
あのアルフレッドが泣いているなんて。

いつも生真面目そうに眉を潜めて、
口をへの字に曲げて何か難しいことを考えているアルフレッド。
時々お父さんのことでどうしようもなく心が痛んで、
聞き分けの悪い子供みたいに僕を罵って八つ当たりして、
最後には僕の胸を力なく叩いて小さくすまない、なんて謝るアルフレッド
赤いスーツに身を包んで、まるで自分が神様になったみたいに
裁きの杖を振りかざすように服とお揃いの真っ赤なロッドで
悪い人を殴り殺していくアルフレッド。
色々な姿を見てきたけど、涙を流したことなんて一度もなかった。
いつだって彼は格好良くて…時々情けなくなるけど…
僕のあこがれの存在だった。
そんなアルフレッドが泣いている?
ポタリと左手に跳ねた涙に、僕の血生臭い馬鹿げた妄想は
どこか遠くへ弾け飛んでしまった。
弾けた想像の欠片に恥ずかしさや申し訳なさを感じながら
今度は両方の手で…体の骨を砕いたりしないように気を使いながら
それでも力強くアルフレッドを抱きしめ直した。

「僕がいるから」

そう呟くと、一粒ずつ溢れていた涙がとうとう雨のように
ボロボロと僕の両手に降り注ぐ。
残っていたプライドで取り繕って押し殺していた泣き声が
不恰好なくらい激しくしゃくりあげる声に変わるのも
そう時間は変わらなかった。
涙の冷たさと抱きしめた体の温もりを感じながら
僕は静かに瞼を閉じた。


ちょっと疲れたアルフレッドとリックの話。
何が書きたかったのかいまいち分からない。
もう何も分からない。
語彙の少なさが目立って心が折れそうですが
頑張ります、多分。